成分名 |
ボルテゾミブ |
適応症状 |
多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫、原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫、全身性ALアミロイドーシス |
簡易説明 |
本来の抗がん剤治療では、がんの完治は難しいといわれていました。本剤は、血液内のお掃除屋であるプロテアソームの働きを阻害し、たんぱく質を蓄積させることによってがん細胞の自滅を誘導する効果があります。がん細胞の自滅を誘導するのに、正常な細胞への害は少なく済むため、副作用が比較的少ない薬として期待されています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/整形外科/神経内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適用 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代の目安:
ベルケイド注射用3mg/87,904円(ヤンセンファーマ)
ボルテゾミブ注射用1mg/19,811円「ファイザー」(ファイザー)
ボルテゾミブ注射用3mg/38,694円「ファイザー」(ファイザー)
ボルテゾミブ注射用3mg「サワイ」38,694円(沢井製薬)
ボルテゾミブ注射用3mg「NK」/38,694円(日本化薬)
ボルテゾミブ注射用2mg「トーワ」/30,223円(東和薬品)
ボルテゾミブ注射用3mg「トーワ」/38,694円(東和薬品)
ボルテゾミブ注射用3mg「DSEP」/44,224円(第一三共エスファ)
ボルテゾミブ注射用3mg「ヤクルト」/38,694円(高田製薬)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2006年12月発売 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
ベルケイド注射用3mg(ヤンセンファーマ) |
関連製品(ジェネリック) |
ボルテゾミブ注射用1mg「ファイザー」(ファイザー)
ボルテゾミブ注射用3mg「ファイザー」(ファイザー)
ボルテゾミブ注射用3mg「サワイ」(沢井製薬)
ボルテゾミブ注射用3mg「NK」(日本化薬)
ボルテゾミブ注射用2mg「トーワ」(東和薬品)
ボルテゾミブ注射用3mg「トーワ」(東和薬品)
ボルテゾミブ注射用3mg「DSEP」(第一三共エスファ)
ボルテゾミブ注射用3mg「ヤクルト」(高田製薬) |
海外での使用実績 | 2008年6月20日、米国食品医薬品局(FDA)は、多発性骨髄腫患者の治療用としてボルテゾミブ注射剤を承認しました。ボルテゾミブは、すでに何らかの化学療法を受けている多発性骨髄腫患者への治療薬として2005年に承認されており、また2003年にも、より難治性の多発性骨髄腫の治療薬として承認されていました。米国で開発された薬のため、米国でも抗がん剤として使用されています。 |
効果・作用 |
本剤は抗悪性腫瘍薬、いわゆる抗がん剤と呼ばれる類の薬です。
本剤は既存の薬剤よりも有効性が高く、比較的副作用も軽いといわれています。
多発性骨髄腫は、本来ならばウイルスや細菌と戦うはずの免疫細胞(形質細胞)ががん化してしまう、血液がんです。
がん全般で見ると約1%の希少ながんです。
ほとんどのケースではがんの完治は困難で、患者の生活の質を低下させないことを目的とした治療が大部分を占めていました。
しかし、がん細胞を死滅させることができるのではないかと期待されているのが本剤です。
正常な細胞では、生存をするために細胞分裂を繰り返し、さまざまなたんぱく質を作り出します。
使い終えたたんぱく質や最初から使われなかったたんぱく質は蓄積していくため、これを掃除する必要があります。
この掃除屋と呼ばれる物質は、プロテアソームです。
一方、がん細胞は増殖を勢い良く続けるため、不要なたんぱく質が増え、プロテアソームが大忙しになります。
プロテアソームは細胞が増殖するのに必要な物質も供給しているため、がん細胞にとって大切です。
