成分名 |
ペプロマイシン硫酸塩 |
適応症状 |
肺がん(扁平上皮がん)、頭頸部悪性腫瘍(咽頭がん、上顎がん、舌がん・その他の口腔がん、喉頭がん)、前立腺がん、悪性リンパ腫、皮膚がん |
簡易説明 |
ペプロマイシン硫酸塩は肺がん(扁平上皮がん)、頭頸部悪性腫瘍(咽頭がん、上顎がん、舌がん・その他の口腔がん、喉頭がん)、前立腺がん、悪性リンパ腫、皮膚がんに用いられる抗悪性腫瘍薬です。具体的な作用としてはがん細胞がDNAを合成するプロセスを阻害、またDNAの構造を切断するという特徴を持っています。その強さはブレオマイシンと同等です。 |
処方可能な診療科目 |
腫瘍内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:5mg約3,675円/10mg約5,394円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1981年3月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ペプレオ注射用5mg/10mg【製薬メーカー:日本化薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ペプロマイシン硫酸塩は、肺がん、前立腺がん、悪性リンパ腫、皮膚がん、頭頸部悪性腫瘍などに用いられる抗悪性腫瘍薬です。
様々な要因によってDNAに異常が起こり、それによって無限に増え続け(増殖)、別の臓器や器官に移動(転移)する細胞をがん細胞と呼びます(様々な要因に関しては、多段階発がん、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、遺伝子突然変異などが挙げられます)。通常の細胞では、異常が起きたり老化したりすると細胞が自ら破壊されるアポトーシスと呼ばれる現象で排除されますが、がん細胞はそのアポトーシスから逃れる機能を持っていて、異常な状態になっているのにも関わらず増殖し続けます。つまり1つのがん細胞が発生すると、1つが2つに、2つが4つに、4つが8つに分裂しといった形で二次関数的に増殖してしまうため早期の段階で増殖を止める必要があると言えます。
がん細胞の増殖を阻害する薬には、化学療法薬、分子標的薬、内分泌療法薬など複数ありそれぞれ特徴が異なっています。ペプロマイシン硫酸塩は化学療法薬に分類され、具体的な作用としてはがん細胞がDNAを合成するプロセスを阻害、またDNAの構造を切断するという特徴を持っています。その強さはブレオマイシンと同等です。 |
使用方法 |
■静脈内注射のケース
ペプロマイシン硫酸塩として5〜10mg(力価)をブドウ糖液または生理食塩液などの静脈用注射液約5〜20mLに溶かし、時間をかけて静注します。
■筋肉内注射のケース
ペプロマイシン硫酸塩として5〜10mg(力価)を生理食塩液などの溶解液約5mLに溶かし筋注します。
■動脈内注射のケース
ペプロマイシン硫酸塩として5〜10mg(力価)をヘパリンなどの血液凝固阻止剤を添加した生理食塩液などの動脈用注射液3〜25mLに溶かし持続動注またはワンショット動注します。
■注射をする頻度
2〜3回/週の使用としますが、症状によっては1日1回連日投与~週1回投与まで医師の判断のもと適宜増減できます。週間投与量は20〜30mg(力価)を標準とします。
■総投与量
腫瘍の消失をゴールとし、150mg(力価)以下で設定します。
<使用上の注意>
・90mg(力価)の投与までに明らかな効果が確認できないケースでは、原則としてそれ以上のペプロマイシン硫酸塩の使用は推奨されません。
・ペプロマイシン硫酸塩は副作用の起こるリスクに関して個人差が非常に大きく、比較的少量の使用であっても副作用が引き起こされる可能性があるので注意が必要です。なお、投与開始時は患者さんの病態や症状にあわせて可能な限り低用量からスタートし、週間投与量に関しても過量にならないように十分注意してください。
・ブレオマイシンを使用した方に対するペプロマイシンの投与量は、原則として使用したブレオマイシン量とペプロマイシン量のトータルでもって総投与量としてカウントしてください。
・総投与量に関して、150mg(力価)は超えないよう設定してください。各種経路を重複して使用した場合は結果的に投与量が増大するので特に注意してください。 |
副作用 |
重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・ショック
※アナフィラキシーに似た反応が引き起こされる可能性があります。喘鳴、悪寒、血圧の低下、発熱、意識の低下、嘔吐などが具体的な初期症状なので、これらのモニタリングを十分に行い異常が確認された場合には投与を中止して救急処置を行ってください。
・肺線維症、間質性肺炎
※重篤な肺線維症、間質性肺炎を引き起こす可能性があるのでモニタリングを十分に行ってください。
その他の副作用
・精神、神経系:頭重感、頭痛
・皮膚系:脱毛、皮膚肥厚、色素沈着、皮膚硬化、爪の変形、爪の変色
・肝臓系:肝障害
・消化器系:嘔吐、口内炎、嘔気、食欲不振、下痢、口角炎
・血液系:赤血球の減少、貧血、白血球の減少、血小板の減少
・泌尿器系:頻尿、膀胱炎
・投与部位における反応:動脈炎、硬結、肥厚、疼痛
・過敏症:じんましん、発疹、発熱を伴った皮膚症状
・その他:発熱、だるさ
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ペプロマイシン硫酸塩を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ペプレオ注射用はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ペプレオ注射用の有効成分
ペプロマイシン硫酸塩
▼代表薬の添加物
L-フェニルアラニン、pH調整剤
・ペプロマイシン硫酸塩に構造が似ているブレオマイシンに対して過敏症を引き起こしたことのある方
・胸部およびその周辺へ放射線照射を実施している方
・重篤な肺機能障害、胸部レントゲン写真においてびまん性の線維化病変および明らかな病変が確認できる方
※肺機能障害や線維化病変などの増悪を引き起こす可能性があります。
・重篤な心疾患のある方
※循環機能が低下して、肺線維症、間質性肺炎などの重篤な肺症状が引き起こされる可能性があります。
・重篤な腎機能障害のある方
※ペプロマイシン硫酸塩の排泄ができず、肺線維症、間質性肺炎などの重篤な肺症状を引き起こす可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・水痘を患っている方
※致命的な全身障害が引き起こされる可能性があります。
・60歳以上の高齢者
※重篤な肺症状を引き起こす可能性があります。
・肺障害を発症した経験がある、または合併症がある方
※重篤な肺症状を引き起こす可能性があります。
・心臓に疾患のある方
※副作用が強く引き起こされる可能性があります。
・腎臓に障害のある方
※副作用が強く引き起こされる可能性があります。
・肝臓に障害のある方
※副作用が強く引き起こされる可能性があります。
・胸部に放射線照射を受けた方
※重篤な肺症状を引き起こす可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(ラット、ウサギ):催奇形作用が確認されています。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください(授乳中の使用に関する安全性が確立されていません)。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
上記にあてはまる方は、ペプロマイシン硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ペプロマイシン硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・放射線の照射
・頭頸部への放射線照射
・抗悪性腫瘍剤
上記を使用している方は、ペプロマイシン硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ペプロマイシン硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・胸部およびその周辺部への放射線の照射
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ペプロマイシン硫酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ペプレオ注射用 【ペプレオ注射用 添付文書】 |
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