アパルタミド

成分名

アパルタミド

適応症状

遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌/遠隔転移を有する前立腺癌

簡易説明

アパルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン(男性ホルモン)の受容体に対するアンドロゲンの結合を阻害し、抗腫瘍作用を示します。
通常、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌、遠隔転移を有する前立腺癌のホルモン療法として使用されます。
2019年に発売が開始されたばかりの新しいお薬で、他の臓器に転移のあり、かつホルモン感受性の場合、ホルモン療法と併用して使用することも可能となりました。

処方可能な診療科目

内科/泌尿器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:6mg約2290.1円/(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2019年5月発売開始【アーリーダ錠60mg】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アーリーダ錠60mg【製薬メーカー:ヤンセンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

アパルタミドは遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌、遠隔転移を有する前立腺癌に使用されるお薬になります。
前立腺癌は男性のみにある前立腺という臓器が腫瘍化(癌化)したもので中高年齢の方に多いと言われています。
癌の中では進行が緩やかなので早期発見ができれば治癒も期待できると言われています。
前立腺癌の治療は主に手術、放射線治療、ホルモン療法などが使用されていますが主に用いられているのはホルモン療法になります。
前立腺癌はアンドロゲン(男性ホルモン)が原因で増えるため、アンドロゲンを除去する治療法(ADT)を行います。
アンドロゲンを除去する治療法(ADT)を行っても抵抗性を示した場合や、外科的去勢手術後に症状が悪化した場合は
予後不良の「去勢抵抗性前立腺癌」に分類されます。
アパルタミドの作用は①アンドロゲン受容体への結合を阻害②アンドロゲン受容体の核内への移動を阻害③アンドロゲン受容体のDNAへの結合を阻害
のこの3つの作用機序からなり、アンドロゲンによる癌細胞増殖のシグナル伝達が阻害されるため、癌細胞の増殖抑制効果が発揮されると考えられています。
去勢抵抗性前立腺癌は約80~90%の方が癌細胞が骨へ転移されてしまうことが確認されているので、なるべく転移を遅らせることが重要となってきます。
アパルタミドを用いた海外の臨床試験結果ではプラセボ錠と比較して、無転移生存期間を延長し、遠隔転移と死亡リスクを約33%低下させることが報告されています。

使用方法

成人にはアパルタミドとして1日1回240mgを服用してください。
また、患者の状態により適宜減量します。

副作用が現れた場合には、下記の基準を考慮して、本剤を減量・休薬または中止するようにしてください。
▼減量して投与を継続する場合の投与量
通常投与量:240mg
1段階減量:180mg
2段階減量:120mg

▼副作用発現時の用量調節基準
痙攣発作:本剤の投与を中止する

※アパルタミドは内分泌療法剤であり、癌に対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで
アパルタミドによる治療が適切と判断される患者についてのみ使用してください。
※痙攣発作があらわれることがあるので、アパルタミド投与中の方には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意してください。
※心臓障害があらわれることがあるので、アパルタミド投与開始前及びアパルタミド投与中は適宜心機能検査(心電図、心エコー等)を行うなど、患者の状態を十分に確認してください。
※質性肺疾患があらわれることがあるので、アパルタミドの投与にあたっては、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の
確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察してください。
また、患者に副作用について説明するとともに、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう説明してください。
※重度の皮膚障害があらわれることがあるので、皮疹発現時には早期に皮膚科医に相談し、アパルタミドの休薬又は投与中止を考慮してください。
また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう、患者に指導してください。

副作用

主な副作用
食欲減退/皮膚そう痒症/皮疹/悪心/火照り/疲労/下痢/甲状腺機能低下症/ 高コレステロール血症/脱毛症/高トリグリセリド血症/高血圧/筋痙縮/味覚異常/関節痛/無力症/体重減少/骨折など

アパルタミドには、副作用が起こる可能性があります。
アパルタミドを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

▼痙攣発作
意識消失/身体が震えるような筋肉の動き/舌を噛む/尿失禁など
▼心臓障害
狭心症/心筋梗塞/心房細動/心不全など
▼重度の皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症/多形紅斑など
▼間質性肺疾患
空咳/息切れ/息苦しさ/発熱など

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・小児の方
・乳児の方
・幼児の方など

■アパルタミドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(アーリーダ錠60mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アーリーダ錠60mgの添加物
・ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル
・軽質無水ケイ酸
・クロスカルメロースナトリウム
・結晶セルロース
・ケイ酸処理結晶セルロース
・ステアリン酸マグネシウム
・ポリビニルアルコール(部分けん化物)
・酸化チタン
・マクロゴール4000
・タルク
・黄色三二酸化鉄
・黒酸化鉄

使用に注意が必要な方
・てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある方
・痙攣発作を起こしやすい方((脳損傷、脳卒中等の合併又はこれらの既往歴のある方等)
・間質性肺疾患のある方またはその既往歴のある方
・重度の肝機能障害をお持ちの方
・高齢者の方など

上記にあてはまる方は、アパルタミドを使用する事が出来ない可能性があります。
アパルタミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
クロピドグレル/イトラコナゾール/リトナビル/クラリスロマイシン/ミダゾラム/ダルナビル/フェロジピン/シンバスタチン/オメプラゾール/ジアゼパム/ランソプラゾール
/ワルファリン/フェニトイン/セレコキシブ/フェキソフェナジン/ダビガトラン/ジゴキシン/ロスバスタチン/アトルバスタチン/痙攣発作の閾値を低下させる薬剤など

上記を使用している方は、アパルタミドを使用する事が出来ない可能性があります。
アパルタミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
メドロキシプロゲステロン酢酸エステルなど

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
アパルタミドを飲み忘れてしまった場合はどうすればいいですか?

飲み忘れてしまった場合の時間によって対処法が異なります。
【アパルタミドの服用を忘れ、12時間以内に思い出した場合】
1回分の用量を服用してください。次回以降はまたいつもの時間に服用してください。
【アパルタミドの服用を忘れ、12時間を経過してしまった場合】
忘れた分は服用せず、次の服用時に1回分の用量を服用してください。絶対に2回分の用量を一度に服用しないでください。

アパルタミドを誤って多く飲んでしまった場合はどうすればいいですか?

誤って多く飲んでしまった場合は早急に担当医または薬剤師の方へ連絡をするようにしてください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。