成分名 |
モガムリズマブ(遺伝子組換え) |
適応症状 |
・再発または難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫
・CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫
・再発または難治性の皮膚T細胞性リンパ腫
<適応症状における注意>
■すべての適応症状に共通事項
・モガムリズマブ(遺伝子組換え)の適応となる疾患を診断する際は、病理診断に対して十分な経験を持っている医師または施設において行うことが推奨されています。
■CCR4陽性のATL、再発または難治性のCCR4陽性のPTCL、再発または難治性の皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)
・添付文書の「17.臨床成績」の内容を熟知し、予後不良因子などを鑑み、モガムリズマブ(遺伝子組換え)の安全性および有効性を十分に理解した上で使用してください。
■CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)、再発または難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)
・CCR4抗原は、免疫組織化学染色(IHC)法またはフローサイトメトリー(FCM)による検査を行って、抗原が陽性であるケースにのみモガムリズマブ(遺伝子組換え)を投与してください。 |
簡易説明 |
モガムリズマブ(遺伝子組換え)は成人T細胞白血病リンパ腫などに用いられます。成人T細胞白血病リンパ腫ではケモカイン受容体であるCCR4が強く発現しています。モガムリズマブ(遺伝子組換え)はそのがん細胞で強く発現しているCCR4に選択的に結合してADCC(抗体依存性細胞障害)というメカニズムを介することによって抗腫瘍効果を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
腫瘍内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:20mg約171,219円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2012年5月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ポテリジオ点滴静注20mg【製薬メーカー:協和キリン】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
モガムリズマブ(遺伝子組換え)は成人T細胞白血病リンパ腫などに用いられます。
様々な要因によってDNAに異常が起こり、それによって無限に増え続け(増殖)、別の臓器や器官に移動(転移)する細胞をがん細胞と呼びます(様々な要因に関しては、多段階発がん、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、遺伝子突然変異などが挙げられます)。通常の細胞では、異常が起きたり老化したりすると細胞が自ら破壊されるアポトーシスと呼ばれる現象で排除されますが、がん細胞はそのアポトーシスから逃れる機能を持っていて、異常な状態になっているのにも関わらず増殖し続けます。つまり1つのがん細胞が発生すると、1つが2つに、2つが4つに、4つが8つに分裂しといった形で二次関数的に増殖してしまうため早期の段階で増殖を止める必要があると言えます。
がん細胞の増殖を阻害する薬には、化学療法薬、分子標的薬、内分泌療法薬など複数ありそれぞれ特徴が異なっています。成人T細胞白血病リンパ腫ではケモカイン受容体であるCCR4が強く発現するケースが多い傾向にありますが、モガムリズマブ(遺伝子組換え)はそのがん細胞で強く発現しているCCR4に選択的に結合してADCC(抗体依存性細胞障害)というメカニズムを介することによって抗腫瘍効果を発揮します。 |
使用方法 |
■CCR4陽性のATL
成人(15歳以上)のケース:モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/体重kgを1週間間隔で8回点滴静注します。
※成人で、その他の抗悪性腫瘍剤と併せて服用する場合には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/体重kgを2週間間隔で8回点滴静注してください。
※化学療法を実施していないケースではその他の抗悪性腫瘍剤と併用してください。
■再発または難治性のCCR4陽性のPTCL
成人(15歳以上)のケース:モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/体重kgを1週間間隔で8回点滴静注します。
■再発または難治性のCTCL
成人(15歳以上)のケース:モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/体重kgを1週間間隔で5回点滴静注します。それ以降は2週間間隔で点滴静注してください。 |
副作用 |
重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください
・Infusion reaction
※モニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、減量や休薬などの適切な対応をとってください。重度のInfusion reactionが確認された場合は直ちに使用を中断し、副腎皮質ホルモン剤、昇圧剤、酸素吸入、解熱鎮痛剤の投与などの適切な処置を行ってください。また、異常が確認された場合においては、それらすべての症状が完全に消失するまでモニタリングを続けてください。
・腫瘍崩壊症候群
※異常が確認された場合、すみやかに使用を中断し、生理食塩液、高尿酸血症治療剤などの投与、透析などの適切な処置を行ってください。
・感染症
※とくに重篤な感染症としては帯状疱疹が引き起こされる可能性があります。モガムリズマブ(遺伝子組換え)使用中および使用終了後はモニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、減量や休薬などの適切な対応をとってください。
・重度の皮膚障害
※皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(TEN)などが、モガムリズマブ(遺伝子組換え)の使用中もしくは使用終了後に引き起こされる可能性があります。異常が確認された場合においては、抗アレルギー剤、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤の使用などの適切な処置を行ってください。
・肝機能障害
※AST上昇、ALT上昇などを伴う肝機能障害が引き起こされる可能性があります。
・重度の血液毒性
※白血球減少、リンパ球減少などが引き起こされる可能性があります。
・間質性肺疾患
※呼吸困難、咳嗽、発熱の有無などの症状のモニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、減量や休薬などの適切な対応をとってください。また、胸部CT、胸部X線などの検査実施も検討してください。
・B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎
※異常が確認された場合、すみやかに抗ウイルス剤を投与するなどの処置を講じてください。
・高血糖
その他の副作用
・眼:霧視
・精神、神経系:味覚異常、頭痛、感覚マヒ、末梢性ニューロパチー、錯感覚、不眠症
・血液系:赤血球の減少、好酸球の増加、ヘマトクリットの減少
・循環器系:心拍数増加、頻脈、血圧の上昇、血圧の低下、潮紅、ほてり、左室機能不全、心電図QT延長、心室性期外収縮、急性心筋梗塞
・呼吸器系:咳嗽、低酸素血症、口腔咽頭痛、鼻づまり、呼吸困難、胸水
・筋、骨格系:関節の痛み、筋骨格痛、筋けいれん、四肢の痛み、背部の痛み、筋力の低下、頚部の痛み
・消化器系:口腔内の乾燥感、悪心、便秘、嘔吐、下痢、口内炎、腹痛、腹部不快感
・皮膚系:かゆみ、脱毛症、多汗症
・代謝系:高尿酸血症、電解質異常(クロール、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム)、低アルブミン血症、総タンパク減少、低リン酸血症、尿中ブドウ糖陽性
・泌尿器系:尿中ウロビリノーゲン増加、タンパク尿、尿中血陽性、急性腎障害、クレアチニンの上昇、血中尿素増加
・その他:CRP上昇、サイトカイン放出症候群、発熱、悪寒、だるさ、食欲の減退、むくみ、体重の増加、無力症、めまい、倦怠感、体重減少、低体温症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・モガムリズマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ポテリジオ点滴静注はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ポテリジオ点滴静注の有効成分
モガムリズマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
ポリソルベート80、グリシン、塩酸、クエン酸水和物、水酸化ナトリウム
使用に注意が必要な方 ・心機能障害を患っている方、またはその経験のある方
・感染症を併発している方
・結核、肝炎ウイルスなどに感染している方、またはその経験のある方
・骨髄機能が重度に低下している方
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
上記にあてはまる方は、モガムリズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 モガムリズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・不活化ワクチン
・弱毒生ワクチン
・生ワクチン
上記を使用している方は、モガムリズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 モガムリズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
モガムリズマブ(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ポテリジオ点滴静注 【ポテリジオ点滴静注 添付文書】 |
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