イサツキシマブ(遺伝子組換え)

成分名

イサツキシマブ(遺伝子組換え)

適応症状

再発又は難治性の多発性骨髄腫
※少なくとも 1 つの標準的な治療が無効もしくは治療後に再発した方が対象となる薬剤です。

簡易説明

イサツキシマブ(遺伝子組換え)は、多発性骨髄腫の治療に使用される新薬で、CD38というヒト細胞表面抗原に特異的に結合する能力を持っています。これにより、補体依存性細胞傷害、抗体依存性細胞傷害、抗体依存性細胞貪食作用、そしてアポトーシス誘導による直接的な腫瘍細胞死を引き起こすことが可能とされています。初期の臨床試験では本剤単剤の安全性と有効性が確認され、海外及び国内での承認取得に至りました。さらに、他の薬剤との併用療法での有効性と安全性も確認され、2020年には用法及び用量に関する変更申請が承認されました。日本ではサノフィが販売しています。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1錠あたりの目安:100mg約64699円/500mg約285944円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年8月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

サークリサ点滴静注100mg/サークリサ点滴静注500mg【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

カナダやオーストラリアなど40か国以上で販売されています。

効果・作用

イサツキシマブは、腫瘍細胞表面にある CD38と結合することで抗体依存性細胞傷害、抗体依存性細胞貪食、補体依存性細胞傷害活性、アポトーシスを誘導し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。

レナリドミドとプロテアソーム阻害剤を含む2レジメン以上の前治療歴のある再発もしくは難治性の多発性骨髄腫患者307名を対象とした、国際共同第3相試験を実施しています。日本人患者は13名含まれておりました。ポマリドミドとデキサメタゾンの併用療法(Pd療法)とPd療法に本剤注4)を上乗せしたIsaPd療法を比較したところ、主要評価項目として設定した無増悪生存期間の中央値は、IsaPd群では11.5ヵ月、Pd群では6.5ヵ月であり、IsaPd群で統計学的に有意な延長をもたらしました。

1~3 レジメンの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者302名を対象に国際共同第3相試験を実施しています。日本人は19名含まれていました。カルフィルゾミブとデキサメタゾンの併用療法(Cd療法)とCd療法に本剤を上乗せしたIsaCd療法を比較しました。主要評価項目として設定した無増悪生存期間の中央値は、IsaCd群では到達せず、Cd群では19.2ヵ月であり、IsaCd群で統計学的に有意な延長が確認されました。

日本人の再発もしくは難治性の多発性骨髄腫患者36名を対象に、本剤単独療法の有効性及び安全性を検討する国内第1・2相試験を実施しました。本剤1kgあたり20mgが投与された33名において、主要評価項目である奏奏効率は、36.4%でした。

使用方法

●ポマリドミドとデキサメタゾン併用投与もしくはカルフィルゾミブとデキサメタゾン併用投与の場合
1回1kgあたり10mgを点滴静注します。28日間を 1 サイクルとし、最初のサイクルは 1 週間の間をあけて 4 回(1、8 、15、22日目)、 2 サイクル以降は 2 週間の間をあけて 2 回( 1 と15日目)点滴静注します。

●デキサメタゾン併用投与もしくは単独投与の場合
1回1kgあたり20mgを点滴静注します。28日間を 1 サイクルとし、最初のサイクルは 1 週間の間をあけて 4 回(1、8 、15、22日目)、 2 サイクル以降は 2 週間の間をあけて 2 回( 1と15日目)点滴静注します。

インフュージョンリアクションを減らすために、本剤を投与する15~60分ほど前に本剤と併用するデキサメタゾン、抗ヒスタミン剤、H2受容体拮抗剤及び解熱鎮痛剤を投与してください。
また、本剤は175mg/時の投与速度で点滴静注を開始します。インフュージョンリアクションあらわれなかった場合に、投与速度を段階的に上げることができます。しかし、投与速度は400mg/時を超えないよう注意をしてください。

副作用

主な副作用
不眠症や下痢や疲労などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
代謝および栄養障害・・食欲減退(5%未満)
精神障害・・不眠症(10%以上)
神経系障害・・頭痛(5%未満)
心臓障害・・心房細動(5%未満)
血管障害・・高血圧(10%未満5%以上)
呼吸器、胸郭及び縦隔障害・・呼吸困難(10%未満5%以上)、咳嗽(5%未満)
胃腸障害・・下痢(10%以上)、悪心(10%未満5%以上)、嘔吐(5%未満)
筋骨格系および結合組織障害・・背部痛(5%未満)
一般・全身障害および投与部位の状態・・疲労(10%以上)
その他・・体重減少(5%未満)

重大な副作用
<インフュージョンリアクション>
43.8%の割合で確認されています。アナフィラキシー、呼吸困難、咳嗽、悪寒、気管支痙攣、鼻閉、高血圧、嘔吐、悪心などの症状が出る可能性があり、多くは初めての投与時に確認されています。異常があらわれた場合には、投与を中止もしくは休薬してください。

<骨髄抑制>
好中球減少、血小板減少、発熱性好中球減少、貧血、リンパ球減少などの骨髄抑制が
あらわれることがあります。

<感染症>
肺炎、敗血症などの重篤な感染症があらわれるリスクがあります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■イサツキシマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼サークリサの有効成分
イサツキシマブ(遺伝子組換え)

▼代表薬の添加物
L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、精製白糖、ポリソルベート80

・以前、イサツキシマブ(遺伝子組換え)を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中から本剤投与終了後一定期間は避妊をするよう指導してください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療するメリットが上回るとされる時にのみ投与を検討してください。
・小児に対しては臨床試験を実施しておりません。

上記にあてはまる方は、イサツキシマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
イサツキシマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

イサツキシマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
本剤が臨床結果に及ぼす影響はありますか?

赤血球上に発現しているCD38と結合することで、間接クームス試験の結果が偽陽性となる可能性があります。このため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査を実施してください。輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接クームス試験への干渉について関係者に周知するようお願いいたします。

サークリサ 製品関連のよくあるご質問と回答

【上記引用元:サノフィe-MR 医療関係者向け情報サイト】

定期的に行うべき検査はありますか?

骨髄抑制があらわれる可能性がありますので、本剤の投与前と投与中は定期的に血液検査等を行ってください。

サークリサ 製品関連のよくあるご質問と回答

【上記引用元:サノフィe-MR 医療関係者向け情報サイト】

参考元一覧

サークリサ点滴静注 添付文書

サークリサ点滴静注 医薬品インタビューフォーム

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