成分名 |
アムルビシン塩酸塩 |
適応症状 |
小細胞肺がん、非小細胞肺がん |
簡易説明 |
アムルビシン塩酸塩は小細胞肺がん、非小細胞肺がんに用いられる抗悪性腫瘍薬です。アムルビシン塩酸塩はトポイソメラーゼII阻害作用、トポイソメラーゼIIによるクリーバブル複合体の安定化を介したDNA切断作用、DNAインターカレーション活性、ラジカル産生作用などの作用によってがん細胞に対して抗腫瘍効果を発揮すると考えられています。 |
処方可能な診療科目 |
腫瘍内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:20mg約5,051円/50mg約11,644円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2002年12月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
カルセド注射用20mg/50mg(住友ファーマ) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
アムルビシン塩酸塩は小細胞肺がん、非小細胞肺がんに用いられる抗悪性腫瘍薬です。
様々な要因によってDNAに異常が起こり、それによって無限に増え続け(増殖)、別の臓器や器官に移動(転移)する細胞をがん細胞と呼びます(様々な要因に関しては、多段階発がん、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、遺伝子突然変異などが挙げられます)。通常の細胞では、異常が起きたり老化したりすると細胞が自ら破壊されるアポトーシスと呼ばれる現象で排除されますが、がん細胞はそのアポトーシスから逃れる機能を持っていて、異常な状態になっているのにも関わらず増殖し続けます。つまり1つのがん細胞が発生すると、1つが2つに、2つが4つに、4つが8つに分裂しといった形で二次関数的に増殖してしまうため早期の段階で増殖を止める必要があると言えます。
がん細胞の増殖を阻害する薬には、化学療法薬、分子標的薬、内分泌療法薬など複数ありそれぞれ特徴が異なっています。アムルビシン塩酸塩、またその代謝物である活性代謝物アムルビシノールは、トポイソメラーゼII阻害作用、DNAインターカレーション活性、トポイソメラーゼIIによるクリーバブル複合体の安定化を介したDNA切断作用、ラジカル産生作用などの作用によってがん細胞に対して抗腫瘍効果を発揮します。 |
使用方法 |
成人(15歳以上)のケース:アムルビシン塩酸塩として45mg(力価)/体表面積m2を約20mL程度の日局生理食塩液または5%ブドウ糖注射液に溶かし、1日1回3日間連日静脈内に投与して3〜4週間休薬します。これを1クールとして投与を繰り返します。
なお、年齢や症状に応じて、医師の判断のもと適宜減量してください。
<使用上の注意>
アムルビシン塩酸塩の使用によって重度の骨髄抑制が引き起こされる可能性があります。投与後は血液検査値の動きを十分にモニタリングし、次クールの使用量は症状に応じて適宜調節してください。 |
副作用 |
重大な副作用
・骨髄機能抑制
※汎血球減少、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少などが引き起こされる可能性があります。末梢血液のモニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、減量や休薬などの適切な対応をとってください。
※重症な骨髄機能抑制による感染症(敗血症、肺炎など)が引き起こされて死亡する事例も報告されています。使用中は感染症に十分注意して、異常が確認された場合には適切な対応をとってください。
・間質性肺炎
※間質性肺炎が引き起こされる可能性があります。モニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、副腎皮質ホルモン剤の使用などの適切な対応をとってください。
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
※吐血、下血、穿孔を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍が引き起こされる可能性があります。異常が確認された場合には、減量や休薬などの適切な対応をとってください。
その他の副作用
・肝臓系:AST(GOT)の上昇、ALT(GPT)の上昇、ALPの上昇、総ビリルビンの上昇、LDHの上昇、ウロビリノーゲン陽性、γ-GTP上昇
・消化器系:下血、腹痛、下痢、食欲不振、嘔吐、悪心、はきけ、口内炎、口角炎、便秘、軟便、歯周炎、腹部不快感
・精神神経系:ふらつき、知覚神経障害、頭痛、末梢神経障害、頭重感、手足のしびれ、めまい、不眠
・呼吸器系:気胸、肺炎、咽頭痛
・心臓系:心電図の異常、動悸、不整脈、息切れ、血圧の低下、心拡大、左室駆出率低下、心膜滲出液
・腎臓系:BUNの上昇、尿タンパク陽性、クレアチニンの上昇
・過敏症:発疹、皮疹、かゆみ
・その他:感染、血管の痛み、発熱、白血球分画異常、脱毛、血清総タンパク低下、血清アルブミンの低下、血沈の亢進、A/G比異常、尿潜血、全身のだるさ、飛蚊症、尿糖陽性、鼻血、体力の消失、静脈炎、注射部における反応、色素沈着、白血球の増加、関節の痛み、耳鳴り、電解質の異常(ナトリウム、カリウム、クロライド、カルシウム)、出血傾向、むくみ、胸内苦悶感、血清アミラーゼ上昇、CRP上昇、吃逆、味覚異常、血小板の増加、体重の減少、尿沈渣白血球陽性、背部の痛み、ほてり
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・アムルビシン塩酸塩を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、カルセド注射用はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼カルセド注射用の有効成分
アムルビシン塩酸塩
▼代表薬の添加物
L-システイン塩酸塩、乳糖水和物、pH調節剤
・その他のアントラサイクリン系薬剤などの心毒性をもっている薬剤による前治療で限界量に到達している方
※心筋障害が引き起こされる可能性があります。
・臨床症状のある間質性肺炎または肺線維症を患っている方(胸部単純X線写真において明らかなケース)
※上記症状の増悪が引き起こされる可能性があります。
・重篤な骨髄機能抑制を患っている方
※重症な感染症を併発し致命的な予後をたどる可能性があります。
・重篤な感染症を併発している方
※上記の感染症が増悪してしまい致命的な予後をたどる可能性があります。
・心機能異常を患っている方、またはその経験のある方
※心筋障害が引き起こされる可能性があります。
・妊娠している方、または妊娠している可能性のある方
使用に注意が必要な方 ・その他のアントラサイクリン系薬剤などの心毒性をもっている薬剤による前治療の経験のある方
・感染症を患っている方
・骨髄機能抑制を患っている方
・間質性肺炎または肺線維症を患っている方
・腎障害を患っている方
・肝障害を患っている方
・水痘を患っている方
・授乳している方
※授乳している方が使用する場合では授乳を中止してください。
※動物実験(ラット):アムルビシン塩酸塩の乳汁中への移行が確認されています。
・小児など
※低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児に対する安全性が確立されていません。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
上記にあてはまる方は、アムルビシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アムルビシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射
※心筋障害の増強が引き起こされる可能性があります。モニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、減量や休薬などの適切な対応をとってください。
・心毒性を持っている可能性のある抗悪性腫瘍剤(アントラサイクリン系薬剤など)
※上記の薬剤による前治療があるケース、あるいは併用療法を行うケースでは、心筋障害の増強が引き起こされる可能性があります。症状のモニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、減量や休薬などの適切な対応をとってください。
・放射線照射、抗悪性腫瘍剤
※骨髄抑制などの副作用の増強が引き起こされる可能性があります。併用療法を行う場合には、モニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、減量や休薬などの適切な対応をとってください。
上記を使用している方は、アムルビシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アムルビシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
アムルビシン塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
カルセド注射用 【カルセド注射用 添付文書】 |
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