ポマリドミド

成分名

ポマリドミド

適応症状

再発又は難治性の多発性骨髄腫

簡易説明

多発性骨髄腫の治療薬はベルケイド(ボルテゾミブ)とレブラミド(レナリドミド)が現在までの標準的治療とされておりました。
多発性骨髄腫という疾患は治癒が困難で、治療の目的が延命と言う事になります。そのためできる限り治療効果が確約されたベルケイド(ボルテゾミブ)とレブラミド(レナリドミド)という薬剤をキードラッグとし、他の薬剤を組み合わせることで治療を継続するのが一般的です。
ベルケイド(ボルテゾミブ)とレブラミド(レナリドミド)を使用した治療が効果不十分、つまり不耐性を示したり(治療抵抗性)、または治療後に再発した場合においてポマリドミド(ポマリスト)が用いられております。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/血液内科/産婦人科/小児科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約3,000円~6,000円
薬代1錠あたりの目安:1mg約37,000円/2mg約44,000円/3mg約49,000円/4mg53,000円
この医薬品に後発薬は発売されておりません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

▽高額療養費制度の対象となる場合の記載方法は下記の文面を参考にお願い致します。
■病院で処方してもらう時の費用目安
診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:1mg約37,000円/2mg約44,000円/3mg約49,000円/4mg53,000円
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

例えば70歳未満の方で総医療費が300,000円かかった場合
月給300,000円の方についての場合においては
80,100円+(総医療費300,000円-267,000円)×1%=80,430円が上限となります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2015年3月26日製造販売承認
2019年5月22日製造販売一部変更承認(用法・用量一部変更)
2015年5月20日薬価基準収載
2015年5月21日販売

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ポマリストカプセル1mg/2mg/3mg/4mg【製薬メーカー:ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

なし

海外での使用実績

2013年2月8日米国にて承認
ポマリドミドは、2013年に米国Celgene社(現Bristol-Myers Squibb)が米国FDAから再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬として承認を取得して以来、米国以外においては、欧州、カナダ、オーストラリア等を含む60以上の国と地域で承認されております。

効果・作用

ポマリドミドは再発又は難治性の多発性骨髄腫に効果のある医薬品です。

【作用機序】
ポマリドミドは、サイトカイン産生調節作用、造血器腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、血管新生阻害作用等を有すると考えられております。しかし、現時点において詳細な作用機序は解明されておりません。

【多発性骨髄腫とは】
多発性骨髄腫とは「骨髄」の中にある「形質細胞」と呼ばれる細胞が、がん化し、「骨髄腫細胞」となり増殖する病気になります。形質細胞は本来、ウイルスや細菌など、⾮⾃⼰とみなした物質(抗原)から体を守る働きを担っています。
⾎液細胞のリンパ球の中には免疫を司るT細胞とB細胞があり、B細胞は抗原を⾒つけると形質細胞に変わります。形質細胞は、抗体(免疫グロブリン)をつくってウイルスや細菌などの異物を攻撃し感染や病気から体を守っているのです。
形質細胞ががん化すると、抗原を攻撃しないばかりか、病気が進行すると骨の破壊による痛みや骨折、M蛋白の産生による腎障害、また造血が妨げられることによる貧血、感染症など様々な症状や臓器障害が現れるようになります。
多発性骨髄腫と診断された患者さんの中には、すぐに症状が現れない人もおります。
この病気は高齢者に多く、50歳ごろから年齢とともに患者数が増えていきます。病気の原因はよくわかっておりません。一般的に、遺伝することはないと言われております。
多発性骨髄腫の治療法は日進月歩です。今では、病気の進行や症状をコントロールしながら、長くつきあう病気になってきております。

【治療の流れについて】
治療は、一般的に症状が出現し、症候性骨髄腫になった段階で開始します。症状がない場合には、定期的な検査を受けて様子をみます。治療には、自家造血幹細胞移植やさまざまなタイプのおくすりを組み合わせた薬物療法があります。多発性骨髄腫による合併症の治療も大切です。

使用方法

デキサメタゾンを併用する場合:
通常、成人においては医薬品成分であるポマリドミドとして1日1回4mgを21日間連日経口から投与した後、7日間休薬する事となっております。この4週間を1サイクルとして投与を繰り返します。尚、患者の状態によって適宜減量する事とされております。

ポルテゾミブ及びデキサメタゾンを併用する場合:
通常、成人においては医薬品成分であるポマリドミドとして1日1回4mgを14日間連日経口投与した後、7日間休薬する事となっております。この3週間を1サイクルとして投与を繰り返します。なお、患者の状態によって適宜減量する事とされております。

