ドセタキセル

成分名

ドセタキセル

適応症状

胃癌/子宮体癌/食道癌/前立腺癌/乳癌/非小細胞肺癌/卵巣癌/頭頸部癌

簡易説明

がん細胞は無秩序に増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊します。細胞増殖は細胞が分裂することで起こりますが、細胞分裂に重要な役割を果たす微小管という物質があります。細胞分裂の後半では、束になっている微小管がばらばらになる(脱重合する)必要があります。ドセタキセルは微小管の脱重合を阻害し細胞分裂を妨害する働きがあります。主に胃癌や子宮体癌などの癌治療に使用されております。

処方可能な診療科目

内科/産婦人科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1瓶あたりの目安:1瓶20mg/80mg 8633円/30113円
後発品薬代1瓶あたりの目安:1瓶20mg/80mg 3453円/12045円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1997年6月

国内のジェネリック認可

あります

関連製品(先発薬)

タキソテール点滴静注用20mg/80mg【製薬メーカー:サノフィ】
ワンタキソテール点滴静注20mg/1mL・80mg/4mL【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

ドセタキセル点滴静注液20mg/80mg【製薬メーカー:沢井製薬】

効果・作用

・がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し、細胞を障害し組織を壊したり、転移を行うことで本来がんのかたまりがない組織でも増殖する。細胞増殖は細胞の分裂によっておこるが、細胞分裂に重要な役割を果たす微小管という物質がある。細胞分裂の中期くらいまでは微小管同士が重合している状態だが、分裂の後半になると微小管がばらばらに脱重合する必要がある。ドセタキセルは細胞分裂に重要な役割を果たす微小管の脱重合を阻害し、微小管の安定化・過剰形成を引き起こすことにより、細胞分裂を阻害して抗腫瘍効果をあらわす殺細胞性抗がん剤です。
・イチイ科の植物の成分から開発された経緯により、学名からタキサン系という種類に分類されております。

≪多種類のがんに有効なタキサン系≫
・タキソテールは、従来の抗がん剤とは作用する場所や作用のしかたが異なっております。他の抗がん剤が効かなくなったがんにも有効で、併用による相乗効果の期待がもてます。転移・再発乳がんの化学療法や進行した肺がんの化学療法では、標準的な薬剤の一つです。
・タキソテールとタキソールは、同じタキサン系の薬剤です。抗がんスペクトラム(有効性を示すがん細胞の範囲)が多少異なるほか、副作用の性質にも違いがあります。またタキソテールのほうが価格が安く、同じ効果が期待できる場合は、患者の負担を考慮してタキソテールを使う場合もあります。

使用方法

①乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌の場合
・成人に1日1回、60mg/㎡を1時間以上かけて3~4週間間隔で点滴静注すること
※患者の状態により適宜増減すること
※1回最高用量は75mg/㎡とすること

②卵巣癌の場合
・成人に1日1回、70mg/㎡を1時間以上かけて3~4週間間隔で点滴静注すること
※患者の状態により適宜増減すること
※1回最高用量は75mg/㎡とすること

③食道癌、子宮体癌の場合
・成人に1日1回、70mg/㎡を1時間以上かけて3~4週間間隔で点滴静注すること
※患者の状態により適宜減量すること

④前立腺癌の場合
・成人に1日1回、75mg/㎡を1時間以上かけて3週間間隔で点滴静注すること
※患者の状態により適宜減量すること

「用法、用量に関連する注意」
①投与にあたって、用量規制因子である好中球数の変動に十分留意してください。投与日の好中球数が2000/mm3未満であれば、投与を延期してください。
②投与量が増加すると、骨髄抑制がより強くあらわれるおそれがあるので注意してください。

副作用

主な副作用
ドセタキセルには、副作用が起こる可能性があります。
ドセタキセルを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

