成分名 |
プララトレキサート |
適応症状 |
再発もしくは難治性の末梢性 T 細胞リンパ腫 |
簡易説明 |
プララトレキサートは、再発もしくは治療が難しい末梢性T細胞リンパ腫に使用される抗がん剤です。DNAの合成を阻害し、がん細胞増殖を抑制します。本剤は細胞の中に長くとどまるという特徴をもっています。2017年に日本では販売開始された比較的新しい薬剤ではありますが、世界の15か国以上で既に治療薬として使われています。日本ではムンディファーマが販売しております。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:20mg約91292円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2017年8月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ジフォルタ注射液20mg【製薬メーカー:ムンディファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
15か国以上で販売されています。 |
効果・作用 |
プララトレキサートは、葉酸代謝拮抗剤に分類される抗悪性腫瘍剤です。
ジヒドロ葉酸還元酵素を競合的に阻害することによって、がん細胞のDNA合成を阻害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。また、本剤はRFC-1を介して細胞の中に取り込まれた後、長く滞在するように改良されています。さまざまなリンパ腫の細胞株に対して、増殖を抑制する作用が認められています。
再発又は難治性の末梢性 T 細胞リンパ腫患者13名を対象とした国内試験を実施しています。ビタミンB12と葉酸併用下で、本剤 30mg/m2を週に1回6週間連続で投し1週休薬する7週間を 1サイクルと定義しました。本剤とホリナートの投与期間は第 1サイクルまでとされました。本剤の初回投与時は本剤投与 24 時間後からホリナート1回25mgを8時間ごとに6回経口投与しました。本剤の2回目投与以降は、前回投与時に口内炎が出た場合はホリナート 25mg、口内炎があらわれなかった場合は、ホリナート 15mgを、本剤投与24時間後から8時間ごとに6回経口投与することとされ、ホリナート投与から次の本剤投与までの間隔は 72時間以上あけることとしました。主要評価項目は第1サイクル中に発現したグレード2以上の口内炎の発現率としており、結果は7.7%でした。副次評価項目としていた奏効率は38.5%であり、13名のうち完全に奏功した人が2名、部分的に奏功した人が3名いました。 |
使用方法 |
1日1回体表面積あたり30mg/m2を3~5分間かけて、週1回、静脈内投与します。これを 6週連続で行い、7週目は休薬します。1サイクルとして、投与を繰り返してください。患者
の症状にあわせて減量が可能です。 |
副作用 |
主な副作用
鼻出血、悪心嘔吐、下痢や便秘などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
精神・神経系・・頭痛(5%~10%未満)、味覚異常/不眠症/錯感覚/浮動性めまい/うつ病/感覚鈍麻/末梢性ニューロパチー/蟻走感/記憶障害/神経痛/末梢性感覚ニューロパチー/感覚消失/失神/不安/激越/錯乱状態/妄想(5%未満)
血液・リンパ系・・リンパ節痛/脾腫/好酸球増加症/白血球数増加(5%未満)
循環器(心・血管系)・・頻脈/心肺停止/心拡大/駆出率減少/低血圧/頚静脈血栓症/鎖骨下静脈血栓症/血圧上昇(5%未満)
呼吸器・・鼻出血(10%以上)、咽喉頭疼痛/咳嗽/呼吸困難(5%~10%未満)、発声障害/咽頭の炎症/咽喉乾燥/胸水/湿性咳嗽/しゃっくり/低酸素症/肺硬化/鼻閉/胸膜痛/肺うっ血/肺塞栓症/逆流性喉頭炎/鼻漏/頻呼吸/咽喉絞扼感/鼻の炎症/上気道の炎症(5%未満)
消化器・・悪心/嘔吐/下痢/便秘(10%以上)、上腹部痛(5%~10%未満)、口腔内痛/胃食道逆流性疾患/腹部不快感/口唇炎/肛門の炎症/口の感覚鈍麻/腹痛/口渇/消化不良/痔核/鼓腸/胃炎/食道炎/口唇症/口唇乾燥/嚥下障害/歯肉浮腫/歯肉痛/痔出血/口唇障害/口唇痛/口唇潰瘍/嚥下痛/食道痛/口腔障害/口腔粘膜紅斑/膵炎/口の錯感覚/肛門周囲紅斑/直腸出血/舌変色/歯痛/早期満腹/腹部膨満/口角口唇炎/心窩部不快感/軟便/齲歯(5%未満)
眼・・眼刺激/眼充血/流涙増加/結膜充血/霧視/結膜炎/眼乾燥/眼瞼紅斑/眼そう痒症/眼瞼浮腫/眼瞼下垂/眼瞼そう痒症/光視症/強膜充血/ぶどう膜炎/視力低下(5%未満)
耳・・耳鳴/ 難聴/聴力低下/回転性めまい(5%未満)
