成分名 |
セレギリン塩酸塩 |
適応症状 |
パーキンソン病 |
簡易説明 |
パーキンソン病は、ドーパミンの量が減っているために情報をうまく伝達することができず、運動障害などの症状を呈します。
本剤はドーパミンを分解するMAOB(モノアミン酸化酵素B)という酵素を阻害し、ドーパミンの量を正常な位置まで補って、パーキンソン症状である手のふるえやこわばり、体の動きが遅くなる等を改善する働きのある薬です。 |
処方可能な診療科目 |
内科/精神科/脳神経外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適用 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診療代の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:エフピーOD錠2.5/283.7円(エフピー)
セレギリン塩酸塩錠2.5mg「アメル」/149.6円(共和薬品工業)
セレギリン塩酸塩錠2.5mg「タイヨー」/149.6円(武田テバファーマ)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2007年7月発売 |
国内のジェネリック認可 |
セレギリン塩酸塩錠2.5mg「アメル」(共和薬品工業)
セレギリン塩酸塩錠2.5mg「タイヨー」(武田テバファーマ) |
関連製品(先発薬) |
エフピーOD錠2.5(エフピー) |
関連製品(ジェネリック) |
セレギリン塩酸塩錠2.5mg「アメル」(共和薬品工業)
セレギリン塩酸塩錠2.5mg「タイヨー」(武田テバファーマ) |
海外での使用実績 | ハンガリーの製薬企業であるChinoin(1993年以降はサノフィの一部)のZoltan Ecseriによって、セレギリンは発見され、1965年に英語で科学文献に最初に発表されました。ウィーンに拠点を置く2人のパーキンソン病研究者は、セレギリンがパーキンソン病に有用である可能性があることを認識しました。研究者の同僚がブダペストのノールを訪れ、セレギリンをウィーンに持ち帰りました。1975年、研究者のグループはパーキンソン病におけるセレギリンの効果に関する最初の論文を発表しています。ニュージャージー州の製薬会社が米国でセレギリンを開発する権利を取得しており、1987年、FDAに新薬申請を提出、米国でパーキンソン病薬販売申請をしました。セレギリンは、1989年にFDAによってパーキンソン病の承認を受け、販売に至っています。
海外では大うつ病性障害の治療として経皮パッチも使用されています。 |
効果・作用 |
セレギリンはパーキンソン病の症状を治療するために使用されます。
レボドパ(L-DOPA)などの薬物の補助剤として最もよく使用されています。
パーキンソン病治療の主体として、ドーパミン製剤であるレボドパという薬が使われます。
ただしレボドパを長期的に使用していると、少しずつ効果がなくなったり、薬を飲んでいるのにパーキンソン症状があらわれてしまうことがあります。
この現象をウェアリング-オフ現象といいます。
またパーキンソン症状として筋肉が固くなる筋固縮や、体全体の動きが遅くなってしまう無動などがあります。
セレギリンをレボドパに追加する目的は、上記の症状を改善させるとともに必要なレボドパの用量を減らし、レボドパ療法における運動合併症を減らすことです。
また、セレギリンはレボドパ治療が必要となる時期を、診断後約11か月から約18か月まで遅らせる効果があるとされています。
ドーパミンを分解してしまうモノアミンオキシダーゼを阻害する阻害剤として作用し、脳内のモノアミン神経伝達物質のレベルを増加させます。
セレギリンは選択的にモノアミンオキシダーゼB (MAO-B)を阻害し、脳内のドーパミンのレベルを増加させる働きがあります。
より高用量では脳内のセロトニン、ノルエピネフリン、およびドーパミンのレベルを増加させることがわかっています。
以上の働きを持つことから、セレギリン塩酸塩は脳内の神経伝達物質であるドーパミンの分解を防いでドーパミン量を正常なレベルに近づけることによって、パーキンソン病の症状である手のふるえや筋肉のこわばり、動作が遅くなるなどを抑える薬です。 |
使用方法 |
レボドパ含有製剤を併用する場合:セレギリン塩酸塩として1日1回2.5mgを朝食後服用から始め、2週ごとに1日量として2.5mgずつ増量し、最適投与量を定めて、維持量とする(標準維持量1日7.5mg)。1日量がセレギリン塩酸塩として5.0mg以上の場合は朝食及び昼食後に分割経口投与します。但し、7.5mgの場合は朝食後5.0mg及び昼食後2.5mgを服用します。
レボドパ含有製剤を併用しない場合:セレギリン塩酸塩として1日1回2.5mgを朝食後服用から始め、2週ごとに1日量として2.5mgずつ増量し、1日10mgとします。1日量がセレギリン塩酸塩として5.0mg以上の場合は朝食及び昼食後に分服します。但し、7.5mgの場合は朝食後5.0mg及び昼食後2.5mgを服用します。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減しますがいずれの方法でも1日10mgを超えないこととされています。 |
副作用 |
