オシメルチニブメシル酸塩

成分名

オシメルチニブメシル酸塩

適応症状

EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺がん

簡易説明

オシメルチニブメシル酸塩を主成分とする薬は、「EGFR変異陽性の非小細胞肺がん」の一次治療によく使われます。

肺がんは人によって病状や症状が異なるため、個人に合った治療が必要となります。
そのため、たくさんのカテゴリで分類され、細分化していくことで詳しい病態を把握することになります。

冒頭、EGFR変異陽性の非小細胞肺がんもそうして細分化された中の一つで、オシメルチニブメシル酸塩はその型の治療(がん細胞の増殖阻害)に効果を発揮します。

処方可能な診療科目

呼吸器内科/呼吸器外科/放射線腫瘍科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

【薬価】
・タグリッソ錠40mg(アストラゼネカ):10806.6円/40mg 1錠
・タグリッソ錠80mg(アストラゼネカ):20719.4円/80mg 1錠

厚生労働省による認可、または発売年月日

2016年5月(発売)

国内のジェネリック認可

国内ジェネリックなし

関連製品(先発薬)

・タグリッソ錠40mg(製薬会社:アストラゼネカ)
・タグリッソ錠80mg(製薬会社:アストラゼネカ)

関連製品(ジェネリック)

タグリックス(製薬会社:Beacon Pharma)

効果・作用

オシメルチニブメシル酸塩には、「EGFR変異陽性の非小細胞肺がん」においてがん細胞の増殖を阻害する作用があります。

一口に肺がんと言っても、その病態には数多くの種類があり、たくさんの項目によって細分化されています。
その中でまずは、組織型によって「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」「小細胞がん」の4つに大きく分けられます。
このうち小細胞がんを除く3種類は、総括して「非小細胞がん」と呼ばれています。

次にがん細胞の表面には、「EGFR」というタンパク質が多く存在します。これは、がん細胞を増殖させる信号(シグナル)のスイッチのようなものです。

具体的にはこのスイッチは「EGFRチロシンキナーゼ」という酵素で、通常活性化はしていませんが、何かしらの要因でEGFRを構成する遺伝子の一部に変異が生じると、同酵素が活性化し、がん細胞を増殖させるスイッチが常にオンの状態になります。

本来増殖速度の遅い非小細胞がんですが、そうしてスイッチオンの状態になると、がん細胞が限りなく増殖し続けるようになります。

オシメルチニブメシル酸塩は、EGFRチロシンキナーゼのはたらきを選択的に阻害し、がん細胞の増殖を抑えることによって抗腫瘍効果を示すのです。

使用方法

通常、成人はオシメルチニブとして80mgを1日1回内服しますが、症状の度合や状態によって適宜減量します。

副作用

主な副作用
発疹 / ざ瘡 / 皮膚乾燥 / 湿疹 / 爪障害 / 爪囲炎 / 皮膚そう痒症 / 脱毛 / 手掌・足底発赤知覚不全症候群 / 皮膚剥脱 / じん麻疹

重大な副作用
QT間隔延長 / 血小板減少 / 好中球減少 / 白血球減少 / 貧血 / 肝機能障害 / ALT上昇 / AST上昇 / ビリルビン上昇 / 間質性肺疾患 / 間質性肺炎 / 肺臓炎 / 中毒性表皮壊死融解症 / Toxic Epidermal Necrolysis / TEN / 皮膚粘膜眼症候群 / Stevens−Johnson症候群 / 多形紅斑 / うっ血性心不全 / 左室駆出率低下

