イブルチニブ

成分名

イブルチニブ

適応症状

慢性リンパ性白血病
造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病
小リンパ球性リンパ腫
再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫

簡易説明

イムブルビカは、1日1回経口投与の新しい作用機序を有するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。
BTKは、B細胞の成熟と生存を制御する細胞内シグナル伝達に関与する重要なタンパク質で、本剤は、このBTKを標的にすることで腫瘍細胞の生存シグナルを阻害し、増殖を抑制します。数種類の血液がんであるB細胞性悪性腫瘍の治療薬として用いられます。

処方可能な診療科目

血液内科/内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
新薬カプセル140mg 10409.5円/カプセル(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2016年5月【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

イムブルビカカプセル140mg【製薬メーカー:ヤンセンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

イムブルビカは、1日1回経口投与する新しい作用機序を有するキナーゼ阻害剤です。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)というタンパク質を阻害することによって作用します。BTKは、B細胞が成熟し抗体を作るよう指示する重要なシグナルを伝達して、特定のガン細胞の増殖やガンの進展のために必要とされます。イムブルビカは、BTKを選択して阻害することで、ガン細胞の生存や、ガンの進展を抑制して他の重篤な病態に関連するシグナル伝達に作用します。

イムブルビカは、日本国内において、2016年3月に「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の適応で製造販売承認を取得。同年12月に「再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」。2018年7月に、未治療を含む「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の適応に対する承認を取得。また2021年9月に、成人及び12歳以上の小児を対象として「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」の適応で承認を取得しております。
イムブルビカは、ヤンセン・バイオテック社とファーマサイクリックス社が共同で開発しています。日本国内においては、ヤンセンファーマが製造販売しています。

■慢性リンパ性白血病とは
白血病は「血液のがん」です。
血液細胞には、白血球(好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球、リンパ球(B細胞やT細胞)等がありますが、これら血液細胞の異常化(腫瘍化=がん化)によって引き起こされる病気が白血病です。
慢性リンパ性白血病は、リンパ球のうち「成熟した小型のB細胞」が腫瘍化する疾患です。
腫瘍化したB細胞が末梢血や骨髄に存在している時には「慢性リンパ性白血病」と呼ばれ、リンパ節にあるときは「小リンパ球性リンパ腫」と呼ばれます。

使用方法

<慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)>
通常、成人にはイブルチニブとして420mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
<再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫>
通常、成人にはイブルチニブとして560mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
<造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)>
通常、成人及び12歳以上の小児にはイブルチニブとして420mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

副作用

主な副作用
頭痛/上気道感染/発熱/下痢/悪心/口内炎/嘔吐/発疹/挫傷/点状出血/関節痛

重大な副作用
肺炎/重篤な感染症/貧血/好中球減少症/血小板減少症/重篤な骨髄抑制/脳出血/消化管出血/重篤な出血/敗血症/心房細動/心房粗動/腫瘍崩壊症候群/アナフィラキシー/重篤な過敏症/間質性肺疾患/白血球症/頭蓋内出血/嗜眠/不安定歩行/B型肝炎ウイルス再活性化/結核再活性化/帯状疱疹再活性化/進行性多巣性白質脳症/PML/意識障害/認知障害/麻痺症状/片麻痺/四肢麻痺/言語障害/心室性不整脈/重篤な不整脈/皮膚粘膜眼症候群/Stevens-Johnson症候群/肝不全/肝機能障害/ALT上昇/AST上昇/ビリルビン上昇
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

■イブルチニブの注意すべき副作用
頭痛/肺炎/重篤な感染症/貧血/好中球減少症/血小板減少症/重篤な骨髄抑制/上気道感染/発熱/下痢

その他の副作用
筋痙縮/筋骨格痛/疲労/高尿酸血症/皮膚感染/尿路感染/副鼻腔炎/扁平上皮癌/基底細胞癌/白血球増加症/リンパ球増加症/発熱性好中球減少症/食欲減退/低カリウム血症/脱水/低ナトリウム血症/浮動性めまい/末梢性ニューロパチー/霧視/眼乾燥/流涙増加/視力低下/結膜炎/高血圧/鼻出血/咳嗽/呼吸困難/便秘/消化不良/腹痛/胃食道逆流性疾患/皮膚そう痒症/爪破損/紅斑/蕁麻疹/血管浮腫/末梢性浮腫/無力症/硬膜下血腫/転倒/前立腺癌/悪性黒色腫/リンパ腫/骨髄異形成症候群/脂肪織炎/急性熱性好中球性皮膚症/Sweet症候群/関節障害

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症
・イトラコナゾール投与中
・クラリスロマイシン投与中
・ケトコナゾール投与中
・中等度以上の肝機能障害
・妊婦・産婦

■イブルチニブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方イブルチニブ(イムブルビカカプセル140mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼イムブルビカカプセル140mgの有効成分
(1カプセル中)イブルチニブ140mg
▼代表薬の添加物
(内容物)結晶セルロース/クロスカルメロースナトリウム/ラウリル硫酸ナトリウム/ステアリン酸マグネシウム
(カプセル本体)酸化チタン/ゼラチン

使用に注意が必要な方
・感染症
・手術
・不整脈
・重篤な骨髄機能低下
・重度腎機能障害
・軽度肝機能障害
・侵襲的手技
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・高齢者

【投与に際する指示】
・手術
・軽度肝機能障害
・侵襲的手技
上記にあてはまる方は、イブルチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
イブルチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

上記にあてはまる方は、イブルチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
イブルチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
CYP3A阻害作用を有する薬剤
CYP3A阻害作用を有する薬剤:
リトナビル含有製剤
コビシスタット含有製剤:
・アタザナビル
・ダルナビル
・ホスアンプレナビル
CYP3A阻害作用を有する薬剤:
・ボリコナゾール
・ポサコナゾール
・フルコナゾール
CYP3A阻害作用を有する薬剤:
・エリスロマイシン
・シプロフロキサシン
CYP3A阻害作用を有する薬剤:
・ジルチアゼム
・ベラパミル
・アミオダロン
CYP3A阻害作用を有する薬剤:
・アプレピタント
グレープフルーツ含有食品
CYP3A誘導作用を有する薬剤:
・カルバマゼピン
・リファンピシン
・フェニトイン
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort/セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
抗凝固剤
抗血小板剤

上記を使用している方は、イブルチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
イブルチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)
・イトラコナゾール:
・イトリゾール
・クラリスロマイシン:
・クラリス、クラリシッド

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
グレープフルーツを併用できないとありますが、みかんやオレンジは大丈夫ですか?

結論からいうと大丈夫です。グレープフルーツを食べてはいけない理由は、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分が、薬の効き目に影響があると考えられています。
同じ柑橘類の、はっさく、ぶんたん(ザボン)、スウィーティーなども同じような作用があるので注意が必要です。
しかし、みかん、オレンジには、このような相互作用は認められていませんので安全とされています。

このお薬の副作用は強いですか?

未治療の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の患者を対象とした臨床試験では、イブルチニブを使った人のうち80%以上の人に何らかの副作用が現れたと報告があります。主な副作用は下痢、吐き気、好中球減少症、発疹などです。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。