成分名 |
ペントスタチン |
適応症状 |
ペントスタチンを主成分とする医療用の医薬品であるコホリン静注用7.5mgの効能効果は、
1)成人T細胞白血病リンパ腫、または2)ヘアリーセル白血病、の1)及び2)の疾患に対する自覚的、並びに他覚的症状の緩解に対して適応を持ちます。 |
簡易説明 |
ペントスタチンを主成分とする医療用の医薬品であるコホリン静注用7.5mgは抗悪性腫瘍剤です。主成分であるペントスタチン(2’-デオキシコホルマイシン)は、アデノシンデアミナーゼ活性を強力に阻害する物質です。アデノシンデアミナーゼ活性によりアデノシンとビダラビンが脱アミノ化され、デオキシアデノシンが出現し、抗腫瘍活性を示すと推察されています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1瓶あたりの目安:7.5mg約91,200円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
ペントスタチンを主成分とする医療用の医薬品であるコホリン静注用7.5mgは、1994年4月1日に製造販売が承認され、1994年5月27日に薬価基準に収載。その後1996年5月20日に発売が開始となりました。
また販売名変更に伴い2008年3月14日に製造販売が承認され、2008年6月20日に薬価基準に収載されました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
本剤は海外に輸出していません。 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ペントスタチンを主成分とする医療用の医薬品であるコホリン静注用7.5mgの効能効果は、1)成人T細胞白血病リンパ腫、または2)ヘアリーセル白血病、の1)及び2)の疾患に対する自覚的、並びに他覚的症状の緩解に対して効果のある医薬品になります。
【作用部位】
腫瘍細胞
【作用機序】
リンパ系腫瘍細胞の障害に及ぼす本剤の作用機序は、次のような機序が考えられています。
ペントスタチンは、アデノシンやデオキシアデノシンを脱アミノ化してアデノシンデアミナーゼ活性を強力に阻害します。(アデノシンデアミナーゼ活性によりアデノシンはイノシンに、デオキシアデノシンはデオキシイノシンに変換されます。)
アデノシンデアミナーゼ阻害の結果、デオキシアデノシン(リンパ系細胞に障害作用を持つ)が血中に出現します。
デオキシアデノシンは細胞に取り込まれた後、三リン酸化され、デオキシアデノシン三リン酸となります。
デオキシアデノシン三リン酸にはDNA合成阻害作用、DNA切断作用、RNAに影響を及ぼす作用等が考えられています。
また、デオキシアデノシンはS-アデノシルホモシステインヒドロラーゼ(DNA及びRNAのメチル化反応にとって重要な酵素)を阻害する事から、メチル化反応阻害作用も考えられます。
その他、ペントスタチン自体も三リン酸化されDNAへ取り込まれます。 |
使用方法 |
【成人T細胞白血病リンパ腫】
通常、ペントスタチンとして4mg/m2~5mg/m2(体表面積)を1週間間隔で4回静脈内に投与を行います。この方法を1サイクルとして、2~3サイクル繰り返します。
【ヘアリーセル白血病】
通常、ペントスタチンとして4mg/m2~5mg/m2(体表面積)を1~2週間に1回静脈内に投与を行います。
【効能共通】
いずれの場合においても、腎障害のある患者に投与する場合には、クレアチニンクリアランスを測定します。クレアチニンクリアランスが59mL/分~40mL/分の場合には2mg/m2~4mg/m2に、39mL/分~25mL/分の場合には1mg/m2~3mg/m2に減量し、それぞれ低用量から始めて安全性を確認しながら慎重に投与を行います。 |
副作用 |
重大な副作用
1)重篤な腎障害(頻度不明)
腎障害の患者で溶血性尿毒症症候群又は腎不全で死亡した症例が報告されています。
2)骨髄抑制(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少(顆粒球減少、好中球減少、リンパ球減少)、血小板減少、貧血が現れる事があります。
その他の副作用
心臓、肝臓、腎臓、消化器、皮膚、血液、呼吸器、精神神経系、感染症、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)心臓
頻脈(5%未満)
心電図異常(頻度不明)
2)肝臓
AST上昇、ALT上昇、ALP上昇(5%以上)
総ビリルビン上昇(5%未満)
LDH上昇(頻度不明)
3)腎臓
尿蛋白(5%以上)
クレアチニン上昇、BUN上昇(5%未満)
クレアチニンクリアランス低下(頻度不明)
4)消化器
食欲不振(43.9%)、嘔気・嘔吐(39.0%)、口内炎(5%以上)
下痢、腹痛(5%未満)
