ミガーラスタット塩酸塩

成分名

ミガーラスタット塩酸塩

適応症状

ミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病など

簡易説明

ミガーラスタット塩酸塩は、ミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病の治療に用いられる薬です。
ファブリー病は、リソソーム(ライソゾーム)内の分解酵素の遺伝子変異・欠損により引き起こされるライソゾーム病の一種に分類される指定の難病で、脳梗塞・心不全・腎不全をひきおこす病気です。

処方可能な診療科目

内科/神経内科/循環器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1カプセルあたりの目安:123mg約145304円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。

厚生労働省による認可、または発売年月日

【ガラフォルドカプセル123mg】
販売開始年月 : 2018年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ガラフォルドカプセル123mg【アミカス・セラピューティクス】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

ファブリー病患者に対する海外第Ⅲ相試験として、本剤の有効性及び安全性を評価するランダム化二重盲検プラセボ対照試験を行い、酵素補充療法を未実施又は6ヵ月以上実施していない16歳から74歳の外国人男女ファブリー病患者67例(男性24例、女性43例、eGFR≧30mL/min/1.73m2)を対象に、ミガーラスタット塩酸塩又はプラセボを6ヵ月間隔日経口投与しています。
本剤を18か月から24ヵ月間投与した被験者におけるeGFRCKD-EPI年間変化量は−0.30[−1.65、1.04]mL/min/1.73m2(41例)で、左室重量係数の変化量は−7.7[−15.4、−0.0]g/m2(27例)でした。

効果・作用

ミガーラスタット塩酸塩は、ミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病の治療に用いられる薬です。
ファブリー病は遺伝性の疾患であり、親から子へ遺伝情報が伝わることにより発症します。
ミガーラスタット塩酸塩は特定の異常なα-ガラクトシダーゼ Aに結合して、折りたたみ構造を正常化させるはたらきをもつことから、折りたたみ構造が正常化することで、α-ガラクトシダーゼ Aの構造が安定して、分解されることなくリソソーム内に輸送されるようになります。
リソソーム内に到着すると、ガラフォルドは可逆的に分離して、α-ガラクトシダーゼ Aによってグロボトリアオシルセラミド(GL-3)等の分解が促進されます。
この結果、グロボトリアオシルセラミド(GL-3)の蓄積が解消されることから、症状が緩和します。
このように、あるタンパク質の折りたたみ構造を正常化させる働きをもつ物質を総称して「シャペロン」と呼ばれています。
薬理学的シャペロン療法では、飲み薬として服用したシャペロン が、細胞内で構造が不安定なα-ガラクトシダーゼ Aを安定化させてリソソームに運ばれることをサポートする治療方法で、シャペロンにサポートされてリソソームに運ばれたα-ガラクトシダーゼ Aはリソソームの中で働いてたまった グロボトリアオシルセラミド(GL-3)を分解するはたらきがあります。
ただし、シャペロン療法は遺伝子の変化のタイプによって治療方法に反応するタイプとしないタイプがあることあことから、患者の遺伝子の変化タイプを調べる必要があります。
本薬はミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病の治療薬として用いられますが、全てのファブリー病患者に効果があるわけではないことから、使用にあたっては医師の診断等に従ってください。

使用方法

16歳以上の患者にはミガーラスタットとして1回123mgを隔日経口投与します。なお、食事の前後2時間を避けて投与してください。

副作用

重大な副作用
下痢/悪心/頭痛/浮動性めまい/錯感覚/動悸/回転性めまい/腹痛/便秘/口内乾燥/便意切迫など

その他の副作用
消化不良/疲労/疼痛/血中クレアチンホスホキナーゼ増加/体重増加/筋痙縮/筋肉痛/斜頚/四肢痛/感覚鈍麻/うつ病/蛋白尿/呼吸困難/鼻出血/発疹/皮膚そう痒症など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ミガーラスタット塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方は、ガラフォルドにアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ガラフォルドの有効成分
ミガーラスタット塩酸塩
▼代表薬の添加物
・内容物:部分アルファー化デンプン、ステアリン酸マグネシウム、
・カプセル:ゼラチン、酸化チタン、青色二号

使用に注意が必要な方
■重度の腎機能障害患者
重度の腎機能障害のある患者は有効性及び安全性を指標とした臨床試験では除外されています。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあることから、重度の腎機能障害のある患者への投与は推奨されていません。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。ウサギ胚胎児発生に関する試験においては、臨床推奨用量投与時の曝露量の244倍以上に相当するミガーラスタットの投与により、母動物毒性が発現して、着床後胚死亡率の増加、体重減少、流産、骨化遅延、軽微な骨異常の増加等が認められています。

■授乳婦
授乳しないことが望ましいです。ラットで乳汁へ移行することが報告されています。

■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることが多いことから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。

上記にあてはまる方は、ミガーラスタット塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ミガーラスタット塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ミガーラスタット塩酸塩で治療するファブリー病とはどのような病気ですか?

ファブリー病は細胞の中の「リソソーム(ライソゾーム)」で働く酵素の
ひとつであるα-ガラクトシダーゼ A(α-Gal A)をつくるための情報
を持ったGLA 遺伝子が変化(遺伝子変異)することにより発症します。
GLA 遺伝子の変化により、α-Gal A が全くつくられない、または正常な
α-Gal Aとは少し形の違う酵素がつくられることでリソソームで働く
ことができないために、リソソームの中に通常分解されるグロボトリア
オシルセラミド(GL-3)という物質がたまる疾患です。

ファブリー病の遺伝子検査を考えている方へ

【上記引用元:アミカス・セラピューティクス】

ファブリー病は遺伝子検査を行えば見つかりますか?

酵素活性値の低下を認めており、ファブリー病と既に
診断されている場合でも、遺伝 子検 査の結果、
変化が見つからない場合があります。

ファブリー病の遺伝子検査を考えている方へ

【上記引用元:アミカス・セラピューティクス】

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