リツキシマブ(遺伝子組換え)

成分名

リツキシマブ(遺伝子組換え)

適応症状

リツキシマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品であるリツキサン点滴静注100mg/500mgの効能・効果は
1)CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
2)CD20陽性の慢性リンパ性白血病
3)免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患
4)多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎
5)難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)
6)慢性特発性血小板減少性紫斑病
7)後天性血栓性血小板減少性紫斑病
8)全身性強皮症
9)難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡
10)視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
11)腎移植、または肝移植におけるABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制
12)インジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液投与の前投与
に対して適応症状を持ちます。

簡易説明

リツキシマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品であるリツキサン点滴静注100mg/500mgは造血器腫瘍(CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫)の治療薬として開発された世界初のマウスーヒトキメラ型抗CD20モノクローナル抗体になります。
補体依存性細胞傷害作用(CDC)、抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用(ADCC)により抗腫瘍効果を発現します。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/血液内科/泌尿器科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1錠あたりの目安:100mg約21,600円/500mg約105,600円
薬代後発薬1錠の目安:100mg約14,200円/500mg約69,200円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

多発血管炎性肉芽腫症、一次性ネフローゼ症候群、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、全身性強皮症、天疱瘡、多発性硬化症/視神経脊髄炎は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

リツキシマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品であるリツキサン点滴静注100mg/500mgは、2001年6月20日に製造販売が承認され、2001年8月31日に薬価基準に収載、その後2001年9月4日に販売が開始となりました。その後販売名が変更に伴い、2018年2月2日に製造販売が承認され、2018年6月15日に薬価基準に収載、その後2018年6月15日に販売が開始されました。

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

リツキサン点滴静注100mg/500mg【製薬メーカー:全薬工業株式会社】

関連製品(ジェネリック)

リツキシマブBS点滴静注100mg/500mg「KHK」【製薬メーカー:サンド株式会社】
リツキシマブBS点滴静注100mg/500mg「ファイザー」【製薬メーカー:ファイザー株式会社】

海外での使用実績

米国ではBiogen Idec Genentech(会社名)がRituxan(販売名)を1997年に発売しました。また、英国・仏国・独国ではF.HoffmannLa Roche(会社名)がMabThera(販売名)を1998年に発売しました。
カナダではF.HoffmannLa Roche(会社名)がRituxan(販売名)を2000年には発売しました。

効果・作用

リツキシマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品であるリツキサン点滴静注100mg/500mgの効能・効果は
1)CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
2)CD20陽性の慢性リンパ性白血病
3)免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患
4)多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎
5)難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)
6)慢性特発性血小板減少性紫斑病
7)後天性血栓性血小板減少性紫斑病
8)全身性強皮症
9)難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡
10)視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
11)腎移植、または肝移植におけるABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制
12)インジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液投与の前投与に対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
本剤は、pre-B細胞と成熟B細胞の細胞は表面に存在するCD20抗原に特異的に結合する事によって、補体依存性細胞障害作用(CDC)及びび抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用(ADCC)によって、B細胞を傷害します。

「CD20抗原」
ヒトCD20抗原は、Pro-B細胞、形質細胞を除くほとんど全ての正常及び腫瘍化したBリンパ球に発現している分化・抗原(リンタンパク質)であり、Bリンパ球以外の細胞には発現していなません。
「CDC」
CD20抗原への結合後、リツキシマブの定常部領域((Fc部分)に補体成分C1q が付着し、他の補体成分を活性化させます。この結果、補体の最終複合体である膜侵襲複合体がCD20抗原発現細胞の膜上に挿入され、細胞溶解に至るとされています。
「ADCC」
CD20抗原への結合後、リツキシマブの定常部領域(Fc部分)が、Fcレセプターを発現しているエフェクター細胞(マクロファージやナチュラルキラー細胞)と結合します。この結果、エフェクター細胞がCD20抗原発現抑制細動を破壊します。

使用方法

1)B細胞性非ホジキンリンパ腫
通常成人には1週間毎に、1回375mg/m2を点滴静注します。最大8回まで投与可能です。
維持療法の場合、8週間毎を目安に、1回375mg/m2を点滴静注します。最大12回まで投与可能です。
他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、用いた薬剤の投与間隔に合わせて投与を行います。

2)慢性リンパ性白血病
通常成人には、1回目は375mg/m2を、2回目以降は500mg/m2に増量し最大6回点滴静注を行います。投与の際には他の抗悪性腫瘍剤と併用します。投与回数については併用した薬剤似合わせて投与します。

3)B細胞性リンパ増殖性疾患(免疫抑制状態下の疾患について)
通常、1週間毎に1回375mg/m2を点滴静注します。最大8回まで投与可能です。

4)多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、6)慢性特発性血小板減少性紫斑病、7)後天性血栓性血小板減少性紫斑病、8)全身性強皮症
通常、成人には1週間毎に1回375mg/m2を用いて4回点滴静注を行います。

5)難治性のネフローゼ症候群
通常、1週間毎に1回375mg/m2を用いて4回点滴静注を行います。1回500mgまで増量可能です。

9)難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡
成人には2週間毎に1回1000mg/bodyを用いて2回点滴静注します。

10)視神経脊髄炎スペクトラム障害の再発予防
通常、成人には1週間毎に1回375mg/m2を点滴静注します。これを4回くり返し、その後、初回投与から6ヶ月毎に1000mg/bodyを2週間毎に2回点滴静注します。

