エンタカポン

成分名

エンタカポン

適応症状

パーキンソン病

簡易説明

COMT阻害薬としてレボドパ製剤の効き目を高め、パーキンソン病における手足の震えや筋肉のこわばりなどを改善する薬です。
本剤は単独では使用せず、必ずレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用することが定められています。
併用するよう決められているドーパミン作動薬とともに投与すると、その血液脳関門の通過を促進することで生物活性を増加させる働きがあるとされています。

処方可能な診療科目

内科/神経内科/精神科など

健康保険の適応

健康保険適用

病院で処方してもらう時の費用目安

診療代の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:コムタン錠100mg1錠/126円(ノバルティスファーマ)
薬代後発薬の目安:エンタカポン錠100mg「アメル」1錠/34.9円(共和薬品工業)
         エンタカポン錠100mg「JG」1錠/34.9円(日本ジェネリック)
         エンタカポン錠100mg「KN」1錠/41.7円(小林化工)
         エンタカポン錠100mg「トーワ」1錠/41.7円(東和薬品)
         エンタカポン錠100mg「サンド」1錠/34.9円(サンド)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。
指定難病であり、自己負担額分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2007年4月発売

国内のジェネリック認可

エンタカポン錠100mg「アメル」(共和薬品工業)
エンタカポン錠100mg「JG」(日本ジェネリック)
エンタカポン錠100mg「KN」(小林化工)
エンタカポン錠100mg「トーワ」(東和薬品)
エンタカポン錠100mg「サンド」(サンド)

関連製品(先発薬)

コムタン錠100mg(ノバルティスファーマ)

関連製品(ジェネリック)

エンタカポン錠100mg「アメル」(共和薬品工業)
エンタカポン錠100mg「JG」(日本ジェネリック)
エンタカポン錠100mg「KN」(小林化工)
エンタカポン錠100mg「トーワ」(東和薬品)
エンタカポン錠100mg「サンド」(サンド)

海外での使用実績

エンタカポンはフィンランドのオリオンファーマ社が開発し、米国ではコムタンおよびスタレボの商標でノバルティス社が発売しています。日本では2007年1月26日に認可され、2007年4月よりノバルティス社がコムタン錠の商標で発売しています。米国では200mgの錠剤だが、日本での錠剤は100mgの配合で販売されています。

効果・作用

パーキンソン病は、手の震え・動作や歩行の困難などの運動障害を示す、進行性の神経変性疾患です。
進行すると自力歩行も困難となり、車椅子や寝たきりになる場合があります。
40歳以上の中高年の発症が多く、特に65歳以上の割合が高いとされています。
アルツハイマー病と並んで頻度の高い神経変性疾患と考えられており、日本では難病(特定疾患)に指定されている病です。
エンタカポンはこのパーキンソン病の進行を遅らせる目的で、COMT阻害薬とともに使用される薬です。
COMT阻害薬とは、中枢外に存在するドーパミン代謝経路の酵素であるカテコール-O-メチル基転移酵素 (COMT) を阻害する薬剤のことをいいます。
末梢でのレボドパ分解を抑制して中枢への移行性を高めるための薬剤であり、これにより手や足などの末梢神経の動きを低下させないよう働きかけてくれます。
ウェアリングオフ現象(継続して薬を服用することにより、効果が薄れ体が動かなくなったり、震え、姿勢が前かがみになってしまう)の改善に有効ですが、ジスキネジア、精神症状の増悪が認められることがあるため注意が必要です。
レボドパ製剤の半減期は60~90分ですが、早期パーキンソン病ではその効果が切れることを体感することはほとんどありません。
しかし進行期パーキンソン病では次の内服時間の前に運動障害が悪化するウェアリングオフという現象が認められることがあります。
レボドパ製剤と併用して服用することにより、ウェアリングオフ現象を防ぎ、日常生活動作を補助するための薬です。

使用方法

エンタカポンとして1回100mgを経口投与します。
なお、症状によりエンタカポンとして1回200mgを投与することができます。
但し、1日8回を超えないこととされています。

