テポチニブ塩酸塩水和物

成分名

テポチニブ塩酸塩水和物

適応症状

MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な 進行・再発の非小細胞肺癌

簡易説明

テポチニブ塩酸塩水和物は特定の肺がんに用いる薬です。
肺がんはその病態や薬の効き具合によって「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」という2パターンに分類されています。そのうち「非小細胞肺がん(非扁平上皮)」が約85%を占めており、薬による最初の治療は、患者さんの遺伝子の状態によって使用する薬の優先順位がきめ細かく分かれています。
テポチニブ塩酸塩水和物は「非小細胞肺がん(非扁平上皮)」のうち、非小細胞肺がんの約3%が該当すると言われている「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性」の肺がんに処方されます。効果としては「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異」をブロックすることでがん細胞の増殖、がん細胞の生存期間の短縮、その他臓器への転移を止めると言われています。

処方可能な診療科目

発売年月:2020年6月

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~3000円
薬代1錠あたりの目安:250mg 14399円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はテプミトコ錠250mgの薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2020年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

テプミトコ錠250mg(メルクバイオファーマ株式会社)

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

テポチニブ塩酸塩水和物は特定の肺がんに用いる薬です。
肺がんはその病態や薬の効き具合によって「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」という2パターンに分類されています。そのうち「非小細胞肺がん(非扁平上皮)」が約85%を占めており、薬による最初の治療は、患者さんの遺伝子の状態によって使用する薬の優先順位がきめ細かく分かれています。(EGFR遺伝子変異陽性、ALK融合遺伝子陽性、ROS1融合遺伝子陽性、BRAF遺伝子変異陽性、PD-L1陽性、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性など)
「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性」の場合、常にがん活性化の信号が細胞の中心である核へと伝達されており、がん細胞の増殖はもちろん、がん細胞の生存期間の延長、その他の臓器への転移など、がん細胞の増殖以外でも様々な症状が起きてしまいます。
テポチニブ塩酸塩水和物は上記のうち「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性」の肺がんに処方されます(非小細胞肺がんの約3%が該当すると言われています)。
テポチニブ塩酸塩水和物の効果としては「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異」をブロックすることでがん細胞の増殖、がん細胞の生存期間の短縮、その他臓器への転移を止めると言われています。

使用方法

通常、成人には「テポチニブ塩酸塩水和物」として1回500ミリグラムを1日1回食後に服用してください。また症状、副作用に応じて医師の指示のもと適宜増量、減量して服用してください。

副作用

重大な副作用
・腎不全(頻度:2.3%)、
・急性腎障害(頻度:1.5%)
・低アルブミン血症(頻度:10.8%)
全身のむくみ、腹水、胸水といった局所的なむくみが生じることがあります。また尿の量が減少したり、血圧の低下なども生じたりすることがあります。
・末梢性の浮腫(頻度:53.8%)
血管やリンパ管の通り道に障害が起きるために生じます。むくみは限定的にあらわれ、左右非対称に現れることがあります。
・胸水(頻度:4.6%)
急激に体重が増加したり、それによる呼吸困難などの呼吸異常が生じたりすることがあります。
・肝臓機能の障害(頻度:13.1%)
血液検査で、γ-GTP、AST、ALP 、ALTなどの上昇を伴う肝機能の障害が生じることがあります。
・体液の貯留(頻度:61.5%)
体に水分がたまってくると、肺や胸に水がたまり息をするのが苦しくなったり、手や足のむくみ、肝臓に障害が起き腹水がたまったりすることがあります。
・腎臓機能の障害(頻度:20%)
血液検査で、クレアチニンの増加が生じることがあります。
・間質性肺疾患(発症頻度:3.8%)
通常安静にしている時は感じない呼吸困難が、階段や坂道、平らな道を歩行中、排便や入浴などの日常生活の動作をしているにも関わらず感じることがあります。

その他の副作用
・血液、リンパ系の障害:血小板が減少する
・呼吸器の障害:鼻水が口に漏れる、呼吸困難
・感染症や寄生虫症が起こりやすくなる
・臨床検査の異常:体重減少・増加、心電図QT延長、アミラーゼ増加、リパーゼ増加、総タンパク減少
・神経の障害:めまい、錯覚、味覚異常、手に力が入らない
・眼の障害:涙が異常に増加する
・全身性の障害:疲れ、無力症、粘膜の炎症
・代謝の障害:低ナトリウム血症、食欲がない
・胃腸の障害:気持ち悪さ、下痢、胃痛、便秘、吐き気、腹痛、逆流性食道炎
・皮膚の障害:毛が抜ける、皮膚の乾燥、湿疹、かゆみ、ニキビ、赤み

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
・肝機能に障害のある方
・間質性肺疾患のある方、過去に間質性肺疾患にかかっていた方
※間質性肺疾患の副作用のリスクが高いです
・生殖機能を持っている方
・小児など
※小児などを対象としている試験を実施していないので注意が必要です。
・パートナーが妊娠、妊娠する可能性のある男性
※テポチニブ塩酸塩水和物を服用中、または服用終了後の一定期間は適切な避妊を行う必要があります。
・妊娠可能な状態にある女性
※テポチニブ塩酸塩水和物を服用中、または服用終了後の一定期間は適切な避妊を行う必要があります。
・妊娠している方
※治療上のメリットがデメリットを上回ると判断される場合にのみ医師の判断のもと服用できます。
・授乳している方
※乳汁を介して乳児に重大な副作用があらわれる可能性があるので授乳しないことが望まれます。

上記にあてはまる方は、テポチニブ塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
テポチニブ塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・「P-gp」と呼ばれるタンパク質に関連する薬
例)ダビガトランエテキシラート、ジゴキシン、フェキソフェナジンなど
※これらの薬の副作用が強くあらわれる可能性があるので、副作用に十分注意し、もし体調がすぐれない場合は医師に相談、医療機関を受診してください。

上記を使用している方は、テポチニブ塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
テポチニブ塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
テポチニブ塩酸塩水和物を服用する際は、食事にも気を付けるようにと説明を受けました。具体的にどのような注意が必要ですか?

テポチニブ塩酸塩水和物の臨床試験において、「高カロリーな食事」を摂った際、空腹時にテポチニブ塩酸塩水和物を服用した時と比較して、体内でのテポチニブ塩酸塩水和物の濃度が約2倍になったというデータがあります。したがって、テポチニブ塩酸塩水和物を服用する際はカロリーの高い食事を避けるのが望ましいと考えられます。

テプミトコ錠250mg

【上記引用元:テプミトコ錠250mg 添付文書】

副作用が現れた際のテポチニブ塩酸塩水和物の減量の基準はありますか?

通常の投与量は1日1回500㎎です。副作用が現れた際は減量して1日1回250㎎に変更します。それでも副作用が現れてしまう場合は投与を中止して様子を見ることになります。減量の基準は医師が判断するのと、「間質性肺疾患」の副作用かどうかによって対処方法も変わるので治療開始時に医師と相談しておくとよいでしょう。

テプミトコ錠250mg

【上記引用元:テプミトコ錠250mg 添付文書】

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