ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)

成分名

ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)

適応症状

・がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制
・同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員

簡易説明

ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)は、好中球減少症の改善に使用されます。好中球減少症は発熱を伴うと、免疫力が弱まり、時には生命を脅かすこともあります。同じ機序の薬剤にグランと呼ばれている薬剤がありましたが、血中半減期が短く、患者によって投与方法を変えなければならないことがデメリットでした。そこで、本剤は血中半減期を長くし、がんの種類によらない投与が可能となりました。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ジーラスタ皮下注3.6mg【製薬メーカー:協和キリン】3.6mg1筒108532円(薬価)
ジーラスタ皮下注3.6mgボディーポッド【製薬メーカー:協和キリン】1キット114185円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

2014年11月発売【ジーラスタ皮下注3.6mg】
2022年12月発売【ジーラスタ皮下注3.6mgボディーポッド】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ジーラスタ皮下注3.6mg【製薬メーカー:協和キリン】
ジーラスタ皮下注3.6mgボディーポッド【製薬メーカー:協和キリン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカなど70か国以上で販売されています。

効果・作用

ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)は、発熱を伴う好中球減少症の改善に使用される持続型 G-CSF 製剤です。似た薬剤にグランの商品名で発売されているフィルグラスチムがありますが、血中半減期が短く、毎日投与する必要がありました。また、癌腫によって投与方法を変えなければならないことが負担でした。そこで本剤は、血中半減期を長くするためにアムジェンによって開発され、がんの種類によらず、化学療法 1 サイクルごとに投与が可能となりました。

悪性リンパ腫の患者109名を対象に本剤とフィルグラスチムを比較した臨床試験を実施しています。結果、化学療法1サイクルあたり本剤3.6mgを1回皮下投与した群はフィルグラスチム50μg/m2を毎日皮下投与した群と比べて好中球数減少抑制効果が劣らないことが示されました。好中球数500/mm3未満の日数に関しては、本剤投与群4.5±1.2日、フィルグラスチム群4.7±1.3日で同様に非劣勢であることが認められました。
健康成人35名を対象とした国内第2相試験を実施しています。23名に本剤7.2mgを1回皮下投与しました。結果、本剤投与日を1日目としたとき、7日目までに末梢血中のCD34陽性細胞数が20/μLを超えた患者数と患者割合は、23例中23例で100%でした。

使用方法

がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制の場合、抗がん剤投与が終わった翌日以降、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回皮下投与します。
同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員の場合、7.2mgを1回皮下投与します。

副作用

主な副作用
発疹や筋肉痛、頭痛やALT・AST上昇などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制の場合

皮膚・・発疹(5%以上)、じん麻疹/紅斑/そう痒症(1~5%未満)、多形紅斑/皮膚剥脱(1%未満)
筋・骨格・・背部痛/関節痛/筋肉痛(5%以上)、骨痛/四肢痛(1~5%未満)、筋骨格痛(1%未満)
消化器・・下痢/便秘/腹痛/腹部不快感/悪心/嘔吐/口内炎(1~5%未満)
肝臓・・ALT上昇/AST上昇(5%以上)、肝機能異常/血中ビリルビン増加/γ-GTP増加(1~5%未満)
血液・・白血球増加/好中球増加/リンパ球減少(5%以上)、貧血/血小板減少/白血球減少(1~5%未満)、単球増加(1%未満)
代謝及び栄養・・電解質(カリウム/カルシウム/リン/クロール/ナトリウム)異常/高血糖/食欲減退(1~5%未満)
精神神経系・・頭痛(5%以上)、味覚異常/めまい/異常感覚(1~5%未満)、感覚鈍麻/不眠症(1%未満)
呼吸器・・口腔咽頭痛/咳嗽/呼吸困難(1%未満)
腎臓・・糸球体腎炎(頻度不明)
その他・・LDH上昇/発熱/倦怠感/Al-P上昇(5%以上)、潮紅/浮腫/CRP上昇/疼痛/胸痛(1~5%未満)、血中アルブミン減少/尿酸増加/注射部位反応(注射部位疼痛を含む)(1%未満)

同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員の場合
筋・骨格・・背部痛(50~80%未満)、関節痛(10~50%未満)
消化器・・悪心(10~50%未満)
肝臓・・AST上昇/ALT上昇(50~80%未満)
血液・・血小板減少(50~80%未満)
精神神経系・・頭痛(50~80%未満)
その他・・Al-P上昇(100%)/LDH上昇(100%)/尿酸増加(50~80%未満)

重大な副作用
ショック、アナフィラキシー、芽球の増加、 皮膚血管炎などに注意をしてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ペグフィルグラスチムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ペグフィルグラスチムの有効成分
ペグフィルグラスチム

▼代表薬の添加物
D-ソルビトール、氷酢酸、水酸化ナトリウム、ポリソルベート20

・以前、ペグフィルグラスチムもしくは他の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
毎週化学療法を投与している患者に投与してもよいですか?

NCCNガイドラインでは、毎週投与の化学療法に対してジーラスタを使用するデータは不十分のため、使用しないことを推奨しています。

ジーラスタ Q&A

【上記引用元:協和キリンメディカルサイト】

本剤を投与する前に注意することはありますか?

ピロー包装からシリンジを取り、シリンジ先端部のフィルムとキャップをとる前に、プランジャーロッドを一押ししてください。 プランジャーロッドが動きやすくなり、注射液が多く飛び出すリスクを減らせます。

ジーラスタ Q&A

【上記引用元:協和キリンメディカルサイト】

腎機能が低下している患者さんに本剤は投与できますか?

海外で、化学療法を受けていない複数の重症度の腎機能障害患者30人を対象に試験を実施しています。そこで、腎機能障害への影響はなかったことから、特段の用量調節は不要であると考えられています。

ジーラスタ Q&A

【上記引用元:協和キリンメディカルサイト】

参考元一覧

ジーラスタ皮下注3.6mg  添付文書

ジーラスタ皮下注3.6mgボディーポッド 添付文書

ペグフィルグラスチム 医薬品インタビューフォーム

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