筋・骨格系・・四肢痛(5%~10%未満)、筋痙縮/筋肉痛/背部痛/関節痛/筋骨格痛/頚部痛/肋軟骨炎/関節硬直/関節腫脹/筋骨格系胸痛/筋骨格不快感/筋骨格硬直/肉離れ(5%未満)
腎臓・泌尿器・・腎不全/排尿躊躇/血中クレアチン増加/頻尿/腎機能障害/血中クレアチニン増加(5%未満)
乳房・生殖器・・亀頭包皮炎/性器発疹/性器潰瘍形成/外陰腟そう痒症/包茎/精巣痛(5%未満)
代謝・・食欲減退/低カリウム血症/体重減少(5%~10%未満)、低マグネシウム血症/高カリウム血症/高尿酸血症/脱水/低リン酸血症/細胞死/高カルシウム血症/高血糖/低血糖/血中尿酸増加/血中カリウム減少/血中ブドウ糖増加/血中リン増加/体重増加/低アルブミン血症(5%未満)
肝臓・・ALT増加/AST増加(10%以上)、高ビリルビン血症/胆管炎/肝脾腫大/血中ビリルビン増加/肝機能検査異常/血中アルカリホスファターゼ増加/血中乳酸脱水素酵素増加/γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加/肝機能検査値上昇(5%未満)
投与部位・・注入に伴う反応/注射部位反応(5%未満)
その他・・末梢性浮腫/発熱/疲労(10%以上)、粘膜の炎症(5%~10%未満)、無力症/顔面浮腫/寝汗/疼痛/腋窩痛/悪寒/インフルエンザ様疾患/限局性浮腫/局所腫脹/粘膜乾燥/ 挫傷/ 擦過傷/胸痛/肛門性器疣贅/倦怠感/浮腫/湿疹(5%未満)
重大な副作用
<口内炎>
65.8%の確率で発現しています。
<骨髄抑制>
血小板減少症や貧血、好中球減少症、白血球減少症、リンパ球減少症、発熱性好中球減少症などがあらわれることがあります。
<感染症>
細菌、真菌もしくはウイルスに起因する重篤な感染症、帯状疱疹、肺炎、ニューモシスチス肺炎などがあらわれることがあります。
<重度の皮膚障害>
TENと呼ばれる中毒性表皮壊死融解症やスティーブンジョンソン症候群と呼ばれている皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑などが頻度不明ですが報告されています。
<腫瘍崩壊症候群>
0.7%の確率で報告されております。異常があらわれた場合には、すぐに本剤の投与を中止し、生理食塩液や高尿酸血症治療剤などの投与、もしくは透析などを行うと同時に、症状が回復するまで患者の状態を観察してください。
<間質性肺炎>
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■プララトレキサートを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ジフォルタ注射液の有効成分
プララトレキサート
▼代表薬の添加物
等張化剤、塩化ナトリウム、pH調整剤
・以前、プララトレキサートを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある女性
使用に注意が必要な方 ・骨髄機能が低下している方は、症状が悪化し重篤となる可能性があるため使用には注意をしてください。
・重度の腎機能障害のある方は、本剤の減量を考慮しながら慎重に投与してください。血中濃度が上昇し、副作用の発現リスクが高まる可能性があります。
・妊娠可能な女性やパートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中は避妊を行うよう指導してください。
・小児に対しては臨床試験を実施していません。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、症状を見ながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、プララトレキサートを使用する事が出来ない可能性があります。 プララトレキサートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <プロベネシド>
本剤の血中濃度が上昇する可能性があります。そのため併用する際には代わりの治療薬を使用し、本剤の減量を検討してください。副作用の発現には十分注意をしてください。機序は不明です。
上記を使用している方は、プララトレキサートを使用する事が出来ない可能性があります。 プララトレキサートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
プララトレキサートに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ジフォルタ注射液20mg 添付文書 |
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