セツキシマブ(遺伝子組換え)

成分名

セツキシマブ(遺伝子組換え)

適応症状

・RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
・頭頸部癌

簡易説明

セツキシマブ(遺伝子組換え)は、EGFRと呼ばれている上皮細胞増殖因子受容体を標的とするヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体で、細胞増殖を抑制する効果があります。固形癌では、EGFRの発現が確認されている中で、特に、結腸・直腸癌の治療に有用とされております。本剤は、アメリカにあるカリフォルニア大学で開発され、遺伝子工学技術を用いて創製されました。適応にもよりますが、本剤は約90ヵ国で承認されています。

処方可能な診療科目

耳鼻咽喉科・頭頚部外科/消化器外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:100mg約35287円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2008年9月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アービタックス注射液100mg【製薬メーカー:メルクバイオファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

90か国以上で結腸・直腸がんに対する承認を取得しています。
80か国以上で局所的に進行している頭頸部扁平上皮癌に対する放射線治療との併用で承認を取得しています。

効果・作用

セツキシマブ(遺伝子組換え)は、世界で初めて開発されたEGFRと呼ばれている「ヒト上皮細胞増殖因子受容体を標的としたモノクローナル抗体です。EGFRは受容体に結合することで、細胞増殖に関わっており、発現していることで予後不良や生存率の低下、転移率の増加に影響を及ぼすとされています。本剤はアメリカのカリフォルニア大学で開発されたモノクローナル抗体をもとに、作られた薬剤です。

イリノテカン塩酸塩水和物を含む化学療法に反応しないとなり、フッ化ピリミジン系薬剤とオキサリプラチンに反応しないもしくは耐容不能となったEGFR発現が確認された結腸・直腸癌患者39名を対象に、国内第2相試験を実施しました。イリノテカン塩酸塩水和物は毎週投与法もしくは2週間間隔投与法で行いました。本剤とイリノテカンを併用投与した結果、奏効率は30.8%でした。

ステージⅢもしくはⅣ局所進行の頭頸部扁平上皮癌患者22名を対象に、国内第2相試験を実施しています。本剤投与と放射線療法を併用した結果、奏効率は81.8%と高い奏効率が認められました。
上咽頭癌を除く再発もしくは転移を有する頭頸部扁平上皮癌患者33名を対象に、国内第2相試験を実施しました。本剤とシスプラチンとフルオロウラシルを併用投与した結果、奏効率は36.4%でした。

使用方法

1週間間隔投与の場合、初回は体表面積あたり400mg/m2を2時間かけて、2回目以降は
250mg/m2を1時間かけて1週間の間をあけて点滴静注します。患者の症状に合わせて減量することが可能です。
2週間間隔投与の場合、体表面積あたり500mg/m2を2時間かけて2週間の間をあけて点滴静注します。患者の症状に合わせて減量することが可能です。

副作用

主な副作用
疲労や悪心、発疹、ざ瘡/ざ瘡様皮膚炎などがあげられます。

重大な副作用
<重度のインフュージョンリアクション>
気管支痙攣、蕁麻疹、低血圧、意識消失もしくはショックなどが症状としてあらわれる可能性があります。もしあらわれた場合には、患者の症状が回復するまで注意深く観察してください。本剤によるアナフィラキシーの発生原因の一つとして、本剤に含まれるGalactose-α-1,3-galactoseに対するIgE抗体を介した機序が報告されています。牛肉などの赤肉に対するアレルギー歴やマダニにかまれたことのある患者では、α-galに対するIgE抗体が検出されることが報告されております。そのうち、牛肉に対するアレルギー歴のある患者で、本剤によるアナフィラキシーが認められたとの報告があるため、十分注意をしてください。

<重度の皮膚障害>
18.8%の割合で、確認されています。にざ瘡様皮疹、皮膚の乾燥及び亀裂、続発する炎症性や眼瞼炎、口唇炎、蜂巣炎、嚢胞などの感染性の症状があらわれるとされています。重度の皮膚症状が認められた場合には、本剤の投与量を調節してください。また、炎症性、もしくは感染性の症状の発現に注意し、適切な治療を行ってください。

<間質性肺炎>
咳嗽、呼吸困難などの呼吸器症状や発熱が急激にあらわれた場合、もしくは胸部X線等の検査で異常が認められた場合などは、すぐに投与を中止し副腎皮質ホルモン剤の投与を行ってください。

<心不全>

<低マグネシウム血症>
QT延長、痙攣、しびれ、全身倦怠感などがあらわれるとされています。低マグネシウム血症が原因で起こった低カルシウム血症、低カリウム血症等の電解質異常を伴う場合には、特に症状が重篤化するとされているので十分注意をしてください。

<重度の下痢>
重度の下痢及び脱水があらわれることがあり、腎不全に至った症例も報告されています。の症状があらわれた場合には、ロペラミドなどの止瀉薬の投与や補液等の適切な処置を行ってください。

<血栓塞栓症>
1.2%の割合で確認されています。深部静脈血栓症、肺塞栓症などがあらわれる可能性があります。

<感染症>
4.4%の割合で確認されています。肺炎、敗血症などが起こる可能性があります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■セツキシマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼アービタックスの有効成分
セツキシマブ(遺伝子組換え)

▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、グリシン、ポリソルベート80、クエン酸水和物、pH調節剤

・以前、セツキシマブ(遺伝子組換え)を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・間質性肺疾患に以前かかったことのある方は、間質性肺疾患を悪化させてしまう恐れがあります。
・心疾患のある患者又もしくは以前かかったことのある方は、。心疾患を悪化させてしまうリスクがありますので注意をしてください。また、本剤と放射線療法を併用した頭頸部扁平上皮癌患者に対する海外臨床試験において、心肺停止及び突然死が報告されています。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。
・小児を対象とした試験は実施していません。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため慎重に投与をしてください。

上記にあてはまる方は、セツキシマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
セツキシマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

セツキシマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
薬剤を投与、もしくは投与後の注意点はありますか?

投与終了後は、本剤と同じ投与速度でラインを日局生理食塩液にてフラッシュしてください。本剤を開封したらすぐに投与をしてください。

適用上の注意

【上記引用元:アービタックス注射液100mg 医薬品インタビューフォーム】

インフュージョンリアクションを減らすために推奨されることはありますか?

本剤の投与前に抗ヒスタミン剤の前投与を行ってください。さらにそのうえで、副腎皮質ホルモン剤を投与前に処方すると、インフュージョンリアクションの発現割合が低減されることがあります。

用法及び用量に関連する注意

【上記引用元:アービタックス注射液100mg 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

アービタックス注射液100mg 添付文書

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