このプロテアソームの動きを抑制するために開発されたのが本剤であり、本剤が作用したがん細胞は増殖できないどころか不要なたんぱく質が蓄積されるため、細胞が自滅していきます。
こうした新しい作用機序を持つ本剤は、がん細胞への効果が期待できるとともに、正常な細胞への害が少なく済むことから、副作用の少ない薬であるといえます。 |
使用方法 |
<多発性骨髄腫>
通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を以下のA法かB法で静脈内投与又は皮下投与します。本剤は最低72時間空けて投与することとされています。
A法
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、週2回、2週間(1、4、8、11日目)投与した後、10日間休薬(12〜21日目)します。この3週間を1サイクルとし、2又は8サイクルまで投与を繰り返します。3又は9サイクル以降は、週1回、2週間(1、8日目)投与し、13日間休薬(9〜21日目)します。この3週間を1サイクルとし、18サイクルまで投与を繰り返します。週1回投与への移行時期は併用する抗悪性腫瘍剤を考慮して選択することとされています。
B法(再発又は難治性の場合に限る)
週2回、2週間(1、4、8、11日目)投与した後、10日間休薬(12〜21日目)します。この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返します。
8サイクルを超えて継続投与する場合には上記の用法・用量で投与を継続するか、又は維持療法として週1回、4週間(1、8、15、22日目)投与した後、13日間休薬(23〜35日目)します。この5週間を1サイクルとし、投与を繰り返していきます。
<マントル細胞リンパ腫>
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を1、4、8、11日目に静脈内投与した後、10日間休薬(12〜21日目)します。この3週間を1サイクルとし、6サイクルまで(6サイクル目に初めて効果が認められた場合は8サイクルまで)投与を繰り返します。本剤は最低72時間空けて投与することとされています。なお、静脈内投与が困難な場合には、皮下投与することもできます。
<原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫>
通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を1、4、8、11日目に静脈内投与又は皮下投与した後、10日間休薬(12〜21日目)します。この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返します。本剤は最低72時間空けて投与することとされています。
<全身性ALアミロイドーシス>
他の薬剤との併用において、通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を1、8、15、22日目に皮下投与します。28日間を1サイクルとし、6サイクルまで投与を繰り返します。注射部位反応が発現した場合には、静脈内投与も可能です。 |
副作用 |
主な副作用
主な副作用として、肺炎・便秘・感染・食欲不振・嘔吐・頭痛・帯状疱疹・不眠症・下痢・悪心・腹痛などがあります。
重大な副作用
重大な副作用として、急性肺水腫・肺水腫・うっ血性心不全・心不全・心原性ショック・末梢性感覚ニューロパチー・神経障害性疼痛・錯感覚・末梢性ニューロパチー・骨髄抑制・血小板減少・好中球減少・貧血・白血球減少・リンパ球減少・Grade1~2の薬剤性発熱・間質性肺炎・胸水・心嚢液貯留・心停止・感覚減退・末梢性運動ニューロパチー・灼熱感・低血圧・イレウス・発熱性好中球減少症・汎血球減少・重症出血<Grade3以上>・腹部膨満感・肝機能障害・AST増加・ALT増加・γ-GTP増加・ALP増加・血中ビリルビン増加・B型肝炎ウイルス再活性化・腫瘍崩壊症候群・肺障害・急性呼吸窮迫症候群・心障害・心肺停止・左室駆出率低下・QT間隔延長・末梢神経障害・重症感覚性ニューロパチー・感覚障害・感覚障害と運動障害が混在するニューロパチー・起立性低血圧・重度便秘・ギラン・バレー症候群・脱髄性多発ニューロパチー・感染症・敗血症性ショック・出血・皮膚粘膜眼症候群・Stevens-Johnson症候群・中毒性表皮壊死症・Toxic Epidermal Necrolysis・TEN・発熱が持続・呼吸器症状・可逆性後白質脳症症候群・痙攣・血圧上昇・意識障害・錯乱・視覚障害・進行性多巣性白質脳症・認知障害・麻痺症状・片麻痺・四肢麻痺・言語障害などがみられる場合があります。
