成分名 |
ダロルタミド |
適応症状 |
遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌 |
簡易説明 |
「ダロルタミド」は、前立腺細胞においてアンドロゲン(男性ホルモン)のアンドロゲン受容体への結合を阻害して、抗腫瘍効果をあらわす薬で、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌の治療に用います。
日本では、バイエル薬品がニュベクオの商品名で販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科/泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:300mg 2302.9円/錠 (薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2020年5月【ニュベクオ錠300mg】 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ニュベクオ錠300mg【製薬メーカー:バイエル薬品】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
「ダロルタミド」は、前立腺細胞においてアンドロゲン(男性ホルモン)のアンドロゲン受容体への結合を阻害し、抗腫瘍効果をあらわす薬です。
前立腺がんは前立腺にできるがんであり、男性ホルモン(アンドロゲン)が前立腺のアンドロゲン受容体(AR)に作用することで発症リスクが高まり、がん細胞が前立腺に存在する場合では病態の悪化につながります。
男性ホルモンであるテストステロンはジヒドロテストステロン(DHT)へ変換された後、ARへ結合しその結合体が核内へ移行しDNAと結合することで、がん細胞の増殖がおこります。
「ダロルタミド」はARへのDHTの結合を競合的に阻害し抗アンドロゲン作用をあらわすことで前立腺がんの進行を抑える抗腫瘍効果をあらわします。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人にはダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与します。なお、患者の状態により適宜減量します。
▼用法及び用量に関連する注意
・外科的又は内科的去勢術と併用しない場合の有効性及び安全性は確立していません。
・グレード3以上又は忍容できない副作用があらわれた場合は、回復するまで休薬するとともに、回復後は1回300mg1日2回に減量した用量での再開を考慮してください。ただし、患者の状態により、通常用量に増量することができます。
▼重要な基本的注意
・本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識や経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用してください。
・不整脈等の心臓障害があらわれることがあります。本剤投与開始前及び本剤投与中は適宜心機能検査(心電図等)を行うなど、患者の状態を十分に確認してください。
・本剤との関連性は明らかではないが、間質性肺疾患が報告されています。本剤の投与にあたっては、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察してください。また、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者に説明してください。
▼薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあります。 |
副作用 |
重大な副作用
▼心臓障害(1.0%)
不整脈等の心臓障害があらわれることがあります。本剤投与開始前及び本剤投与中は適宜心機能検査(心電図等)を行ってください。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・貧血、好中球減少
・食欲減退
・頭痛、浮動性めまい
・ほてり、高血圧
・悪心、下痢、便秘
・AST増加、ビリルビン増加
・発疹
・四肢痛
・女性化乳房
・疲労
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には使用できません。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■腎機能障害患者
外国人データでは、重度(eGFR15~29mL/min/1.73m2)の腎機能障害を有する被験者10例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、ダロルタミドのAUC48h及びCmaxは、健康成人と比較してそれぞれ2.5及び1.6倍に増加しました。透析を受けている末期腎不全患者(eGFR15mL/min/1.73m2未満)における薬物動態は検討していません。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■肝機能障害患者
外国人データでは、中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する被験者9例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、ダロルタミドのAUC48h及びCmaxは、健康成人と比較してそれぞれ1.9及び1.5倍に増加しました。本剤は主に肝臓で代謝されて排泄されるため、重度の肝機能障害は本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性があります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝されて排泄されるため、重度の肝機能障害は本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性があります。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していません。
■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
上記にあてはまる方は、ダロルタミドを使用する事が出来ない可能性があります。 ダロルタミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 以下の薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血漿中濃度が低下する可能性があることから、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A誘導薬への代替を考慮してください。
・強いCYP3A誘導薬
リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール等
以下の薬剤がBCRP、OATP1B1及びOATP1B3を阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が増加する可能性があることから、薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意してください。
・BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤
ロスバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン等
上記を使用している方は、ダロルタミドを使用する事が出来ない可能性があります。 ダロルタミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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