イピリムマブ(遺伝子組換え)

成分名

イピリムマブ(遺伝子組換え)

適応症状

イピリムマブ(伝子組換え)を主成分に持つ医療用の医薬品にはヤーボイ点滴静注液(20,g/50mg)があります。この医薬品について効能・効果は
1)根治切除不能な悪性黒色腫
2)根治切除不能又は転移性の腎細胞がん
3)がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん
4)切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
5)切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
6)根治切除不能な進行・再発の食道がん
に対して適応症状を持ちます。

簡易説明

イピリムマブ(伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品であるヤーボイ点滴静注液(20,g/50mg)はヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原-4に選択的な免疫グロブリンIgGー1(κ軽鎖)のヒト型モノクローナル抗体であり、抗悪性腫瘍剤になります。CTLA-4とそのリガンドとの結合を阻害することによって、結果として腫瘍増殖を抑制します。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/呼吸器内科外科/泌尿器科/消化器内科外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1瓶あたりの目安:20mg約170,600円/50mg約419,600円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

イピリムマブ(伝子組換え)を主成分に持つ医療用の医薬品にはヤーボイ点滴静注液(20,g/50mg)があります。20mgについて、2021年8月16日に製造販売が承認され、2021年11月25日に薬価基準に収載、その後2021年11月29日に発売が開始となりました。また、50mgについて、2015年7月3日に製造販売が承認され、2015年8月31日に薬価基準に収載、その後2015年8月31日に発売が開始となりました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ヤーボイ点滴静注液20mg/50mg【製薬メーカー:ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

2011年3月25日に米国で最初に承認され、その後、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、オースト
ラリア、メキシコ、ブラジル、トルコ、南アフリカ、韓国、台湾等、60以上の国と地域で承認されています。

米国ではBristol-Myers Squibb Company(会社名)が、YERVOY(販売名)を2011年3月25日に発売しています。また、欧州ではBristol-Myers Squibb Pharma EEIG(会社名)が、YERVOY 5mg/mL concentrate for solution for infusion(販売名)を2011年7月13日に発売しています。

効果・作用

イピリムマブ(伝子組換え)を主成分に持つ医療用の医薬品にはヤーボイ点滴静注液(20,g/50mg)があります。この医薬品について効能・効果は
1)根治切除不能な悪性黒色腫
2)根治切除不能又は転移性の腎細胞がん
3)がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん
4)切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
5)切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
6)根治切除不能な進行・再発の食道がんに対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
イピリムマブ(伝子組換え)を主成分とする医療用の医薬品であるヤーボイ点滴静注液(20,g/50mg)は細胞傷害性Tリンパ球抗原ー4(CTLA-4)に対する抗体になります。CTLA-4とそのリガンドである抗原提示細胞上のB7.1(CD80)及びB7.2(CD86)分子との結合を競合的に阻害する事によって、T細胞の活性化状態を維持する事で抑制的調節を遮断し、腫瘍抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び細胞傷害活性の増強により腫瘍増殖を抑制します。また、ヤーボイ点滴静注液20mg/50mgは、制御性T細胞(Treg)の機能及び腫瘍組織におけるTreg数の減少により腫瘍免疫反応を亢進させ、抗腫瘍効果を示すと考えられています。

使用方法

【根治切除不能な悪性黒色腫】
通常、成人に使用する場合においては、イピリムマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kgを3週間間隔で4回点滴静注します。なお、他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合には、ニボルマブ(遺伝子組換え)を用いて併用療法を行います。

【根治切除不能又は転移性の腎細胞がん、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん】
ニボルマブ(遺伝子組換え)を用いて併用療法を行います。通常、成人に使用する場合においては、イピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kgを3週間間隔で4回点滴静注します。

【切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌】
他の抗悪性腫瘍剤を用いて併用療法を行います。通常、成人に使用する場合においては、イピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kgを6週間間隔で点滴静注します。

【根治切除不能な進行・再発の食道がん、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫】
ニボルマブ(遺伝子組換え)を用いて併用療法を行います。通常、成人に使用する場合においては、イピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kgを6週間間隔で点滴静注します。

副作用

重大な副作用
1)大腸炎(6.6%)、消化管穿孔(1.3%)
死亡に至った例も報告されています。
2)重度の下痢(4.0%)
3)肝不全、肝機能障害
肝不全(0.7%)、ALT上昇(3.3%)、AST上昇(2.6%)、等を伴う肝機能障害が現れる事があり、死亡に至った例も報告されています。
4)重度の皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(0.3%)、薬剤性過敏症症候群(頻度不明)等の重度の皮膚障害が現れる事があります。
5)下垂体炎(1.3%)、下垂体機能低下症(2.0%)、甲状腺機能低下症(1.3%)、副腎機能不全(1.3%)
6)末梢神経障害
ギラン・バレー症候群(0.3%)等の末梢神経障害が現れる事があり、死亡に至った例も報告されています。
7)腎障害
腎不全(1.3%)等の腎障害が現れる事があります。
8)間質性肺疾患
急性呼吸窮迫症候群(0.3%)、肺臓炎(0.3%)、間質性肺疾患(頻度不明)等が現れる事があり、死亡に至った例も報告されています。
9)筋炎(頻度不明)
10)心筋炎(頻度不明)
11)Infusion reaction(0.7%)
12)ブドウ膜炎(1.3%)

