オファツムマブ(遺伝子組換え)

成分名

オファツムマブ(遺伝子組換え)

適応症状

以下のケースにおける再発予防および身体的障害の進行抑制
・再発寛解型多発性硬化症
・疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症

<適応症状における注意>
・添付文書を熟知し、臨床試験に組み込まれたケースにおける再発またはMRI画像所見に基づく疾患活動性も参考にして、投与する患者さんの選定を行ってください。

簡易説明

オファツムマブ(遺伝子組換え)は再発寛解型多発性硬化症などの再発予防および身体的障害の進行抑制目的で用いられます。オファツムマブ(遺伝子組換え)は、多発性硬化症を引き起こしているB細胞の表面に存在するCD20に結合しB細胞を破壊して血液中から除去します。それにより異常なB細胞が身体から除去されて免疫系の異常が正常化されます。

処方可能な診療科目

神経内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1キットあたりの目安:20mg約230,860円
薬代後発薬1キットの目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2021年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ケシンプタ皮下注20mgペン【製薬メーカー:ノバルティス】※販売停止
アーゼラ点滴静注液【製薬メーカー:ノバルティス】※販売停止

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

オファツムマブ(遺伝子組換え)は再発寛解型多発性硬化症などの再発予防および身体的障害の進行抑制目的で用いられます。
多発性硬化症は、症状が出る(再発状態)と症状が治まる(寛解状態)を繰り返すことが多いと言われています。そのため、多発性硬化症を治療せずに放置すると再発と寛解をどんどん繰り返し、身体の機能障害がゆっくりと進行してしまいます。したがってオファツムマブ(遺伝子組換え)をはじめとする多発性硬化症治療薬を用いて治療継続していくことが重要です(再発を防ぐことにより障害進行を抑えることが期待されています)。
多発性硬化症は、中枢神経の軸索をおおっているミエリンと呼ばれる部位が損傷されています。また多発性硬化症の発症、再発、進行には、白血球のひとつであるB細胞やT細胞などのリンパ球が関与しています。通常リンパ球は自分自身の体を守る免疫細胞として機能しますが、多発性硬化症ではとくにB細胞が免疫系に異常を起こしてミエリンを損傷させると考えられています。そこでオファツムマブ(遺伝子組換え)は、多発性硬化症を引き起こしている原因のB細胞の表面に存在するCD20という部位に結合し、B細胞を破壊して血液中から除去します。その結果、異常なB細胞が身体から除去されて免疫系の異常が正常化し、ミエリンの損傷が抑えられることで多発性硬化症に対して効果が発揮されます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:オファツムマブ(遺伝子組換え)として1回20mgを初回、1週間後、2週間後、4週間後に皮下注射します。それ以降は4週間隔で引き続き皮下注射を継続してください。

<使用上の注意>
投与を予定していた日にオファツムマブ(遺伝子組換え)を投与できなかったケースにおいては、可能な限り速やかに投与することを心がけ、それ以降は添付文書上の「用法及び用量」に規定されている投与間隔に従って投与を継続してください。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・進行性多巣性白質脳症(PML)
※オファツムマブ(遺伝子組換え)を投与中および投与終了後は状態を十分にモニタリングしてください。認知機能の障害、構音障害、マヒ症状、片マヒ、四肢マヒ、意識障害、失語などの症状が引き起こされたケースでは、脳脊髄液検査やMRIによる画像診断などを実施するとともに、オファツムマブ(遺伝子組換え)の投与を中止して適切な処置を行ってください。
※多発性硬化症を対象としたオファツムマブ(遺伝子組換え)の臨床試験において進行性多巣性白質脳症(PML)が確認されたデータはありませんが、慢性リンパ性白血病の方に対してオファツムマブ製剤をふくむその他の多発性硬化症治療薬およびその他の抗CD20抗体製剤を投与したケースにおいてJCウイルス感染が原因の進行性多巣性白質脳症(PML)が報告されています。
・注射に伴う全身反応
※筋肉の痛み、発熱、頭痛、寒気、だるさなど、注射に伴った全身性の副作用が引き起こされる可能性があります。
・感染症
※上気道感染、上咽頭炎、インフルエンザなどをはじめとする上気道感染の感染症が引き起こされる可能性があります。