重大な副作用
幻覚・妄想・錯乱・せん妄・狭心症・悪性症候群・低血糖・胃潰瘍がみられることがあります。
その他の副作用
不随意運動・興奮・精神症状・ジストニア(筋緊張異常)・構音障害・歩行異常・不安・眩暈・ふらつき・頭痛・頭重感・不眠・眠気・体のこわばり・しびれ・多夢・うつ症状・意識レベル低下・緊張低下・徘徊癖・アカシジア・記憶障害・躁病・ねごと・運動低下・悪夢・悪心・嘔吐・食欲不振・口渇・胃痛・腹痛・便秘・下痢・消化不良・麻痺性イレウス・胃腸障害・イレウス・起立性低血圧・動悸・低血圧・高血圧・不整脈・心電図異常・血圧変動・うっ血性心不全・肝機能障害・過敏症・排尿困難・白血球減少・多形紅斑・紅斑・視野狭窄・浮腫・胸痛(胸部不快感)・倦怠感・ほてり・のぼせ・味覚異常・多汗・気分不良・疲労感・血清CK上昇(血清CPK上昇)・筋骨格硬直・腰痛・発熱・悪寒・体重減少・味覚低下・舌違和感・意欲低下・筋攣縮・頚部痛・四肢痛・無力症・状態悪化などがみられることがあります。
副作用の状態によっては投薬を中止するレベルのものもあります。程度に関わらず、気になる症状がみられた場合は速やかに受診してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■セレギリン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、セレギリン塩酸塩錠2.5mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼セレギリン塩酸塩錠2.5mgの有効成分
セレギリン塩酸2.5mg
▼セレギリン塩酸塩錠2.5mgの添加物
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、D-マンニトール、酸化チタン、タルク、セタノール、ラウリル硫酸ナトリウム、乳糖水和物、黄色三二酸化鉄、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム、その他7成分を含有
・過敏症の既往歴のある方
・ペチジン塩酸塩投与中、トラマドール塩酸塩またはタペンタドール塩酸塩を投与中の方
・非選択的モノアミン酸化酵素阻害剤投与中の方
・統合失調症またはその既往歴のある方
・覚せい剤依存、コカイン依存等の中枢神経薬依存またはその既往歴のある方
・三環系抗うつ剤投与中またはその薬を投与中止してから14日経過していない方
・選択的セロトニン再取り込み阻害剤投与中、セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤投与中、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤投与中、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤投与中、又はノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤投与中の方
使用に注意が必要な方 ・重篤な肝障害のある方
・重篤な腎障害のある方
・高用量のレボドパを投与中の方
・高齢者
・心、脳循環器系障害のある方
・狭心症のある方
上記にあてはまる方は、セレギリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 セレギリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・肝臓のチトクロームP-450・2D6及び3A4の阻害作用を有する製剤(シメチジン、キニジン硫酸塩、プロパフェノン塩酸塩、ハロペリドール、エリスロマイシン、ジョサマイシン、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、クロトリマゾール、エチニルエストラジオール、ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)
・レセルピン誘導体(レセルピン等)
・フェノチアジン系薬剤(プロクロルペラジン、クロルプロマジン、ペラジン等)、ブチロフェノン系薬剤(ブロムペリドール等)、スルピリド、メトクロプラミド)
・トラゾドン塩酸塩
・交感神経興奮剤(エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩含有医薬品、フェニルプロパノールアミン塩酸塩含有医薬品)
上記を使用している方は、セレギリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 セレギリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・ペチジン塩酸塩(オピスタン等)
・トラマドール塩酸塩(トラマール等)
・タペンタドール塩酸塩(タペンタ)
・非選択的モノアミン酸化酵素阻害剤(サフラジン塩酸塩)
・三環系抗うつ剤(アミトリプチリン塩酸塩等〈サフラジン塩酸塩〉)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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