発熱、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、下痢、皮疹、浮腫、口内炎、食欲不振、悪心、嘔吐

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

白血球減少、粘膜炎、好中球減少、敗血症、発熱性好中球減少、ヘモグロビン減少、血小板減少、ショック症状、アナフィラキシー、呼吸困難、間質性肺炎、気管支痙攣、血圧低下、胸部圧迫感、発疹、急性腎障害、重篤な腎障害、肺炎、心不全、播種性血管内凝固症候群、DIC、腸管穿孔、胃腸出血、大腸炎、胸水、重篤な浮腫、重篤な体液貯留、感染症、感染症増悪、骨髄抑制、汎血球減少、痙攣、黄疸、肝不全、著しいAST上昇、重篤な口内炎、著しいAl-P上昇、重篤な肝障害、肺線維症、放射線肺臓炎、虚血性大腸炎、腹水、腹痛、吐血、著しいALT上昇、下血、イレウス、急性呼吸促迫症候群、呼吸障害、急性膵炎、血清アミラーゼ値異常、皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症、Toxic Epidermal Necrosis、TEN、多形紅斑、水疱性皮疹、滲出性皮疹、心タンポナーデ、肺水腫、心筋梗塞、静脈血栓塞栓症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、SIADH、低浸透圧血症、低ナトリウム血症、尿中ナトリウム排泄量増加、意識障害、血管炎、末梢神経障害、四肢脱力感、末梢性運動障害、Radiation Recall現象

その他の副作用
便潜血、筋炎、過敏症、アレルギー、発赤、脱毛、しびれ感、γ-GTP上昇、閃光、LDH上昇、蛋白尿、K異常、Na異常、涙道閉塞、Cl異常、黄斑浮腫、Ca異常、BUN上昇、全身倦怠感、総蛋白異常、アルブミン異常、A/G比異常、視覚障害、CK異常、脱力感、腹部膨満感、便秘、舌炎、口内乾燥、そう痒感、潮紅、皮膚色素沈着、爪疾患、ほてり、爪剥離、乏尿、爪変形、筋肉痛、爪変色、光のちらつき、爪下出血、爪下膿瘍、頭痛、意識喪失、爪下血腫、見当識障害、めまい、昏迷、難聴、耳鳴、味覚異常、不眠、羞明、視力異常、流涙、結膜炎、皮膚強皮症様変化、関節痛、食道炎、筋力低下、背部痛、総ビリルビン上昇、クレアチニン上昇、尿糖、血尿、頻尿、血圧上昇、不整脈、動悸、頻脈、咽頭炎、咳嗽、静脈炎、疼痛、胸痛、全身痛、熱感、腰痛、鼻出血、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、しゃっくり、皮膚剥離、手足症候群、皮膚エリテマトーデス、傾眠、暗点、血痰、脱水

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ドセタキセルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方タキソテールは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼タキソテールの有効成分
ドセタキセル
▼代表薬の添加物
ポリソルベート80、無水エタノール、無水クエン酸、マクロゴール

■その他の使用できない方
・妊婦/産婦
・感染症
・重篤な過敏症
・重篤な骨髄抑制
・発熱を有し感染症

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・肝機能異常/肝機能障害
・間質性肺炎
・骨髄抑制
・腎機能障害
・肺線維症
・浮腫
・血中ビリルビン高値
・好中球数が2000mm3未満
・脳転移病巣
・血中アルカリホスファターゼ高値を伴うトランスアミナーゼ高値

上記にあてはまる方は、ドセタキセルを使用する事が出来ない可能性があります。
ドセタキセルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
抗悪性腫瘍剤/アゾール系抗真菌剤/ミコナゾール/エリスロマイシン/クラリスロマイシン/シクロスポリン/ミダゾラム

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
タキソールとタキソテールの違いはなんですか?

適応症は似ていますが、使用方法が違います。タキソールは、1日1回210mg/㎡を3時間かけて投与に対し、タキソテールは、1日1回60mg/㎡を1時間以上かけて投与となっております。名称が似てるため、注意が必要です。

投与期間はどのくらいになるのでしょうか?

3週間の投与が効果的となっておりますが、自分で判断はせず、医師の指示に従ってください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。