イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)

成分名

イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)

適応症状

再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病

<適応症状における注意>
・イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の有効性や安全性を十分に考慮したうえで、使用すべきかどうかの判断をしてください。
・フローサイトメトリー法などの検査を実施し、CD22抗原陽性であることを確認したケースにおいて使用してください。
・イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)投与による造血幹細胞移植(HSCT)施行後における全生存期間への影響は、既存の化学療法とは同程度でないことが示されているので、HSCT施行を検討しているケースにおけるイノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の使用は、それらの治療実施要否を十分に検討した上で、慎重に決定してください。

簡易説明

イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病に用いられます。イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は、CD22抗原を発現している白血病細胞に結合し細胞内に取り込まれ、加水分解反応によってN-アセチル-γ-カリケアマイシンジメチルヒドラジドを生成します。それによって白血病細胞内のDNAの2本鎖が切断され、白血病細胞の無限増殖が阻害されます。

処方可能な診療科目

腫瘍内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:1mg約1,331,297円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2018年4月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ベスポンサ点滴静注用1mg【製薬メーカー:ファイザー】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病に用いられます。
様々な要因によってDNAに異常が起こり、それによって無限に増え続け(増殖)、別の臓器や器官に移動(転移)する細胞をがん細胞と呼びます(様々な要因に関しては、多段階発がん、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、遺伝子突然変異などが挙げられます)。通常の細胞では、異常が起きたり老化したりすると細胞が自ら破壊されるアポトーシスと呼ばれる現象で排除されますが、がん細胞はそのアポトーシスから逃れる機能を持っていて、異常な状態になっているのにも関わらず増殖し続けます。つまり1つのがん細胞が発生すると、1つが2つに、2つが4つに、4つが8つに分裂しといった形で二次関数的に増殖してしまうため早期の段階で増殖を止める必要があると言えます。これは固形がんだけでなく、白血病などでも同様と考えられます。
がん細胞の増殖を阻害する薬には、化学療法薬、分子標的薬、内分泌療法薬など複数ありそれぞれ特徴が異なっています。イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は、CD22抗原を発現している白血病細胞に結合し細胞内に取り込まれます。その後、加水分解反応によって生じるN-アセチル-γ-カリケアマイシンジメチルヒドラジドの活性化によって白血病細胞内のDNAの2本鎖が切断され、白血病細胞の無限増殖が阻害されます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)として1日目は0.8mg/体表面積m2、8日目および15日目は0.5mg/体表面積m2を1日1回、1時間以上の時間をかけて点滴静脈内投与した後、休薬します。1サイクル目は21〜28日間、2サイクル目以降は28日間を1サイクルとして投与を繰り返していきます。投与するサイクル数は造血幹細胞移植の施行予定を鑑みて決定することが推奨されています。なお、症状に応じて、医師の判断のもと適宜減量してください。

副作用

重大な副作用
・出血傾向
※消化管出血、鼻出血などが引き起こされる可能性があります。
・骨髄機能抑制
※血小板の減少、好中球の減少、白血球の減少、発熱性好中球減少症、貧血、リンパ球の減少、汎血球減少症などが引き起こされる可能性があります。
・肝障害
※ASTの増加、γ-GTPの増加、ALTの増加、血中アルカリホスファターゼの増加、高ビリルビン血症などが引き起こされる可能性があります。
・感染症
※敗血症、肺炎、敗血症性ショックなどが引き起こされる可能性があります。
・infusion reaction
※発疹、発熱、悪寒、低血圧などを含むinfusion reactionが引き起こされる可能性があります。主に初回使用時に確認されましたが、2回目以降の使用時にも確認されています。モニタリングを十分に行って、異常が確認された場合には、すみやかに使用を中止して副腎皮質ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与などの対応を行ってください。
・膵炎
・腫瘍崩壊症候群

その他の副作用
・代謝系:低カリウム血症、食欲の減退、高尿酸血症、低アルブミン血症
・皮膚系:かゆみ
・消化器系:嘔吐、悪心、吐き気、腹痛、下痢、便秘
・精神系、神経系:不眠、味覚異常
・その他:倦怠感、発熱、頭痛、無力症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ベスポンサ点滴静注用はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ベスポンサ点滴静注用の有効成分
イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
精製白糖、トロメタモール、塩化ナトリウム、ポリソルベート80、塩酸

使用に注意が必要な方
・肝疾患を患っている方、またはVOD/SOSを発症したことのある方
※肝疾患の増悪、またはVOD/SOSの発症リスクが高くなる可能性があります。
・感染症を併発している方
※骨髄機能抑制によって感染症の増悪が引き起こされる可能性があります。
・HSCTを実施したことのある方
※VOD/SOSを引き起こす可能性が高くなります。
・末梢血芽球数が10,000/μLを超えている方
※イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)による治療の前に、副腎皮質ステロイド、ヒドロキシカルバミド、ビンクリスチンなどを投与して末梢血芽球数を10,000/μL以下にすることが推奨されています。
・生殖能をもっている方
※パートナーが妊娠する可能性のある男性、および妊娠可能な女性は、イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の使用中および最終投与後の一定期間において適切な避妊を行ってください。
・授乳している方
※授乳しないことが推奨されています。
※なおイノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の母乳中への移行は確認されてはいません。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物試験(ラット):胚毒性、胎児毒性が確認されています。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)を使用する際、現場で注意すべきことはありますか?

イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)は光の影響を受けやすいため、投与する際は光(紫外線)を避けるようにしてください。点滴ラインに関してはポリオレフィン製、ポリ塩化ビニル(PVC)製、ポリブタジエン製が推奨されています。また、他剤との混注は推奨されていません。溶解後~投与が終了するまで8時間以内としてください。ベスポンサ点滴静注用 【ベスポンサ点滴静注用 添付文書】

ノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)の溶解方法で注意すべきことはありますか?

1バイアルに日局注射用水4mLを添加し、回転させながらゆっくりと混和しますが振とうはしないでください。溶かした後には、変色や大きな粒子がないことを必ず確認してください。変色や異物が確認された際は使用せず破棄してください。なお保存剤を含有していない製剤のため、すみやかに使用することが推奨されています。万が一、すみやかに使用できない状況では、2〜8度で凍結を避けて遮光保存し、4時間以内に使用してください。ベスポンサ点滴静注用 【ベスポンサ点滴静注用 添付文書】

参考元一覧

ベスポンサ点滴静注用 【ベスポンサ点滴静注用 添付文書】
医薬品マスター検索 【診療報酬情報提供サービス】

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