5)皮膚
紅斑性皮疹、紅斑掻痒、皮膚炎(5%未満)
アレルギー性皮疹(頻度不明)
6)血液
白血球減少(26.8%)、血小板減少、貧血(5%以上)
7)呼吸器
咳嗽、PaO2減少(5%未満)
8)精神神経系
意識障害、頭痛(5%未満)
9)感染症
帯状疱疹(5%未満)
肺炎、腹膜炎(頻度不明)
10)その他
全身倦怠感(36.6%)、発熱(31.7%)
結膜炎、筋肉痛、背部痛(5%未満)
腹水、CRP上昇(頻度不明
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
■ペントスタチンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、コホリン静注用7.5mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼コホリン静注用7.5mgの有効成分
ペントスタチン
▼代表薬の添加物
・D-マンニトール
2)腎不全の患者(クあレアチニンクリアランスが25mL/分未満の患者)
腎不全が増悪する恐れがある為使用できません。
3)水痘又は帯状疱疹の患者
目ね器抑制作用により水痘又は帯状疱疹が増悪する恐れがある為使用できません。
4)ビダラビン注射剤を投与中の患者
5)シクロホスファミド又はイホスファミドを投与中の患者
6)フルダラビンリン酸エステル製剤を投与中の患者
7)妊婦又は妊娠している可能性のある患者
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①心機能異常のある患者
心機能異常が増悪する恐れがある為使用には注意が必要です。
②感染症を合併している患者
免疫抑制作用により、感染症が増悪する恐れがある為使用には注意が必要です。
③高カルシウム血症の患者
腎機能が低下している恐れがあり、本剤の排泄が遅れる可能性がある為使用には注意が必要です。
2)腎機能障害患者
①腎不全の患者(クレアチニンクリアランスが25mL/分未満の患者)
投与しない事
②腎障害のある患者(クレアチニンクリアランスが59~25mL/分の患者)
腎障害が増悪する恐れがある為使用には注意が必要です。
3)肝障害のある患者
肝障害が増悪する恐れがある為使用には注意が必要です。
4)妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない事。
動物実験において催奇形性作用、胚・胎児毒性が見られている為使用には注意が必要です。
5)授乳婦
授乳しないことが望ましい。
動物実験において乳汁中へ移行する事が認められている為使用には注意が必要です。
6)小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。
7)高齢者
高齢者では腎機能が低下していることが考えられ、高い血中濃度が持続する恐れがある為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、ペントスタチンを使用する事が出来ない可能性があります。 ペントスタチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)アロプリノール
因果関係不明の過敏性血管炎で死亡したとの報告がある為併用には注意が必要です。
2)ビダラビン(軟膏・クリーム剤)
3)ネララビン
本剤との併用により、ネララビンの作用が減弱する恐れがある為使用には注意が必要です。
上記を使用している方は、ペントスタチンを使用する事が出来ない可能性があります。 ペントスタチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 1)ビダラビン(注射剤)(アラセナーA等)
ビダラビン注射剤との併用により、腎不全、肝不全、痙攣発作、昏睡、脳浮腫、肺浮腫、代謝性アシドーシス、急性腎不全(いずれもグレード4)を発現したとの報告がある為併用できません。
2)シクロホスファミド(エンドキサン)、イホスファミド(イホマイド)
錯乱、呼吸困難、低血圧、肺水腫等が認められ心毒性により死亡したとの報告がある為併用できません。
3)フルダラビンリン酸エステル(フルダラ)
致命的な肺毒性が発現する事がある為併用できません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ペントスタチンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【KMバイオロジクス株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】 |
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