11)ABO血液型不適合腎移植・肝移植
1回375mg/m2を点滴静注します。但し、患者の状態により適宜減量します。

12)イブリツモマブ チウキセタンの前投与
通常、成人には250mg/m2を1回点滴静注を行います。

【効能共通】
リツキサン点滴静注を使用する場合には、主成分であるリツキシマブとして用事生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液にて1mg/mLから4mg/mLの範囲で希釈調製してから使用します。
溶解後の安定性並びに他剤との配合変化又は物理化学的変化の記載はありません。
また点滴静注する場合の投与速度については別途記載に従い、患者の状態を考慮しながら投与します。初回投与速度及び2回目以降の速度が異なる場合がある為都度よく確認の上投与するようにしましょう。

副作用

重大な副作用
1)Infusion reaction(頻度不明)
発熱、悪寒、悪心、頭痛、疼痛、そう痒、発疹、咳、虚脱感、血管浮腫等が現れる事があります。
2)腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
3)B型肝炎ウイルスの再活性化による劇症肝炎、肝炎の増悪(頻度不明)
4)肝機能障害、黄疸(頻度不明)
5)皮膚粘膜症状(頻度不明)
6)血球減少
汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(45.6%)、好中球減少(43.9%)、無顆粒球症(頻度不明)、血小板減少(13.6%)
7)感染症(43.4%)
8)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
9)間質性肺炎(頻度不明)
10)心障害(11.5%)
心室性あるいは心房性の不整脈、狭心症、心筋梗塞が報告されています。
11)腎障害(頻度不明)
血清クレアチニン上昇(1.0%)、BUN上昇(2.6%)
12)消化管穿孔・閉塞(頻度不明)
13)血圧下降(6.4%)
14)可逆性後白質脳症症候群等の脳神経症状(頻度不明)

その他の副作用
呼吸器、循環器、消化器、過敏症、全身状態、精神神経系、血液・凝固、腎臓、肝臓、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)5%以上
咽喉頭炎(28.9%)、鼻炎(18.6%)、口腔咽頭不快感(11.9%)、咳、血圧上昇(13.6%)、頻脈、潮紅、悪心・嘔吐(17.7%)、口内炎、腹痛、食欲不振、下痢、発熱(35.3%)、掻痒(15.8%)、悪寒(15.5%)、発疹(15.5%)、ほてり(11.2%)、疼痛(29.6%)、倦怠感(18.1%)、虚脱感(17.4%)、頭痛(15.8%)、多汗、浮腫、異常感覚、貧血(20.3%)、電解質異常、ALT上昇、AST上昇、CRP上昇(17.6%)。LDH上昇(10.6%)
2)5%未満
呼吸障害、喘鳴、鼻出血、動悸、血管拡張、徐脈、末梢性虚血、口内乾燥、便秘、しぶり腹、関節痛、蕁麻疹、筋肉痛、インフルエンザ様症候群、胸痛、体重増加、無力症、痺れ感、眩暈、不眠症、好酸球増多、BUN上昇、クレアチニン上昇、Al-P上昇、総ビリルビン上昇、総蛋白減少、帯状疱疹、結膜炎、尿酸値上昇、皮脂欠乏性湿疹、投与部位反応(疼痛、腫脹等)、アルブミン減少、しゃっくり、筋痙攣
3)頻度不明
血清病、フィブリン分解産物(FDP、Dダイマー)増加、血小板増加

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分又はマウスタンパク質由来製品に対する重篤な過敏症又はアナフィラキシーの既往歴のある患者
■リツキシマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、リツキサン点滴静注100mg/500mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼リツキサン点滴静注100mg/500mgの有効成分
リツキシマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・ポリソルベート80、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、pH調整剤
2)「全身性強皮症」:重度の間質性肺炎を有する患者

使用に注意が必要な方
「効能共通」
1)合併症・既往歴等のある患者
①心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者
②肺浸潤、肺機能障害のある患者又はその既往歴のある患者
③肝炎ウイルスの感染又は既往を有する患者
④感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)を合併している患者
⑤重篤な骨髄機能低下のある患者あるいは腫瘍細胞の骨髄浸潤がある患者
⑥薬物過敏症の既往歴のある患者
⑦アレルギー素因のある患者
「B細胞性非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患、イブリツモマブ チウキセタンの前投与」
⑧咽頭扁桃、口蓋扁桃部位に病巣のある患者
「全身性強皮症」
⑨軽度及び中等度の間質性肺炎を合併する患者
⑩全身性強皮症に伴う肺高血圧症、腎クリーゼ等の重篤な合併症を有する患者
2)妊婦
3)授乳婦
4)小児等
5)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、リツキシマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
リツキシマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)生ワクチン又は弱毒生ワクチン
Bリンパ球傷害作用により発病する恐れがある為併用には注意が必要です。
2)不活化ワクチン
Bリンパ球傷害作用によりワクチンに対する免疫が得られない恐れがある為併用には注意が必要です。
3)免疫抑制作用を有する薬剤(免疫抑制剤、副腎皮質ホルモン製剤等)
過度の免疫抑制作用により、感染症誘発の危険性がある為併用には注意が必要です。

上記を使用している方は、リツキシマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
リツキシマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

リツキシマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
リツキシマブ(遺伝子組換え)を投与した場合どのくらい効果が持続しますか?

CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者に、375mg/m2を週1回4週間投与した場合、投与終了時点において最高血中濃度194.3μg/mLを示し、その後消失半減期は387.8時間の推移で血漿中より消失し、150日以上まで持続したことが示されています。
インタビューホーム 【全薬工業株式会社】

リツキシマブ(遺伝子組換え)投与による持続時間は疾患により異なりますか?

疾患別の用法・用量通り投与した場合、臨床試験の結果からいずれの場合においてもおおむね投与開始より150日前後までに消失し、同程度の持続時間が示されています。
インタビューホーム 【全薬工業株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【全薬工業株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

製品情報概要 【全薬工業株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。