成分名 |
メルカプトプリン水和物 |
適応症状 |
急性白血病、慢性骨髄性白血病の自覚的症状または他覚的症状の緩解 |
簡易説明 |
白血病は別名「血液のがん」と呼ばれることがあります。
がん化した白血病細胞は普通の細胞と比べて異常なスピードで無限に増殖します。
メルカプトプリンはこの異常なスピードで増殖を繰り返すがん細胞に対して効果を発揮します。
本成分が異常なスピードで増殖するがん化した白血病細胞に主に取り込まれます。
DNAの構成要素のうち「アデニン」や「グアニン」と似ている構造をとっているため、増殖中のがん細胞が間違ってメルカプトプリンをDNAに取り込んでしまい、がん細胞が正常な働きができなくなり異常な増殖を抑えます。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科/血液腫瘍科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約50,000円~
薬代1gあたりの目安:1g 102.2円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※「血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害」で入院した方の治療費負担(厚生労働省「医療給付実態調査/平成29年度)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はロイケリン散10%の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1957年1月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ロイケリン散10%【大原薬品工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
Mercaptopurine Tablets IP 50mg【Zydus Cadila】 |
効果・作用 |
白血病は別名「血液のがん」と呼ばれることがあります。
白血球のうち、がん化した白血病細胞が無限増殖していくことで出血しやすくなったり、免疫が正しく働かなくなったりします。
通常の白血球が増える分には問題ありませんが、白血病で作られるがん化した白血球細胞は、免疫機能などの正常な機能を有していません。
それだけでなく、正常な赤血球などの成分が作られる代わりに、正常に機能しないがん化した白血球細胞が無限に作られるので、めまい、ふらつきなどの貧血のような症状が起こるようになります。
もちろん白血球の免疫機能が正常に働かないので、様々な感染症にかかりやすくなります。
無限に増える「白血病細胞」は普通の細胞と比べて異常なスピードで増殖します。メルカプトプリンはこの異常なスピードで増殖を繰り返すがん細胞に対して効果を発揮する成分です。
メルカプトプリンは、異常なスピードで増殖するがん化した白血病細胞に取り込まれます。
メルカプトプリンはDNAの構成要素のうち「アデニン」や「グアニン」と似ている構造をとっているため、がん細胞において、アデニンやグアニンを合成している酵素が間違ってメルカプトプリンをDNAに取り込んでしまうため、がん細胞が正常な働きができなくなり異常な増殖ができなくなります。 |
使用方法 |
■成人の場合
・メルカプトプリン水和物として、体重1キログラムあたり2~3 ミリグラムを1日量として服用します。
メルカプトプリン単独で服用することも可能ですが、その他の抗がん剤と併せて服用することもできます。
症状が落ち着いてきたら徐々に服用する量を調節してください。
症状や年齢により服用する量は適宜調節することができます。
■使用上の注意点
・骨髄抑制(副作用の欄参照)、肝臓の機能障害などの重大な副作用が起こる可能性があるため、こまめな検査(腎臓の機能検査、肝臓の機能検査、血液検査など)を必ず行ってください。
異常な検査値が検出された場合、服用する量を減らしたり、一定期間薬の服用を休んだり、医師の指示を仰ぎましょう。
なお長期間メルカプトプリンを服用し続けることでこれらの副作用が強くなりやすいだけでなく長引く可能性があるため投与期間も医師の指示を必ず守りましょう。
・免疫機能が低下することがあるため、各種感染症・出血(血が止まらない、すぐに血が出る)が発症したら病院を受診してください。
・小児は副作用が起きやすいため慎重に服用してください。
・小児または生殖が可能である年齢の方の服用時、性腺に対する影響を考慮し、医師との相談の上服用してください。 |
副作用 |
重大な副作用
(頻度は不明)
・骨髄抑制:各種血液成分の大幅な減少、各種血液成分の機能不全、それに伴う貧血など
その他の副作用
(頻度は不明)
・血液:出血しやすい状態
・肝臓:肝臓の機能障害、黄疸、肝臓の機能に関わる検査値異常
・腎臓:血尿(尿に血が混じる)、乏尿(尿がでにくくなる)
・消化器:食欲がでない、はきけ、嘔吐、重度の口内炎、下痢
・過敏症:発疹、あかみ
・その他:発熱、膵臓の炎症、脱毛
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用に注意が必要な方 ・肝臓に機能障害のある方
※メルカプトプリンの副作用が強く発症してしまう可能性があります
・腎臓に機能障害のある方
※メルカプトプリンの副作用が強く発症してしまう可能性があります
・骨髄抑制の症状がすでにある方
※現在の骨髄抑制がさらに悪化してしまう可能性があります
・感染症を持っている方
※メルカプトプリンにより骨髄抑制が発症し、さらに感染が悪化する可能性があります
・水痘にかかっている方
※命にかかわる重大な全身の機能障害が発症する可能性があります
・高齢者
※腎臓の機能などの身体機能が低下していることが多いため、各種副作用が発症しやすい状態です
・妊娠している方
※動物実験において、奇形、胎児の発育不全などが起きたというデータがあります
・授乳している方
※授乳中の明確な安全性は確立していないため授乳を一時的に中止することが推奨されています
上記にあてはまる方は、メルカプトプリン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 メルカプトプリン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・アロプリノール::メルカプトプリンによる各種副作用が起きやすくなります
▼アロプリノールを含む薬
ザイロリック錠50/100など
・ワルファリンカリウム:ワルファリンカリウムの効果が弱まってしまう可能性があります
▼ワルファリンカリウムを含む薬
ワーファリン錠0.5㎎/1㎎/5㎎など
・不活化ワクチン:不活化ワクチンの効果が弱まってしまう可能性があります
▼不活化ワクチン
ジフテリア・破傷風混合トキソイド (DT)/日本脳炎/肺炎球菌/インフルエンザ菌b型/B型肝炎/ヒトパピローマウイルス/インフルエンザなど
・アミノサリチル酸誘導体:メルカプトプリンによる骨髄抑制の副作用が起きやすくなります
▼アミノサリチル酸誘導体
アサコール錠400mg/ペンタサ錠250mg/ペンタサ錠500mg/リアルダ錠1200mg/サラゾピリン錠500mg/アザルフィジンEN錠250mg/アザルフィジンEN錠500mgなど
上記を使用している方は、メルカプトプリン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 メルカプトプリン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・生ワクチン:メルカプトプリンによる免疫機能低下中に投与することで、生ワクチン自体で感染症を発 症するおそれがあります
▼生ワクチン
BCG/麻疹・風疹混合/麻疹 (はしか)/風疹/水痘/ロタウイルスなど
・フェブキソスタット/トピロキソスタット:メルカプトプリンによる骨髄抑制の副作用が起きやすくなります
▼フェブキソスタットを含む薬
フェブリク錠10㎎/20㎎/40㎎
▼トピロキソスタットを含む薬
トピロリック錠20mg/40㎎/60㎎
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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