副作用

主な副作用
不安・紅斑性皮疹・斑状丘疹状皮疹・蕁麻疹・紫斑・皮膚変色・毛髪変色・髭変色・爪変色・多汗症・不眠症などがみられます。

重大な副作用
悪性症候群・高熱・意識障害・昏睡・高度筋硬直・不随意運動・ショック状態・激越・頻脈・不安定血圧・CK上昇・CPK上昇・横紋筋融解症・急性腎不全・筋肉痛・脱力感・血中ミオグロビン上昇・尿中ミオグロビン上昇・突発的睡眠・傾眠・幻覚・幻視・幻聴・錯乱・肝機能障害・ 胆汁うっ滞性肝炎がみられることがあります。

その他の副作用
悪夢・妄想・病的性欲亢進・失神・回転性眩暈・運動低下・ジスキネジー・ジストニー・頭痛・浮動性眩暈・体位性眩暈・味覚異常・運動過多・振戦・鼓腸・大腸炎・便秘・悪心・上腹部痛・下痢・体重減少・胃不快感・食欲不振・嘔吐・レッチング・消化不良・胃炎・腹痛・AST増加・ALT増加・γ−GTP増加・着色尿・尿潜血陽性・頻尿・BUN上昇・貧血・ヘモグロビン減少・白血球数減少・赤血球数減少・白血球数増加・ヘマトクリット減少・鉄欠乏性貧血・疲労・無力症・倦怠感・末梢性浮腫 ・口渇・関節痛・筋痛・背部痛・筋痙攣・細菌感染・血清鉄減少・CK増加・CPK増加・LDH増加・Al−P増加・血圧低下・起立性低血圧・高血圧・転倒・呼吸困難などがみられる可能性があります。
定期的な検査を行うとともに、気になる症状が現れた場合は速やかに受診し、医師の指示を仰いでください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
エンタカポンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、エンタカポンはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼エンタカポンの有効成分
エンタカポン100mg
▼エンタカポンの添加物
セルロース、D-マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、硬化油、ヒプロメロース、ポリソルベート 80、グリセリン、白糖、ステアリン酸マグネシウム、三二酸化鉄、酸化チタン

・過敏症、横紋筋融解症、悪性症候群の既往歴のある方
・妊婦、授乳婦

使用に注意が必要な方
・褐色細胞腫、肝障害の既往歴のある方
・起立性低血圧を引き起こす恐れのある薬剤服用中の方
・麦角系ドパミン作動薬を併用している方
・高齢者
・体重40kg未満の低体重の方

上記にあてはまる方は、エンタカポンを使用する事が出来ない可能性があります。
エンタカポンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
【併用注意薬】
抗パーキンソン剤・抗パーキンソン剤・イソプロテレノール・ドパミン・COMTにより代謝される薬剤・エピネフリン・ノルエピネフリン・イソプロテレノール・ドパミン・B型モノアミン酸化酵素阻害剤・セレギリン・ワルファリン・鉄剤<服用>・イストラデフィリン・ドパミン受容体刺激作用を有する麦角製剤の治療歴・ブロモクリプチン・ペルゴリド

上記を使用している方は、エンタカポンを使用する事が出来ない可能性があります。
エンタカポンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
動き始める時の注意などはありますか?

副作用として目がくらんだり失神したりすることがあります。座位や横臥位などから動き始める際には、ゆっくりと動き始めることを意識してください。パーキンソン病によって歩きはじめなどは足が出にくいなどの症状があらわれる場合がありますが、気持ちが急いでしまうと転倒や、それによるリスクの可能性が高くなります。動き始める時は焦らず、ゆっくりと体を動かすようにしてください。また眠気などを呈することがありますので、どのような副作用が出るのかわかるまでは、運転や機械の操縦などは控えてください。副作用の出方や運転の頻度によっては医師に報告し、どうするべきか指示を仰いでください。

服用を継続していますが、ギャンブルなどへの衝動性がみられてきました。対処法などはありますか?

おそらく、副作用によるものだと思われます。これは病的賭博衝動といいます。性に対する衝動があらわれることもありますが、これは病的性衝動といいます。ご家族の理解が必要になる場面もありますが、薬が合っていない可能性も大いにあります。まずは医師へ相談し、薬の飲み合わせや対処法などを一緒に探していくと良いでしょう。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。