成分名 |
アキシチニブ |
適応症状 |
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 |
簡易説明 |
アキシチニブは血管内皮増殖因子受容体をターゲットとした選択的キナーゼ阻害剤として開発されてきました。根治切除不能または転移性の腎細胞がんに適応を持つ医薬品です。
癌細胞が成長するために必要な栄養や酸素を取り込むために新たに血管を作り出し、癌細胞に血管が引き込まれます。この命令を伝える働きを持つ酵素がチロシンキナーゼと呼ばれており、この酵素を選択的に阻害する事により、血管やリンパ管の新生を阻止して、腫瘍の増殖や転移を抑制し、抗腫瘍活性を示します。 |
処方可能な診療科目 |
泌尿器科/内科/外科/整形外科/腎臓内科/腎臓外科/腎移植外科等 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約3,500円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:1mg約1,651円/5mg約7,462.1円
この医薬品に後発薬は発売されておりません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2012年6月29日製造販売承認
2012年8月28日薬価基準収載
2012年8月30日販売 |
国内のジェネリック認可 |
国内においてジェネリック医薬品の販売はありません。 |
関連製品(先発薬) |
インライタ錠1mg/5mg【製薬メーカー:ファイザー株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
ジェネリック医薬品の販売はありません |
効果・作用 |
アキシチニブは根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に使用される医薬品です。
その使用にあたっては「警告」緊急時に十分対応できる医療施設において、癌化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施する事という条件のもと使用が認められております。
【作用機序】
アキシチニブは、置換インダゾール誘導体であり、強力かつ選択的に血管内皮増殖因子受容体を阻害する新規の経口チロシンキナーゼ阻害剤になります。この作用により、血管及びリンパ管の新生を阻害して、腫瘍の増殖及び転移を抑制します。
治療においては免疫チェックポイント阻害薬との併用療法を推奨しておりますが、腎細胞がんに対して、その一つの例として抗PDーL1抗体のバベンチオと抗VEGF薬のインライタの併用による治療があります。
バベンチオは、PD-L1とその受容体であるPD-1との結合を阻害し、腫瘍抗原特異的なT細胞の細胞傷害活性を増強することにより、腫瘍の増殖を抑制すると言われております。作用機序の異なる2種の医薬品を併用する事で悪性腫瘍に対し優越性が示されております。
また進行性の腎細胞がんの初回治療として、キイトルーダとインライタの併用療法が米国食品医薬品局によって承認されました。
腎細胞がんを対象としたインライタと免疫チェックポイント阻害薬との併用はバベンチオとインライタとの併用に続く2剤目となります。 |
使用方法 |
通常、成人にはアキシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与します。なお、患者の状態により適宜増減しますが、1回10mg1日2回まで増量する事ができます。
【用法及び用量に関連する注意事項】
(1)抗悪性腫瘍剤による治療歴のない患者に対しては、免疫チェックポイント阻害薬と併用して使用します。
(2)アキシチニブに対しての忍容性が認められる場合の増量について
1回5mg1日2回連日投与を2週間以上、その後1回7mg1日2回連日投与を2週間以上投与。その後更に最大1回10mg1日2回まで増量する事ができるとされております。
(3)副作用が発現した場合の対応
副作用がみられた場合は、必要に応じて減量または休薬・中止する事になります。減量する場合においては副作用の状態また患者の状態に応じて使用量を1回3mgもしくは1回2mgにまで減量します。 |
副作用 |
重大な副作用
(1)高血圧(45.3%)、高血圧クリーゼ(0.3%)
(2)動脈血栓塞栓症
一過性脳虚血発作(0.4%)、網膜動脈閉塞(0.1%)、脳血管発作(頻度不明)、心筋梗塞(頻
度不明)等
(3)静脈血栓塞栓症
肺塞栓症(0.8%)、深部静脈血栓症(0.3%)、網膜静脈閉塞(0.1%)、網膜静脈血栓症(0.1%)等
(4)出血
鼻出血(5.9%)、血尿(0.8%)、直腸出血(0.9%)、喀血(0.6%)、脳出血(0.1%)、下部消化管出血(0.3%)、胃出血(0.4%)等
(5)消化管穿孔(頻度不明)、瘻孔形成(0.1%)
(6)甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症(21.6%)、甲状腺機能亢進症(3.2%)
(7)創傷治癒遅延(1.0%)
(8)可逆性後白質脳症症候群(0.3%)
(9)肝機能障害
AST(GOT)上昇(6.7%)、ALT(GPT)上昇(8.1%)
(10)心不全(頻度不明)
(11)間質性肺炎(頻度不明)
その他の副作用
(1)内分泌
TSH 増加、甲状腺炎、副腎機能不全(1%以上~10%未満)
コルチコトロピン増加、T4増加、T3減少、TSH減少、T3増加(1%未満)