その他の副作用
下痢 / 口内炎 / 嘔吐 / 食欲減退 / 便秘 / 口内乾燥 / 腹痛 / 消化不良 / 頭痛 / リンパ球減少症 / 味覚異常 / 眼乾燥 / 結膜炎 / 霧視 / 疲労 / 鼻乾燥 / 鼻出血 / 駆出率減少 / クレアチニン増加 / 無力症 / 末梢性浮腫 / 倦怠感 / 筋痙縮 / 筋肉痛 / 四肢痛 / 体重減少 / ALP増加 / 皮膚潰瘍 / 多毛症 / 爪痛 / 皮膚疼痛 / 皮膚変色 / 皮膚感染 / 皮脂欠乏性湿疹 / 皮膚過角化 / 光線過敏性反応 / 毛細血管拡張症 / 蜂巣炎 / 口唇炎 / 舌痛 / 腹部膨満 / 腹部不快感 / 胃食道逆流性疾患 / 嚥下障害 / 口腔咽頭痛 / 鼓腸 / 末梢性ニューロパチー / 末梢性感覚ニューロパチー / 脳梗塞 / めまい / 回転性めまい / 異常感覚 / 眼瞼炎 / 角膜炎 / 白内障 / 流涙増加 / 眼刺激 / 羞明 / 視力低下 / 視力障害 / 眼そう痒症 / 呼吸困難 / 気管支炎 / 肺感染 / ウイルス性上気道感染 / 肺塞栓症 / インフルエンザ / 鼻漏 / 鼻炎症 / 咽頭炎 / 気胸 / 咳嗽 / 湿性咳嗽 / 発声障害 / 非心臓性胸痛 / 頻尿 / 尿路感染 / 腎機能障害 / 発熱 / 背部痛 / 関節痛 / 筋骨格硬直 / 高カリウム血症 / 低カリウム血症 / 深部静脈血栓症 / 高血圧 / 低アルブミン血症 / 低カルシウム血症 / 低ナトリウム血症 / 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 / 毛髪障害 / 毛質異常 / 皮膚反応 / 皮膚嚢腫 / 黄色板腫 / 皮膚斑 / 裂傷 / 皮膚擦過傷 / メラノサイト性母斑 / 皮膚血管炎 / 口唇びらん / 口腔知覚不全 / 心窩部不快感 / 食道痛 / 胃腸炎 / 呼気臭 / 便意切迫 / 肛門周囲痛 / 痔出血 / 活性化部分トロンボプラスチン時間延長 / 内出血発生増加傾向 / 播種性血管内凝固 / 血球減少症 / 脾臓梗塞 / 感覚鈍麻 / 振戦 / 体位性めまい / 記憶障害 / 構語障害 / 知覚過敏 / 黄斑浮腫 / 網膜出血 / 眼感染 / 夜盲 / 眼精疲労 / 眼異物感 / 鼻炎 / 細菌性肺炎 / 鼻粘膜障害 / 咽頭出血 / 咽頭潰瘍 / 咽喉乾燥 / 喉頭痛 / 気縦隔症 / 胸膜炎 / 労作性呼吸困難 / しゃっくり / 動悸 / 房室ブロック / 膀胱炎 / 排尿困難 / 血尿 / 腎結石症 / 悪寒 / 四肢膿瘍 / 顔面浮腫 / ほてり / 筋骨格痛 / 頚部痛 / 足変形 / 骨盤痛 / 耳感染 / 外耳炎 / 乳頭炎 / 脱水 / 高血糖 / 低リン酸血症 / 高コレステロール血症 / うつ病 / 錯乱状態 / 幻覚 / 易刺激性 / 静脈炎 / 外陰腟痛 / 高リパーゼ血症 / アミラーゼ増加 / 血中コレステロール増加

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本成分に対し、過敏症の既往歴がある方

■妊婦または妊娠している可能性のある女性

使用に注意が必要な方
■間質性肺疾、またはその既往歴のある方
間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る危険性があります。

■QT間隔延長のおそれ、またはその既往歴のある方
QT間隔延長が起こる危険性があります。

■重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある方
血漿中濃度が上昇するおそれがあります。

■妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性がある男性
ラット及びイヌを用いた実験で、雄性生殖器の変化やに雌受胎能への影響が認められています。

■妊婦
ラットを用いた実験で、胚死亡、胎児重量の減少、胎児及び出生児の生存率低下、成長抑
制、卵巣の黄体変性、子宮及び腟の上皮菲薄化、炎症又は変性、雌受胎能への影響などの結果が報告されています。

■授乳婦
本成分がヒトの母乳中に移行するかどうかは不明ですが、ラットを用いた実験では、本成分及びその代謝物が、授乳された児から検出され、成長及び生存への悪影響が認められています。

■小児等
臨床試験が実施されていないため、安全性が確立されていません。

■高齢者
一般的に高齢者は生理機能が低下していることが多く、副作用が出現しやすい傾向にあります。

上記にあてはまる方は、オシメルチニブメシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
オシメルチニブメシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
■CYP3A誘導剤(フェニトイン、リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort)など)
併用薬剤のYP3A誘導作用により、本成分の代謝が亢進し、血中濃度が低下するおそれがあります。

■P-gpの基質となる薬剤(フェキソフェナジン、ジゴキシン、ダビガトランエテキシラート、アリスキレンなど)
本成分のP-gp阻害作用により、併用薬剤の血中濃度が増加し、副作用の発現が増強されるおそれがあります。

■BCRPの基質となる薬剤(ロスバスタチン、サラゾスルファピリジンなど)
本成分のBCRP阻害作用により、併用薬剤の血中濃度が増加し、副作用の発現が増強されるおそれがあります。

■QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(キニジン、プロカインアミド、オンダンセトロン、クラリスロマイシンなど)
本成分及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する危険性があります。

上記を使用している方は、オシメルチニブメシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
オシメルチニブメシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
薬価が非常に高いのはなぜですか?

オシメルチニブメシル酸塩を主成分とする薬は、ドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品とは異なり使用対象者が限られています。また、特にがん治療に用いられる新薬の開発には莫大な時間と費用がかかるためです。
ただ公的医療保険では、自己負担が2-3割であったり、高額療養費制度の適用があったりしますので、個々の負担としてはあまり大きくはなりません。

オシメルチニブメシル酸塩と同様にEGFR阻害の作用がある別成分、それを主とする医薬品もある中で、オシメルチニブメシル酸塩が一次治療に用いられるのはなぜですか?

理由は大きく2つあり、EGFR阻害の作用をもつ他の成分と比べて、1つは治療効果の成績が優れているから、もう1つは副作用の忍容性が良好であるからです。

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