その他の副作用
次の副作用が引き起こされる可能性があります。
・臨床検査異常:血液中のIgM減少
・一般、全身障害および投与部位:注射部位における反応(かゆみ、痛み、紅斑、腫れ)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・オファツムマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ケシンプタ皮下注はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ケシンプタ皮下注の有効成分
オファツムマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
酢酸ナトリウム水和物、L-アルギニン、ポリソルベート80、pH調節剤、エデト酸ナトリウム水和物、等張化剤

使用に注意が必要な方
・活動性B型肝炎を患っている方、B型肝炎ウイルスキャリアの方、B型肝炎ウイルスに感染歴のある方(HBs抗原陰性かつHBc抗体またはHBs抗体陽性)
※活動性B型肝炎を患っている方では、まず肝炎の治療を最優先してください。
※オファツムマブ(遺伝子組換え)を投与している間および投与終了後は、肝臓機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを継続的に行い、B型肝炎ウイルス再活性化の兆しや症状の発症に十分注意してください。
※B型肝炎ウイルスキャリアの方、B型肝炎ウイルスに感染歴のある方(HBs抗原陰性かつHBc抗体またはHBs抗体陽性)では、B型肝炎ウイルスの再活性化によって肝炎が引き起こされる可能性があります。
・感染症を併発している方
※感染症を併発しているケースでは、感染症治療を最優先してください。オファツムマブ(遺伝子組換え)を使用することで感染症の増悪が引き起こされる可能性があります。
・生殖能を持っている方
※妊娠可能な女性は、オファツムマブ(遺伝子組換え)使用中およびオファツムマブ(遺伝子組換え)最終使用後6ヶ月間は適切な避妊を行ってください
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※妊娠中にオファツムマブ(遺伝子組換え)使用した方の小児においては、B細胞数の回復が確認されるまでは、弱毒生ワクチンや生ワクチンの投与をしないでください。B細胞が枯渇してしまうと、生ワクチン又や弱毒生ワクチンの投与によって感染症が発現する可能性があります。不活化ワクチンについてはB細胞枯渇から回復する前に投与することはできますが、免疫応答が十分得られているか評価したうえで使用してください。
※動物実験(サル):オファツムマブが胎盤を通過することによって、脾臓重量が減少したり、胎児や乳児において末梢血B細胞数が枯渇したり、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に対する液性免疫応答が低下したりすることが確認されています。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※オファツムマブ(遺伝子組換え)が母乳中へ移行することは確認されていませんが、ヒトIgGは母乳中に移行します。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、オファツムマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
オファツムマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・免疫抑制剤又は免疫調節剤(フマル酸ジメチル、フィンゴリモド、ナタリズマブなど)
・不活化ワクチン
・弱毒生ワクチン
・生ワクチン

上記を使用している方は、オファツムマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
オファツムマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

オファツムマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
オファツムマブ(遺伝子組換え)の投与開始前に不活化ワクチンを接種するときはどのくらいの期間を開けて使用すればよいですか?

不活化ワクチンは、オファツムマブ(遺伝子組換え)使用開始の2週間前までには最低限接種するようにしてください。ケシンプタ皮下注 【ケシンプタ皮下注 添付文書】

オファツムマブ(遺伝子組換え)の家庭での保管方法について教えてください。

患者さんが家庭で保存するケースでは、外箱に入れたまま冷蔵庫内で保管してください。30度以下の室温で保存する場合は、7日間のみ保存可能ですが、この期間内に使用しなかったケースでは冷蔵庫に戻した後で7日以内に使用してください。ケシンプタ皮下注 【ケシンプタ皮下注 添付文書】

参考元一覧

ケシンプタ皮下注 【ケシンプタ皮下注 添付文書】
医薬品マスター検索 【診療報酬情報提供サービス】

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