その他の副作用
皮膚、消化器、内分泌、肝臓、腎臓、呼吸器、筋骨格系、全身・投与部位、代謝、眼、神経系、精神、心・血管系、血液、感染症、生殖器の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)5%以上
掻痒症(21.9%)、発疹、嘔吐、腹痛、悪心、疲労(21.2%)、発熱、食欲減退
2)5%未満
掻痒性皮疹、斑状丘疹状皮疹、全身性皮疹、紅斑、尋常性白斑、全身性掻痒症、寝汗、脱毛症、下腹部痛、腹部不快感、便秘、放屁、甲状腺機能亢進症、血中ビリルビン上昇、ALP上昇、呼吸困難、咳嗽、筋肉痛、関節痛、頚部痛、背部痛、悪寒、倦怠感、無力症、浮腫、インフルエンザ様疾患、体重減少、局所腫脹、注射部位反応、注射部位疼痛、脱水、霧視、味覚異常、頭痛、低血圧、潮紅。ほてり、貧血、感染
3)頻度不明
湿疹、皮膚炎、皮膚剥脱、蕁麻疹、白血球破砕性血管炎、皮膚乾燥、毛髪変色、胃食道逆流性疾患、胃腸出血、食道炎、胃腸炎、腹膜炎、膵炎、憩室炎、胃潰瘍、腸炎、大腸潰瘍、リパーゼ上昇、イレウス、口内炎、血中アミラーゼ上昇、血中甲状腺刺激ホルモン上昇、性腺機能低下、血中コルチゾール減少、血中テストステロン減少、血中コルチコトロピン減少、血中プロラクチン異常、肝炎、黄疸、肝腫大、γーGTP上昇、腎尿細管性アシドーシス、糸球体腎炎、血中クレアチニン上昇、肺浸潤、呼吸不全、アレルギー性鼻炎、肺水腫、筋骨格痛、関節炎、リウマチ性多発筋痛、筋痙縮、疼痛、粘膜の炎症、全身性炎症反応症候群、多臓器不全、低カリウム血症、腫瘍崩壊症候群、低ナトリウム血症、アルカローシス、低リン酸血症、硝子体出血、眼痛、結膜炎、視力低下、眼の異物感、小柳、フォークト、原田病、末梢性感覚ニューロパチー、末梢性ニューロパチー、嗜眠、浮動性眩暈、失神、脳浮腫、構語障害、運動失調、脳神経障害、振戦、重症筋無力症様症状、ミオクローヌス、髄膜炎、精神状態変化、錯乱状態、うつ病、リビドー減退、血管障害、血管炎、起立性低血圧、末梢性虚血、心房細動、不整脈、リンパ球減少症、溶血性貧血、血小板減少症、好中球減少症、好酸球増加症、気道感染、尿路感染、無月経

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者
■イピリムマブ(伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ヤーボイ点滴静注液20mg/50mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ヤーボイ点滴静注液20mg/50mgの有効成分
イピリムマブ(伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・トロメタモール塩酸塩、塩化ナトリウム、D-マンニトール、ジエチレントリアミン五酢酸、ポリソルベート80、pH調節剤

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者
自己免疫疾患が増悪する恐れがある為使用には注意が必要です。
②臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者
移植臓器に対する拒絶反応が発現する恐れがある為使用には注意が必要です。
2)肝機能障害患者
①重度の肝機能障害のある患者
3)生殖能を有する者
4)妊婦
催奇形性、流産等が生じる可能性がある為使用には注意が必要です。
5)授乳婦
動物実験において、乳汁中への移行が認められている為使用には注意が必要です。
6)小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
7)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、イピリムマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
イピリムマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

イピリムマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
イピリムマブ(伝子組換え)を投与した場合どのくらい効果が持続しますか?

単回投与において投与後1.75時間で最高血中濃度に到達、その後17.3日の消失半減期で緩やかに血中より消失していきます。
インタビューホーム 【ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社】

イピリムマブ(伝子組換え)を併用療法似て治療を行う場合の併用薬には何が選択されますか?

主にパクリタキセル、カルボプラチン、ダカルバジンを用いて治療を行います。またこれら医薬品における影響はほとんど受けない事が臨床試験の結果より示されています。
インタビューホーム 【ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
適正使用ガイド 【ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。