その他の副作用
発疹・筋骨格痛・疲労・無力症・浮腫・疼痛・敗血症・腹部膨満・単純ヘルペス・鼻咽頭炎・口腔カンジダ症・麦粒腫・感染性腸炎・腸炎・膀胱炎・中耳炎・蜂巣炎・毛包炎・白血球数増加・好中球数増加・単球数増加・過敏症・体重減少・脱水・高血糖・高尿酸血症・低アルブミン血症・低血糖症・高アミラーゼ血症・低カリウム血症・低ナトリウム血症・高カリウム血症・高カルシウム血症・浮動性めまい・うつ病・失神・味覚異常・嗜眠・神経痛・不安・傾眠・体位性めまい・霧視・結膜炎・眼瞼炎・眼部腫脹・ドライアイ・霰粒腫・高血圧・心房細動・動悸・頻脈・期外収縮・不整脈・心房粗動・徐脈・呼吸困難・咳嗽・鼻出血・咽喉頭疼痛・鼻漏・肺高血圧症・消化不良・口内炎・胃炎・鼓腸・胃腸出血・歯肉炎・嚥下障害・胃食道逆流・過敏性腸症候群・歯周炎・レッチング・舌潰瘍・おくび・齲歯・肝機能異常・皮膚そう痒症・脱毛症・紅斑・多汗症・蕁麻疹・点状出血・顔面腫脹・紫斑・多形紅斑・薬疹・紅色汗疹・皮膚出血・筋痙縮・筋痛・筋力低下・骨痛・筋骨格硬直・関節炎・腎機能障害・排尿障害・尿閉・神経因性膀胱・尿中血陽性・悪寒・倦怠感・口渇・胸痛・顔面浮腫・注射部位反応・静脈炎・潮紅・血中クレアチニン増加・総蛋白減少・ほてり・PO2低下・末梢冷感・血中重炭酸塩減少・血中尿酸減少・発熱・気管支肺炎・白癬感染・外耳炎・高コレステロール血症・高ナトリウム血症・嗅覚錯誤・角膜びらん・眼瞼出血・後天性涙腺炎・心電図QT延長・喀血・上気道炎症・咽頭不快感・無気肺・胸膜炎・気胸・口唇炎・耳下腺腫大・肝障害・好中球浸潤・有痛性紅斑・皮膚障害・Sweet症候群・丘疹・水疱性皮膚炎・蛋白尿・β2ミクログロブリン増加・尿沈渣異常・LDH増加・CRP増加・腫瘍熱・PO2上昇・血中クレアチニン減少・総蛋白増加・血中重炭酸塩増加などがみられることがあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ボルテゾミブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ベルケイド注射用3mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ベルケイド注射用3mgの有効成分
ボルテゾミブ3mg含有
▼ベルケイド注射用3mgの添加物
D-マンニトール30mg
■他に使用できない方
・本剤の成分またはホウ素に対して過敏症の既往歴のある方
使用に注意が必要な方 ・間質性肺炎、肺線維症等の肺障害の既往歴のある方
・B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性でHBc抗体陽性若しくはHBs抗原陰性でHBs抗体陽性の方
・末梢性ニューロパチーの症状(足又は手のしびれ、疼痛又は灼熱感)や徴候のある方
・失神の既往や症状がある方、低血圧が発現する可能性のある薬剤投与中の方及び脱水状態にある方
・経口血糖降下剤を併用した糖尿病の方
・肝機能障害のある方
・妊婦、授乳婦
・小児等
・高齢者
上記にあてはまる方は、ボルテゾミブを使用する事が出来ない可能性があります。 ボルテゾミブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・降圧作用を有する薬剤
・経口血糖硬化剤
・肝薬物代謝酵素の基質となる薬剤
・薬物代謝酵素を阻害する薬剤
・肝薬物代謝酵素を誘導する薬剤
・ケトコナゾール
・リファンピシン類
上記を使用している方は、ボルテゾミブを使用する事が出来ない可能性があります。 ボルテゾミブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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