デガレリクス酢酸塩

成分名

デガレリクス酢酸塩

適応症状

前立腺がん

簡易説明

デガレリクス酢酸塩は前立腺がんの適応を持つ国内初めてのGnRHアゴニストです。もともと同系統の薬剤で起こりやすかったテストステロンの急激な上昇が少ないため、骨痛の悪化や脊髄圧迫の悪化リスクが低下しています。世界では90か国以上で販売されており、日本では2023年3月、製造販売承認がアステラス製薬からフェリング・ファーマへ承継されています。

処方可能な診療科目

泌尿器科/外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ゴナックス皮下注用80mg【製薬メーカー:フェリング・ファーマ株式会社】80mg1瓶19587円(薬価)
ゴナックス皮下注用120mg【製薬メーカー:フェリング・ファーマ株式会社】120mg1瓶23823円(薬価)
ゴナックス皮下注用240mg【製薬メーカー:フェリング・ファーマ株式会社】240mg1瓶28775円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

<ゴナックス皮下注用80mg/120mg>2012年10月
<ゴナックス皮下注用240mg>2019年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ゴナックス皮下注用80mg/120mg/240mg【製薬メーカー:フェリング・ファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

世界で90か国以上で販売されています。

【アメリカ】
FIRMAGONという名前で2009年3月から販売されています。日本の適応は前立腺がんですが、アメリカでの適応は「進行性前立腺がん」となっています。

【イギリス】
アメリカと同じくFIRMAGONという名前で、2009年6月から販売されています。適応は「進行性ホルモン依存性前立腺がん」です。

効果・作用

前立腺癌治療法は患者の状態に応じて選択される中で、内分泌療法は重要な役割を果たしています。GnRHアゴニストが一般的に使用されていましたが、テストステロンの急激な上昇、つまりテストステロンサージが起こることがありました。Ferring社が開発したGnRHアンタゴニスト・デガレリクスは、テストステロンサージなしで効果が長時間持続するという特徴を持っています。日本ではアステラス製薬が国内臨床試験を開始し、2012年に承認されました。長期間アンドロゲン遮断療法が必要な患者に対して、3カ月に1回で投与可能なことや通院、投与負担軽減のメリットをもたらしています。

前立腺癌患者136名を対象に、 国内第Ⅱ相試験を実施しています。初回用量を240mg、その後は1か月ごとに維持用量80mgを1年間投与しました。その結果、去勢率は94.9%であり奏効率は投与4週目で77.4%、8週目で90.8%、28週目で88.0%、52週目で84.5%であったことから、本剤の有効性が認められました。

また、維持用量を12週間で投与した時の有効性を検討する国内第Ⅲ相比較試験も実施しています。前立腺癌患者、234例(本剤群117例、対照群117例)を対象として本剤3カ月レジメンもしくはゴセレリンを投与し、投与後28日目から364日目までの血清テストステロン値に基づく累積去勢率について評価しました。結果、本剤3カ月レジメン維持用量は、血清テストステロン抑制効果において、ゴセレリンと比較した非劣性が確認されました。

使用方法

初回は240mgを120mgずつ腹部2カ所にわけて皮下投与します。初回投与4週間経過してから、2回目以降は維持用量を投与します。1か月間隔で投与をおこなう場合は、80mgを腹部1カ所に皮下投与します。3か月間隔で投与をおこなう場合は、480mgを1カ所あたり240mgずつ腹部2カ所に皮下投与します。

副作用

主な副作用
主に、疼痛や紅斑、体重増加や倦怠感、ほてりなどがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
注射部位・・疼痛/硬結/紅斑/腫脹/そう痒感(5%以上)、熱感/発疹/小水疱/結節/内出血/変色(5%未満)、炎症/膿瘍/蜂巣炎(頻度不明)
血液・・貧血/ヘモグロビン減少/白血球数減少/血小板減少症(5%未満)
心臓・・心電図QT延長/心室性期外収縮(5%未満)
消化器・・便秘/嘔吐/下痢/悪心/胃炎/腹部膨満/歯周炎(5%未満)
肝臓・・ALT増加/AST増加/肝機能異常/γ-GTP増加/Al-P増加/脂肪肝/肝酵素上昇(5%未満)
感染症・・CRP増加/膀胱炎/鼻咽頭炎(5%未満)
代謝・・糖尿病/血中コレステロール増加/食欲減退/高脂血症/中心性肥満/血中尿酸増加(5%未満)
筋骨格系・・筋力低下/関節痛/筋痙縮/頚部痛/筋骨格硬直/骨密度減少/肋骨骨折/背部痛/四肢痛(5%未満)
良性/悪性及び詳細不明の新生物・・結腸癌/胃癌(5%未満)、脂肪腫(頻度不明)
精神神経系・・不眠症/頭痛/浮動性めまい/神経痛/坐骨神経痛/気力低下/脳出血(5%未満)
泌尿器・・夜間頻尿/血中尿素増加/排尿困難(5%未満)
生殖系及び乳房・・勃起不全/精巣萎縮/女性化乳房(5%未満)
呼吸器・・湿性咳嗽(5%未満)
皮膚・・多汗症/皮下出血/そう痒症/発疹/湿疹/蕁麻疹/全身性そう痒症(5%未満)、血管浮腫(頻度不明)
血管・・ほてり/高血圧(5%以上)、血圧上昇/潮紅(5%未満)
その他・・体重増加/発熱/倦怠感(5%以上)、疲労/末梢性浮腫/悪寒/体重減少(5%未満)、無力症(頻度不明)

重大な副作用
間質性肺炎、肝機能障害、 ショック、アナフィラキシー、糖尿病増悪、心不全、血栓塞栓症に注意をしてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■デガレリクス酢酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ゴナックス皮下注の有効成分
デガレリクス酢酸塩

▼代表薬の添加物
D‒マンニトール

・以前、デガレリクス酢酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・間質性肺炎のある方は、本剤投与によって症状が悪化する可能性があるため使用には注意をしてください。
・小児への安全性は確立していないため注意をしてください。

上記にあてはまる方は、デガレリクス酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
デガレリクス酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

デガレリクス酢酸塩に関する
よくある質問
皮下注射ではなく静脈に注射しても大丈夫でしょうか?

皮下に必ず注射してください。本剤は生体内成分と触れることによりゲル化することから、静脈注射により血栓症を誘発する可能性が認められています。

適用上の注意

【上記引用元:デガレリクス酢酸塩 インタビューフォーム】

溶解の方法に基準はありますか?

初回投与の場合は、本剤 120mg バイアルに日本薬局方注射用水 3.0mL を注入し、溶解後速やかに3.0mL を皮下投与してください。なおこれは1か所当たりの用量になったいるため、2か所に打つ場合は同じ作業をもう一度行ってください。維持用量を 4 週間間隔で投与する場合は本剤 80mg バイアルに日本薬局方注射用水 4.2mL を注入し、溶解後速やかに 4.0mL を皮下投与してください。維持用量を 12 週間間隔で投与する場合は、本剤 240mg バイアルに日本薬局方注射用水 4.2mL
を注入し、溶解後速やかに 4.0mL を皮下投与してください。なおこれは1か所当たりの用量になったいるため、2か所に打つ場合は同じ作業をもう一度行ってください。

用法及び用量の解説

【上記引用元:デガレリクス酢酸塩 インタビューフォーム】

参考元一覧

デガレリクス酢酸塩 添付文書

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