マイトマイシンC

成分名

マイトマイシンC

適応症状

慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、胃癌、結腸・直腸癌や肺癌、膵癌、肝癌、子宮頸癌、子宮体癌、乳癌、頭頸部腫瘍の自覚的並びに他覚的症状の緩解

簡易説明

マイトマイシンは、日本で発見された抗腫瘍効果を持つ抗生物質です。主に、消化器癌や乳がんや肺がんの自覚的、もしくは他覚的な症状改善に対して有効であるとされており、国内でもさまざまな癌腫に適応を取得しています。DNAの複製を阻害することでがん細胞の分裂を抑えます。国内では協和キリンが販売権を持っています。

処方可能な診療科目

産婦人科/乳腺外科/血液内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:2mg約320円/10mg約1464円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1990年7月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

マイトマイシン注用2mg【製薬メーカー:協和キリン】
マイトマイシン注用10mg【製薬メーカー:協和キリン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカやカナダ、ドイツやフランス、メキシコなどさまざまな国と地域で販売されています。

効果・作用

マイトマイシンは、北里研究所で発見された抗腫瘍効果を持つ抗生物質です。マイトマイシンCは、さまざまな悪性腫瘍に対して、有効性をもたらすことが示されています。日本では、慢性リンパ性白血病や子宮頸がん、子宮体癌、乳がんなど適応を取得しています。主な作用機序はがん細胞のDNAに結合することで複製を阻害し、がん細胞の分裂を抑制します。
特に、DNA合成前期後半からDNA合成期前半の細胞に対して高い感受性をもたらすことが認められています。

国内49施設で本剤の有効性を検討する臨床試験が行われています。効果判定の対象となったのは、2,680例で、全体の有効数は1049名に認められ、有効率は39.1%でした。

単独治療のみで絞って結果を見てみると、1239名中488名に効果が認められ、有効率は39.4%でした。
以下が癌腫別の有効率の結果です。

胃癌・・29.7%(症例数:441)
結腸・直腸癌・・34.4%(症例数:32)
肺癌・・36.7%(症例数:237)
肝癌・・29.4%(症例数:17)
子宮癌・・67.2%(症例数:134)
乳癌・・50.0%(症例数:36)
頭頸部腫瘍・・40.0%(症例数:20)
慢性白血病・・95.0%(症例数:20)

使用方法

・間歇投与法として使用する場合、1日4〜6mg(力価)を週1~2回静脈内に注射します。
・連日投与法として使用する場合、1日2mg(力価)を毎日静脈内に注射します。
・大量間歇投与法として使用する場合、1日10〜30mg(力価)を1〜3週間以上の間隔で静脈内に注射します。
・他の抗悪性腫瘍剤との併用として使用する場合、1日2〜4mg(力価)を週1~2回他の抗悪性腫瘍剤と併用して静脈内に注射します。

なお、年齢や状態に合わせて増減が可能です。

注射液の調製法としては、本剤2mgあたり、5mLの割合に日局注射用水を加えて溶解してください。投与時は、血管通や静脈炎、血栓を起こしてしまう可能性があるため、注射速度を可能な限り遅くしてください。

副作用

主な副作用
白血球減少や血小板減少、食欲不振、悪心嘔吐、全身倦怠感、体重減少、出血傾向、貧血などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
腎臓・・蛋白尿(0.1~5%未満)、血尿/浮腫/高血圧(頻度不明)
肝臓・・肝障害(頻度不明)
消化器・・食欲不振/悪心・嘔吐(5%以上)、口内炎(0.1~5%未満)、下痢/便秘/腹部不快感(頻度不明)
過敏症・・発疹(0.1~5%未満)
その他・・倦怠感(5%以上)、脱毛(0.1~5%未満)、発熱(頻度不明)

重大な副作用
<溶血性尿毒症症候群 /微小血管症性溶血性貧血>
定期的に検査を行い、破砕赤血球を伴う貧血・血小板減少・腎機能低下などは初期症状の可能性がありますので、投与を中止してください。

<急性腎障害などの重篤な腎障害>
BUN、クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値などの異常は初期症状の可能性がありますので、あらわれた場合には、投与を中止してください。

<汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血、貧血などの骨髄機能抑制>
異常が認められた場合には、減量や休薬などの処置を行ってください。白血球減少は40.2%に発現しており、感染症を起こしやすい状態になっていることから、感染症や出血傾向に十分ご注意ください。
<間質性肺炎、肺線維症>
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多などは初期症状の可能性がありますので、あらわれた場合には、副腎皮質ホルモン剤などの投与を検討してください。
<ショック、アナフィラキシー>
瘙痒感、発疹、顔面潮紅、発汗、呼吸困難、血圧低下などの症状が出る可能性がありますので、異常が認められた場合には、すぐに投与を中止してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■マイトマイシンCを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼マイトマイシン注用の有効成分
マイトマイシンC
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム
・以前、マイトマイシンCを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・肝障害もしくは腎障害のある方は副作用が強くあらわれる可能性があります。本剤の不活化や排泄が遅延する可能性があるためです。
・骨髄機能抑制のある方は、より強く抑制する恐れがあります。
・感染症を合併している方は、骨髄機能抑制によって感染症が悪化してしまう可能性があります。
・水痘の方は命にかかわる致命的な全身障害があらわれる可能性があります。
・小児に投与する場合は、副作用の発現に注意しながら慎重に投与をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下していることから、骨髄機能抑制が起こりやすい可能性があります。また、腎機能障害があらわれやすいため、用量や投与間隔を調節するなどして慎重に投与してください。

上記にあてはまる方は、マイトマイシンCを使用する事が出来ない可能性があります。
マイトマイシンCを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<他の抗悪性腫瘍剤放射線照射>
相互に増強されることで、骨髄抑制などの副作用が強まってしまう可能性があります。
<ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤(ビンデシン硫酸塩等)>
作用機序は不明ですが、息切れや気管支痙攣が起こることがあります。

上記を使用している方は、マイトマイシンCを使用する事が出来ない可能性があります。
マイトマイシンCを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

マイトマイシンCに関する
よくある質問
本剤を投与するうえで気を付けることはありますか?

細胞傷害性のある薬剤であるため、直接触れることのないよう気を付けてください。もし触れてしまった場合、粘膜の潰瘍や組織の壊死などを起こしてしまう可能性があります。

薬剤取扱い上の注意点

【上記引用元:マイトマイシンC 医薬品インタビューフォーム】

眼に入った場合の対処法はありますか?

眼に入ってしまった場合は、すぐに流水で洗眼してください。洗眼した後もなお、刺激や痛み、腫れや流涙が継続する場合には、眼科を受診してください。

薬剤取扱い上の注意点

【上記引用元:マイトマイシンC 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

マイトマイシンC 添付文書

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