(2)精神神経系
味覚異常(11.6%)、頭痛(10.1%)
浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、不眠症、錯感覚、傾眠、知覚過敏、振戦、記憶障害(1%以上~10%未満)
不安、感覚鈍麻、うつ病、失神、味覚消失、失語症、睡眠障害、注意力障害、失神寸前の状態、片頭痛、落ち着きのなさ (1%未満)
(3)眼
視力低下、霧視、流涙増加、羞明、眼瞼浮腫(1%未満)
(4)耳
耳鳴り(1%以上~10%未満)
回転性めまい、難聴、耳の障害、耳不快感(1%未満)
(5)循環器
浮腫、低血圧、徐脈、動悸(1%以上~10%未満)
潮紅、頻脈、トロポニン増加、不整脈、ほてり、QT 延長、顔面浮腫(1%未満)
(6)呼吸器
発声障害(27.1%)
呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、鼻炎、労作性呼吸困難、鼻漏、上気道感染、肺炎(1%以上~10%未満)
鼻閉、しゃっくり、鼻部障害(1%未満)
(7)消化器
下痢(52.7%)、悪心(26.2%)、口内炎(18.6%)、嘔吐(12.8%)
便秘、腹痛、消化不良、口内乾燥、上口腔内痛、上腹部痛、鼓腸、舌痛、胃食道逆流性疾患、歯肉痛、腹部不快感、痔核、腹部膨満、嚥下障害、肛門の炎症、腸炎(1%以上~10%未満)
肛門周囲痛、口腔内潰瘍形成、舌炎、アフタ性口内炎、胃炎、歯肉炎、変色便、下腹部痛、歯痛、裂肛、嚥下痛、歯の障害、舌障害(1%未満)
(8)膵臓
リパーゼ増加、アミラーゼ増加(1%以上~10%未満)
(9)腎臓
蛋白尿、クレアチニン増加、尿酸増加、腎不全(1%以上~10%未満)
頻尿、クレアチニンクリアランス減少、尿意切迫、尿路感染、排尿困難(1%未満)
(10)血液
血小板減少、貧血、好中球減少(1%以上~10%未満)
白血球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少(1%未満)
ヘモグロビン増加、赤血球増加(頻度不明)
(11)代謝
食欲減退(23.7%)
脱水、高脂血症、低リン酸血症、低マグネシウム血症、カリウム減少、高コレステロール血症、高血糖、低ナトリウム血症、カリウム増加(1%以上~10%未満)
カルシウム増加、カルシウム減少、アルブミン減少(1%未満)
(12)皮膚
手足症候群(30.4%)、発疹(18.4%)、そう痒症(10.8%)
皮膚乾燥、皮膚障害、脱毛症、紅斑、過角化、ざ瘡、皮膚炎、皮膚剥脱、水疱、湿疹、寝汗、爪の障害(1%以上~10%未満)
擦過傷、皮膚感染、爪破損、皮膚刺激、毛髪変色、多汗症、爪囲炎、爪色素沈着(1%未満)
(13)筋骨格系
関節痛(10.3%)
四肢痛、筋肉痛、背部痛、CPK 増加、筋力低下、筋痙縮、筋骨格痛(1%以上~10%未満)
筋骨格系胸痛、関節炎、頚部痛、側腹部痛、骨痛、筋固縮(1%未満)
(14)その他
疲労(35.4%)、粘膜の炎症(13.9%)、体重減少(13.5%)、無力症(12.8%)
悪寒、発熱、γ-GTP 増加、疼痛、胸痛、ALP 増加、インフルエンザ様疾患、倦怠感(1%以上~10%未満)
体重増加、全身健康状態低下、カンジタ感染、粘膜乾燥、温度変化不耐症、乳頭痛、転倒、免疫応答低下、冷感、敗血症(1%未満)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 (1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
有効成分:クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、乳糖水和物、ヒプロメロース、酸化チタン、トリアセチン、三二酸化鉄
(2)妊婦又は妊娠している可能性のある女性
使用に注意が必要な方 (1)合併症・既往歴等のある患者
①高血圧症の患者
②甲状腺機能障害のある患者
③血栓塞栓症又はその既往歴のある患者
④脳転移を有する患者
⑤外科的処置後、創傷が治癒していない患者
(2)肝機能障害患者(中等度以上)
(3)生殖能を有する者
(4)妊婦
(5)授乳婦
(6)小児等
(7)高齢者
上記にあてはまる方は、アキシチニブを使用する事が出来ない可能性があります。 アキシチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 (1)CYP3A4/5阻害剤
①アゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール、イトラコナゾール等)
②マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン等)
③HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)
(2)グレープフルーツジュース
(3)CYP3A4/5誘導剤
①デキサメタゾン
②フェニトイン
③カルバマゼピン
④リファンピシン
⑤フェノバルビタール
など
(4)セイヨウオトギリソウ含有食品
上記を使用している方は、アキシチニブを使用する事が出来ない可能性があります。 アキシチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
よくある質問 |
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