ダカルバジン

成分名

ダカルバジン

適応症状

・悪性黒色腫
・ホジキン病(ホジキンリンパ腫)
・褐色細胞腫

簡易説明

ダカルバジンは、悪性黒色腫やホジキンリンパ腫に使用される薬剤で、体内で腫瘍細胞の増殖を抑制することで、悪い細胞を死滅させます。血液に関連する疾患の治療には欠かせない薬剤で、多くの国での有効性が認められています。本剤は光に弱いため、光分解物によって血管の痛みなどを引き起こすことがあります。日本では現在サンドファーマに販売権が移管されています。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:約2846円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1986年1月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ダカルバジン注用100 【製薬メーカー:サンドファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

イギリスやアメリカなどで販売されていますが、国によっては日本の適応と異なっている場合がございます。

効果・作用

ダカルバジンは、アメリカで悪性黒色腫に適応を取得したことが始まりとなっています。ホジキン病に対しては、さまざまな抗がん剤を併用した化学療法が標準的な治療法として確立していましたが、ダカルバジンの保険適応が通っていないことにより保健医療上で大きな問題が生じていました。そのため、より治療がしやすいよう、厚生労働省が固形がんにも本剤を使用できるよう要請し、研究がスタートしました。本剤は多くの国での使用実績があり、有効性が認められています。
悪性黒色腫に対する臨床成績は以下の通りでした。有効率は「固型がん化学療法直接効果判定基準」のPR以上として定義づけています。

単独療法・・承認時の試験において33名中8名に有効性が認められ、有効率は24.2%でした。
併用療法・・承認後の試験において169名中35名に効果が認められ、29.4%の有効率でした。
日本において、ダカルバジンを含むC−MOPP/ABVd交代療法の臨床試験報告がありました。結果は、アメリカで行われた大規模な比較試験によるるMOPP/ABVD交代療法の成績を再現していました。

本剤の投与量は、C−MOPP/ABVd交代療法が250mg/m2/日であるのに対して外国のMOPP/ABVD交代療法が375mg/m2/日であり、C−MOPP/ABVd交代療法では減量されておりました。

使用方法

・悪性黒色腫に使用する場合、1日量100〜200mgを5日間毎日静脈内投与し、その後約4週間は休薬します。これを1コースとして繰り返し投与してください。年齢や状態によって増減が可能です。

・ホジキン病(ホジキンリンパ腫)に使用する場合、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、1日1回体表面積あたり 375mg/mを2静脈内投与し、13日間休薬します。これを2回繰り返すことを1コースとして、繰り返し投与します。年齢や状態によって増減が可能です。

・褐色細胞腫に使用する場合、シクロホスファミド水和物とビンクリスチン硫酸塩との併用において、本剤1日1回体表面積あたり600mg/m2を2日間連日静脈内投与し、少なくとも19日間休薬します。これを1コースとし、繰り返し投与してください。年齢や状態によって増減が可能です。

【調整方法】
注射液の調製法としては、本剤100mgに、日局注射用水10mLを加えて溶解します。溶解後は光を避けて扱ってください。

副作用

主な副作用
主に、嘔気が33.2%、嘔吐が30.9%、血管通が8.2%、肝機能障害が6.1%、食欲不振が5.1%に認められております。本剤承認の際の調査では940例中、740例、割合にして78.7%に副作用の発現がありました。副作用がみられた場合には原則、症状が消えるまで休薬してください。

嘔吐や嘔気などは一過性の症状であり、減薬や休薬をすることで対応が可能となるケースが多いです。血管痛や静脈炎は本剤を投与する際に光を避けることで防止が可能です。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
肝臓・・AST(GOT)/ALT(GPT)上昇(5%以上)、Al−P/LDH/総ビリルビン上昇/血清総蛋白減少(0.1~5%未満)
腎臓・・BUN上昇/蛋白尿(0.1~5%未満)
消化器・・嘔吐/嘔気/食欲不振(5%以上)、下痢/胃痛(0.1~5%未満)
精神神経系・・ふらつき/口腔内しびれ感(0.1~5%未満)、顔面感覚異常(頻度不明)
皮膚・・脱毛/紅斑性発疹/蕁麻疹(0.1~5%未満)、光線過敏症(頻度不明)
注射部位・・血管痛(5%以上)、静脈炎(0.1~5%未満)
循環器・・高血圧/低血圧(頻度不明)
その他・・倦怠感/潮紅/頭痛/発熱(0.1~5%未満)、筋肉痛/インフルエンザ様症状(頻度不明)

重大な副作用
以下3つにご注意ください。
<アナフィラキシーショック>
異常があらわれた場合には、すぐに投与を中止し適切な処置を行ってください。

<汎血球減少、貧血、白血球減少、血小板減少等の骨髄機能抑制>
血液検査、肝機能・腎機能検査など、頻回に検査を行うなど注意をして、もし症状があらわれた場合には、減量や休薬などの適切な処置を行ってください。

<肝静脈血栓症及び肝細胞壊死を伴う重篤な肝障害>
症状があらわれた場合には、休薬や減量などを行ってください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ダカルバジンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ダカルバジンの有効成分
ダカルバジン

▼代表薬の添加物
D-マンニトール、クエン酸水和物

・以前、ダカルバジンを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある女性

使用に注意が必要な方
・肝障害又は腎障害のある方は障害が悪化するおそれがあります。同時に、副作用が強くあらわれるおそれがあります。
・小児に投与する場合は、副作用の発現によりちゅいをして慎重に投与してください。
・感染症を合併している方は、骨髄機能抑制により感染症が悪化するおそれがあります。

・水痘患者は致命的な全身障害があらわれるおそれがあるため、注意をしてください。

上記にあてはまる方は、ダカルバジンを使用する事が出来ない可能性があります。
ダカルバジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<他の抗悪性腫瘍剤放射線照射>
骨髄抑制などの副作用が強まってしまう可能性があるため併用には注意をしてください。

上記を使用している方は、ダカルバジンを使用する事が出来ない可能性があります。
ダカルバジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ダカルバジンに関する
よくある質問
本剤の長期投与に関して報告はありますか?

本剤を長期投与した患者において、急性白血病、MDSが発生したとの報告があります。また、マウスに本剤を腹腔内投与及び経口投与した例で、腫瘍が発生したとの報告もあります。

その他の注意

【上記引用元:ダカルバジン 医薬品インタビューフォーム】

本剤投与する際の注意点はありますか?

本剤の皮下投与、筋肉内投与はしないでください。必ず静脈内投与をしてください。また、注射をする際に本剤が血管の外に漏れると注射部位が壊死する可能性がありますので、薬が血管の外に出ないよう細心の注意を払ってください。

適用上の注意

【上記引用元:ダカルバジン 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ダカルバジン 添付文書

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