副作用

重大な副作用
1)深部静脈血栓症、肺塞栓症
深部静脈血栓症(2.0%)、肺塞栓症(1.6%)、静脈塞栓症(0.4%)、静脈血栓症(0.3%)等が現れることがあるとの報告がございます。
2)脳梗塞(0.2%)
3)骨髄抑制
好中球減少(48.3%)、血小板減少(23.9%)、貧血(17.5%)、発熱性好中球減少症(4.9%)、汎血球減少症(頻度不明)等の骨髄抑制が現れることがあるとの報告がございます。
4)感染症
肺炎(8.9%)、敗血症(1.6%)等の重篤な感染症が現れることがあるとの報告がございます。
5)進行性多巣性白質脳症(頻度不明)
意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状が現れることがあるとの報告がございます。
6)腫瘍崩壊症候群(0.2%)
7)心不全、不整脈
心不全(0.4%)、心房細動(0.8%)、頻脈性不整脈(0.1%)等が現れることがあるとの報告がございます。
8)急性腎障害(0.3%)
9)過敏症
血管浮腫(頻度不明)、発疹(5.6%)、蕁麻疹(0.2%)等の過敏症が現れることがあるとの報告がございます。
10)末梢神経障害
末梢性感覚ニューロパチー(7.2%)、末梢性ニューロパチー(0.7%)、多発ニューロパチー(0.6%)等の末梢神経障害が現れることがあるとの報告がございます。
11)間質性肺疾患(頻度不明)
12)肝機能障害、黄疸(頻度不明)
13)催奇形性(頻度不明)

その他の副作用
1)消化器
便秘(10%以上)
下痢(5~10%未満)
悪心、口内炎、口内乾燥、腹痛、嘔吐、腹部膨満、上腹部痛、痔出血(5%未満)
胃腸出血(頻度不明)
2)循環器
低血圧、高血圧(5%未満)
3)呼吸器
呼吸困難、労作性呼吸困難、咳嗽、鼻出血、口腔咽頭痛、発声障害(5%未満)
4)筋骨格
筋痙縮(5~10%未満)
筋力低下、四肢痛、筋肉痛、背部痛、骨痛(5%未満)
5)代謝
食欲減退、低カリウム血症、低アルブミン血症、低カルシウム血症、低ナトリウム血症、低リン酸血症、高血糖、低マグネシウム血症、高カリウム血症、高カルシウム血症(5%未満)
6)精神・神経系
浮動性めまい、振戦、錯感覚、頭痛、失神、感覚鈍麻、錯乱状態、味覚不全、不眠症、うつ病、意識レベルの低下、傾眠(5%未満)
7)皮膚
そう痒症、脱毛症、皮膚乾燥、寝汗、紅斑、多汗症、点状出血(5%未満)
8)その他
疲労(10%以上)
発熱、無力症(5~10%未満)
末梢性浮腫、体重減少、転倒、回転性めまい、悪寒、倦怠感、CRP増加、浮腫、白内障、非心臓性胸痛、尿閉、慢性腎臓病、骨盤痛(5%未満)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)妊婦又は妊娠している可能性のある女性
2)適正管理手順を遵守できない患者
3)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

■ポマリドミドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ポマリストカプセルは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ポマリストカプセルの有効成分
ポマリドミド
▼代表薬の添加物
・カプセル内容物:D-マンニトール、部分アルファー化デンプン、フマル酸ステアリルナトリウムカプセル本体:ゼラチン、酸化チタン、青色2号、黄色三二酸化鉄、赤色3号、青色1号

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①深部静脈血栓症のリスクを有する患者
②骨髄抑制のある患者
③サリドマイド又はレナリドミドによる重篤な過敏症の既往歴のある患者
2)腎機能障害患者
3)肝機能障害患者
4)生殖能を有する者
5)妊婦
6)授乳婦
7)小児等
8)高齢者

上記にあてはまる方は、ポマリドミドを使用する事が出来ない可能性があります。
ポマリドミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)CYP1A2阻害剤
(フルボキサミンマレイン酸塩、シプロフロキサシン等)
本剤との併用により、ポマリドミドの代謝が阻害され血中濃度が増加したとの報告がございます。
2)CYP3A4阻害剤
(ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)
本剤との併用により、ポマリドミドの代謝が阻害され血中濃度が増加したとの報告がございます。

上記を使用している方は、ポマリドミドを使用する事が出来ない可能性があります。
ポマリドミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
男性であれば服用期間中でも性交渉は可能ですか?

ポマリストは精液中への移行性が認められております。その為投与終了4週間後までは性交渉は避けた方が良いでしょう。

献血はしても大丈夫なのですか?

治療中並びに治療終了4週間後までは献血をしないでください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。