成分名 |
デュルバルマブ(遺伝子組換え) |
適応症状 |
・切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法
・切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
・進展型小細胞肺癌
・切除不能な肝細胞癌
・治癒切除不能な胆道癌 |
簡易説明 |
デュルバルマブは、PD-L1をターゲットにする遺伝子組み換えモノクローナル抗体です。PD-L1はBリンパ球、樹状細胞、マクロファージなどの免疫細胞に発現しますが、肺癌などの多くの癌種では、腫瘍細胞上で過剰に発現します。PD-L1はPD-1やCD80と結合し、これらの受容体を通じてT細胞の活動を抑制します。本剤はPD-1やCD80との相互作用を阻害し、腫瘍細胞が免疫系を抑制することを妨げ、これにより体内の免疫システムが癌細胞を攻撃するのを助けます。日本ではアストラゼネカが販売しております。 |
処方可能な診療科目 |
呼吸器外科/消化器外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:120mg約101807円/500mg約413539円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2018年8月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
イミフィンジ点滴静注120mg【製薬メーカー:アストラゼネカ】
イミフィンジ点滴静注500mg【製薬メーカー:アストラゼネカ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
局所進行もしくは転移性尿路上皮癌の効能・効果:カナダ、ブラジル、イスラエル、インドなど10カ国で承認されています。
白金製剤を含む同時化学放射線療法後に疾患進行を認めない切除不能なステージⅢの非小細胞肺癌の効能・効果:アメリカ、カナダ、スイス、インド、ブラジルなど81カ国で承認されています。
進展型小細胞肺癌の効能・効果:アメリカ、カナダ、スイス、ブラジル、シンガポールなど76カ国で承認されています。
アメリカでは、転移性非小細胞肺癌、切除不能な肝細胞癌、局所進行もしくは転移性胆道癌の効能・効果においても承認されています。 |
効果・作用 |
デュルバルマブはPD-L1を対象とするるヒト型免疫グロブリンGサブクラス1、κ型アイソタイプモノクローナル抗体です。PD-1とPD-1受容体の結合を阻害することで腫瘍細胞の増殖を抑えています。肝細胞癌や胆道癌などに用いられる抗悪性腫瘍剤です。
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して、国際共同第3相試験を実施しています。
化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者675名を対象としており、日本人は49名含まれておりました。本剤、トレメリムマブと白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法を併用投与した結果、全生存期間は、本剤併用群で14.0カ月、対照群で11.7カ月であり、本剤併用群は対照群に対し有意に延長しました。
進展型小細胞肺癌に対しても、国際共同第3相試験を実施しています。
化学療法歴のない進展型小細胞肺癌患者537名を対象としており、日本人は34名含まれておりました。本剤、白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチンもしくはシスプラチン)とエトポシドを併用投与した結果、主要評価項目として設定した全生存期間は、本剤併用群で13.0カ月、対照群で10.3カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示しました。 |
使用方法 |
<切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法に使用する場合>
1回1kgあたり10mgを2週間の間をあけて60分間以上かけ、点滴静注します。ただし、最高の投与期間は12カ月間までとしてください。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に使用する場合>
トレメリムマブ(遺伝子組換え)及び白金系抗悪性腫瘍剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用では、1回1500mgを3週間の間をあけて4回、60分間以上かけ、点滴静注します。その後、1回1500mgを4週間の間をあけて60分間以上かけ、点滴静注します。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は1kgあたり20mg/kgとします。
<進展型小細胞肺癌に使用する場合>
白金系抗悪性腫瘍剤及びエトポシドとの併用では、1回1500mgを3週間の間をあけて4回、60分間以上かけ、点滴静注します。その後、1回1500mgを4週間の間をあけて60分間以上かけ、点滴静注します。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は1kgあたり20mgとします。
<切除不能な肝細胞癌に使用する場合>
1回1500mgを4週間の間をあけて60分間以上かけ、点滴静注します。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は1kgあたり20mgとします。
<治癒切除不能な胆道癌に使用する場合>
ゲムシタビン塩酸塩及びシスプラチンとの併用において、3週間の間をあけて、1回1500mgを60分間以上かけ、点滴静注します。3週間の間をあけての繰り返し投与後、1回1500mgを4週間の間をあけて60分間以上かけ、点滴静注します。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は1kgあたり20mgとします。 |
副作用 |
主な副作用
主に、10%以上の割合で発疹が発現すると報告されています。
他にも、TSH上昇、TSH低下、咳嗽・湿性咳嗽、肺炎、上気道感染、そう痒症、下痢、腹痛、発熱、筋肉痛、末梢性浮腫などもあげられます。
重大な副作用
間質性肺炎、大腸炎、重度の下痢、甲状腺機能障害、副腎機能障害、下垂体機能障害、1型糖尿病、肝機能障害、腎障害、横紋筋融解症、重症筋無力症、脳炎、インフュージョンリアクション、重度の皮膚障害、神経障害などに注意をしてください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■デュルバルマブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼イミフィンジの有効成分
デュルバルマブ
▼代表薬の添加物
L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、トレハロース水和物、ポリソルベート80
・以前、デュルバルマブを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・自己免疫疾患の合併もしくは慢性的もしくは再発性の自己免疫疾患に以前かかったことのある方は、自己免疫疾患が増悪する可能性があるため注意をしてください。
・放射線肺臓炎を含む間質性肺疾患のある方もしくはその以前かかったことのある方は、放射線肺臓炎を含む間質性肺疾患が発現もしくは増悪するおそれがあります。
・小児に対しては臨床試験を実施しておりません。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、異常があらわれた場合には、投与を中止するなど慎重に投与をしてください。
上記にあてはまる方は、デュルバルマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 デュルバルマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
デュルバルマブ(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
イミフィンジ点滴静注 添付文書 |
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