成分名 |
カナキヌマブ(遺伝子組換え) |
適応症状 |
カナキヌマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるイラリス皮下注射液150mgの効能・効果は、
1)クリオピリン関連周期性症候群(家族性寒冷自己炎症症候群、マックル・ウェルズ症候群、新生児期発症多臓器系炎症性疾患)、2)高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)、3)TNF受容体関連周期性症候群、4)既存治療で効果不十分な家族性地中海熱及び全身型若年性特発性関節炎
に対して適応症状を持ちます。 |
簡易説明 |
カナキヌマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品であるイラリス皮下注射液150mgはヒト型ヒトIL-1βモノクローナル抗体です。生体内においてカナキヌマブ(遺伝子組換え)がインターロイキン(IL)-1βに結合する事によって、IL-1βが直接受容体に結合する事を阻害する事で、その活性を中和することにより炎症症状を抑制する薬剤になります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科//脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1瓶あたりの目安:150mg約152,000円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
クリオピリン関連周期性症候群、高IgD症候群、TNF受容体関連周期性症候群、家族性地中海熱は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
カナキヌマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるイラリス皮下注射液150mgは、2018年2月9日に製造販売が承認され、2018年8月5月30日に薬価基準に収載されました。その後2018年7月5日に販売が開始されました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
イラリス皮下注射液150mg【製薬メーカー:ノバルティスファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
イラリス皮下注射液150mgに該当するバイアル入り液剤は、米国では2016年12月に、カナダでは2017年1月、EUでは2017年2月に承認されています。なお、バイアル入り液剤、凍結乾燥製剤のいずれも世界50ヵ国以上で承認されています。 |
効果・作用 |
カナキヌマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるイラリス皮下注射液150mgの効能・効果は、
1)クリオピリン関連周期性症候群(家族性寒冷自己炎症症候群、マックル・ウェルズ症候群、新生児期発症多臓器系炎症性疾患)、2)高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)、3)TNF受容体関連周期性症候群、4)既存治療で効果不十分な家族性地中海熱及び全身型若年性特発性関節炎
に対して効果のある医薬品になります。
【作用機序】
1)PAMPS、DAMPs、環境因子、サイトカイン等のDanger signalsがパターン認識レセプター等に認識されることによって、第一のシグナルが入り、非活性型のNLRP3及びPro IL-1βが発現します。
2)第二のシグナルが入ると、NLRP3インフラマソームが活性化され、非活性型のPro Caspase-1から活性型のCaspase-1が切り出されます。Caspase-1は非活性型のPro IL-1を切断し、活性型のIL-1βとなります。
原因遺伝子は疾患により異なりますが、それらの遺伝子変異を通じてインフラマソームは活性化され、IL-1βの分泌を促進し、持続的な炎症を引き起こすと推察されています。
カナキヌマブ(遺伝子組換え)は、ヒトIL-1βに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体です。ヒトIL-1βに結合してIL-1βの受容体への結合を阻害する事によって、その活性を中和し、IL-1βの持続的な過剰産生によるし慢性的な炎症反応や炎症による進行性の組織障害を抑制します。 |
使用方法 |
【クリオピリン関連周期性症候群】
通常、1回投与量として体重40kgを境に、以下の患者には2mg/kgによって投与量を算出し、超える患者については一律1回150mgとし、8週間毎に皮下投与します。
効果不十分の場合は適宜漸増します。
但し、最高用量は、以下の患者8mg/kgを、また超える患者600mgを投与します。
最高用量を投与しても、56日以内に再燃した場合には、投与間隔は4週まで短縮ができます。
【高IgD症候群】
通常、1回投与量として体重40kgを境に、以下の患者には2mg/kgによって投与量を算出し、超える患者については一律1回150mgとし、4週間毎に皮下投与します。
初期既定量投与で効果不十分の場合には、適宜漸増若しくは追加投与を考慮します。
但し、最高用量は、以下の患者6mg/kgを、また超える患者450mgを投与します。
【腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群/家族性地中海熱】
通常、1回投与量として体重40kgを境に、以下の患者には2mg/kgによって投与量を算出し、超える患者については一律1回150mgとし、4週間毎に皮下投与します。
初期既定量投与で効果不十分の場合には、適宜漸増若しくは追加投与を考慮します。
但し、最高用量は、以下の患者4mg/kgを、また超える患者300mgを投与します。
【全身型若年性特発性関節炎】
通常、1回の投与量として、4mg/kgを4週間毎に皮下投与を行います。
なお、1回の最高用量は300mgとなります。 |
副作用 |
重大な副作用
1)重篤な感染症(10.2%)
敗血症や日和見感染症(アスペルギルス症、非定型抗酸菌症、帯状疱疹等)等の重篤な感染症が現れる事があります。
2)好中球減少(頻度不明)
その他の副作用
感染症、神経系、過敏症、皮膚、消化器、肝臓、血液、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)感染症
鼻咽頭炎(5%以上)
胃腸炎、肺炎、副鼻腔炎、上気道感染、咽頭炎(5%未満)
尿路感染、気管支炎、ウイルス感染、扁桃炎、鼻炎、耳感染、外陰部膣カンジダ症、下気道感染、肺感染(頻度不明)
2)神経系
頭痛(5%未満)
回転性眩暈(頻度不明)
3)過敏症
過敏症反応(頻度不明)
4)皮膚
注射部位反応(5%以上)
5)消化器
口内炎(5%未満)
下痢、腹痛(頻度不明)
6)肝臓
AST・ALT上昇(5%未満)
7)血液
白血球数減少(5%未満)
血小板数減少(頻度不明)
8)その他
体重増加(頻度不明)
頻度不明の過敏症反応等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)重篤な感染症の患者
感染症が悪化する恐れがある為使用できません。
2)活動性結核の患者
症状が悪化する恐れがある為使用できません。
3)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■カナキヌマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、イラリス皮下注射液150mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼イラリス皮下注射液150mgの有効成分
カナキヌマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・D-マンニトール、L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、ポリソルベート80
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者
②結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者
結核を活動化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
③再発性感染症の既往歴のある患者
感染症が再発する恐れがある為使用には注意が必要です。
④易感染性の状態にある患者
感染症を誘発する恐れがある為使用には注意が必要です。
⑤B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、且つHBc抗体又はHBs抗体陽性)
2)妊婦
動物実験において胎児への移行が認められている為使用には注意が必要です。
3)授乳婦
動物実験においてマウス抗マウスIL-1β抗体を母動物に授乳期まで投与した際、マウス新生児に同抗体が移行したとの報告がある為使用には注意が必要です。
4)小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児に対する安全性及び有効性を検討することを目的とした臨床試験は実施していない為使用には注意が必要です。
5)高齢者
一般的に生理機能が低下している為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、カナキヌマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 カナキヌマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)抗TNF製剤
共に免疫抑制作用を有する為、重篤な感染症発現のリスクが増大する恐れがある為併用には注意が必要です。また、他の抗インターロイキン-1製剤と抗腫瘍壊死因子製剤との併用により、重篤な感染症の発現頻度の増加が認められている事から、本剤との併用は行わないことが望ましいとされています。
上記を使用している方は、カナキヌマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 カナキヌマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
カナキヌマブ(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【ノバルティスファーマ株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】 |
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