成分名 |
チオテパ |
適応症状 |
悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療 |
簡易説明 |
チオテパは、悪性腫腫瘍に対して使用する薬剤であり、悪性リンパ腫に対しては他の薬剤と併用して使用します。がん細胞の増殖をDNAの合成を阻害することで抑制します。少し前に日本ではチオてパではなくテスパミンという名前で販売されておりましたが、減薬の製造中止に伴い日本での販売もストップしておりました。しかし、海外では使用されている中で必要との要望が高まり、2019年承認を受けました。販売会社は住友ファーマです。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:100mg約193331円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2019年5月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
リサイオ点滴静注液100mg【製薬メーカー:住友ファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
2023年2月時点で、アメリカで販売されており、イギリスでも承認済みです。 |
効果・作用 |
チオテパは、がんに使用されるアルキル化剤です。作用としてはDNA合成を阻害することで、がん細胞の増殖を抑えます。既にヨーロッパなどでは数十年前から使用されていましたが、日本では原薬の製造中止に伴い一時的に販売はされておりませんでした。しかし、日本の学会から使用したいとの要望書が提出されたことで、造血幹細胞移植の前治療薬として必要との声が高まり2019年に製造販売承認を取得しました。
抗腫瘍効果を示す実験が行われております。小児悪性固形腫瘍である髄芽腫由来TE-671、D283 MED、Daoy細胞株、そしてラブドイド腫瘍由来BT16細胞株に対して、チオテパは増殖抑制作用を示しました。また、Daoy細胞株を皮下及び脳内にそれぞれ移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用も示しております。
国内の患者を対象に第1相試験を実施しています。自家造血幹細胞移植の前治療として、悪性リンパ腫患者10名に、ブスルファンとの併用で本剤1日当たり200mg/m2を自家造血幹細胞移植施行の4~3日前に2時間かけて静脈内に点滴投与しました。また、小児悪性固形
腫瘍患者9名に、メルファランとの併用で本剤1日当たり200mg/m2を自家造血幹細胞移植施行の12日、11日、5日、4日前に24時間かけて静脈内に点滴投与しました。結果は、骨髄抑制率が悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍患者ともに100%でした。造血幹細胞移植100日後の生存率は、悪性リンパ腫患者で100%、小児悪性固形腫瘍患者で77.8%でした。 |
使用方法 |
・悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療に使用する場合、ブスルファンとの併用において、1日1回1kgあたり5mgを2時間かけて点滴静注し、2日間連続で行います。患者の症状に合わせて減量が可能です。
・小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療に使用する場合、メルファランとの併用において、1日1回200mg/m2を24時間かけて点滴静注します。2日間連続で行い、5日間休薬した後、さらに追加で同じ用量を2日間連続で投与してください。患者の症状に合わせて減量が可能です。 |
副作用 |
主な副作用
主に出やすい症状として、ALT上昇が63.2%、AST上昇が52.6%、γ -GTP 上昇が36.8%、味覚障害が42.1%、血中アルブミン低下が31.6%の確率で発現しています。
重大な副作用
<感染症>
21.1%の確率で出ており、細菌感染、真菌感染、肺炎、敗血症などがあらわれることがあります。感染症予防のために、抗感染症治療薬の投与も行い、必要に応じて無菌管理を実施してください。
<骨髄抑制>
78.9%の割合でみられており、発熱性好中球減少症、白血球減少、血小板減少、貧血などの症状があらわれることがあります。
<出血>
10.5%の割合でみられており、胃腸出血、肺出血などに注意をしてください。
<肺水腫、浮腫、体液貯留>
21.1%でみられており、肺水腫、浮腫)、胸水、心嚢液貯留などがあらわれることがあります。胸水・心嚢液貯留によって心停止になった事例が報告されておりますので、異常が認められた際には、利尿薬の投与もしくは本剤の減量、もしくは投与中止を検討してください。
<腎機能障害>
急性腎障害などの腎障害があらわれることがあります。本剤を投与する前もしくは投与中は、腎機能の検査を定期的に行い、数値の変動に注意をしてください。
<胃腸障害>
100%の方に認められており、口内炎等の粘膜障害、悪心、嘔吐)、下痢、食欲不振などがあらわれることがあります。
<皮膚障害>
<血栓性微小血管症>
本剤の投与開始前もしくは投与中、定期的に血液検査を行ってください。
<肝中心静脈閉塞症(VOD)/類洞閉塞症候群(SOS)>
本剤を投与開始前、または投与開始中には定期的に肝機能の値に異常がないか観察してください。
基本的な注意としては、皮膚剥離等の皮膚障害があらわれることがあるので、特に子供
に本剤を投与する際は皮膚の保清や保湿をしっかりと行ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■チオテパを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼リサイオ注射の有効成分
チオテパ
▼代表薬の添加物
マクロゴール400
・以前、チオテパを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・重症感染症を合併している方
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、使用できません。動物実験において、催奇形性が報告されています。
使用に注意が必要な方 ・感染症のある方は、症状が悪化し命にかかわることがありますので注意をしてください。
・腎機能障害の方は、症状が悪化する可能性があります。
・肝機能障害の方は、症状が悪化する可能性があります。
・生殖能のある方は、必ず避妊をしてください。
・小児に対しては臨床試験を行っておらず、成長障害が起こる可能性があることを考慮してください。
上記にあてはまる方は、チオテパを使用する事が出来ない可能性があります。 チオテパを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <シクロホスファミド>
シクロホスファミドが血中濃度が低下し、有効性が弱まってしまう恐れがあります。
上記を使用している方は、チオテパを使用する事が出来ない可能性があります。 チオテパを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
チオテパに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
リサイオ点滴静注液100mg 医薬品インタビューフォーム
リサイオ点滴静注液100mg 添付文書 |
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