ニラパリブトシル酸塩水和物

成分名

ニラパリブトシル酸塩水和物

適応症状

白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌の維持療法
白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌
卵巣癌における初回化学療法後の維持療法

簡易説明

・DNAの修復に働く酵素である「ポリアデノシン5二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)」を妨害することで、癌細胞の増殖を抑える効果があります。
・主に「卵巣癌における初回化学療法後の維持療法、白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法および白金系抗悪性腫瘍感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌」に使用されております。
・NA修復因子である「PARPを特異的に阻害」する作用機序を持っております。

処方可能な診療科目

内科/産婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:100mg 約10370.2円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2020年11月

国内のジェネリック認可

ありません(海外のみ)

関連製品(先発薬)

【製薬メーカー:武田薬品工業】
ゼジューラカプセル100mg
ゼジューラ錠100mg

関連製品(ジェネリック)

【製薬メーカー:GSK】
Zejula(ゼジューラ)100mg

効果・作用

〈ゼジューラ作用機序〉
・DNA修復因子であるPARPを特異的に妨害します。BRCA遺伝子変異のがん細胞でPARPを妨害すると、一本鎖切断DNAの修復ができずに、二本鎖が切断されます。本来ならば、二本鎖が切断されると、BRCAによって修復されますが、BRCA遺伝子変異のがん細胞は、BRCAが元々変異しているため、修復することが不可能となります。これにより、がん細胞のDNAが壊れ、「合成致死」という細胞死が誘導されると考えられております。そして、正常のヒト細胞では、PARPが妨害され、二本鎖が切断されたとしても、BRCAは正常ですので、BRCAによって元通りのDNAに修復されます。そして、細胞にはあまり影響を与えず、がん細胞にのみ働きがあると考えられます。

▼DNA修復因子:PARPとBRCA▼
・ヒトの細胞内のDNAが損傷を受けると「PARP」や「BRCA」という修復因子によって修復されます。PARPはDNAの一本鎖が切断された時、BRCAはDNAの二本鎖が切断された時にそれぞれ修復する因子となります。しかし、BRCAが変異している場合、DNAの修復がうまくできず、がん化する可能性が高くなります。BRCAの変異は、特に乳がんや卵巣がんで多いとされています。

使用方法

・成人は1日1回200mgを経口投与すること。
※初回投与前の体重が77kg以上かつ、血小板数が150000/μL以上の成人は、1日1回300mgを経口投与すること。
※患者の状態により適宜減量する。

副作用

主な副作用
ニラパリブトシル酸塩水和物には、副作用が起こる可能性があります。
ニラパリブトシル酸塩水和物を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

頭痛、不眠症、浮動性めまい、動悸、呼吸困難、悪心、便秘、嘔吐、食欲減退、下痢、口内乾燥

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

好中球減少性敗血症骨髄抑制、白血球減少、可逆性後白質脳症症候群、好中球減少、高血圧、発熱性好中球減少症、、汎血球減少症、貧血、高血圧クリーゼ、間質性肺疾患、肺臓炎、好中球減少性感染、血小板減少、痙攣発作、精神状態変化、視覚障害、皮質盲

その他の副作用
失見当識、筋肉痛、疲労、味覚異常、腹痛、光線過敏性反応、無力症、血中クレアチニン増加、尿路感染、上咽頭炎、過敏症、不安、うつ病、ALT増加、幻覚、γ-GTP増加、気管支炎、認知障害、消化不良、記憶障害、錯乱状態、頻脈、鼻出血、咳嗽、口内炎、発疹、関節痛、結膜炎、背部痛、粘膜炎症、体重減少、末梢性浮腫、集中力障害、AST増加、血中ALP増加、低カリウム血症、アナフィラキシー、塞栓症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ニラパリブトシル酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ゼジューラは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ゼジューラの有効成分
ニラパリブトシル酸塩水和物
▼代表薬の添加物
結晶セルロース、乳糖水和物、ポビドン、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール4000、タルク、黒酸化鉄

・妊婦/産婦
・過敏症

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・高血圧/重度肝機能障害/中等度以上の肝機能障害/総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超/総ビリルビン値が基準値上限の3倍超/中等度以上の肝機能障害/総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超

上記にあてはまる方は、ニラパリブトシル酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ニラパリブトシル酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
悪心・嘔吐の発現時期・頻度はどうなりますか?

白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌に対する維持療法を目的とした海外第Ⅲ相試験で、ゼジューラカプセルを投与された患者の「悪心・嘔吐」の発現頻度、および有病率を解析しております。悪心、嘔吐はゼジューラカプセルの投与開始後、早期に発現する傾向がみられております。これらの有害事象の発現頻度は経時的に低下しています。しかし、早期以外の時期にも発現していますのでご注意ください。
「参考として」
・悪心
ゼジューラカプセルの投与1ヵ月目の悪心の発現頻度61.9%(367例中227例)、2ヵ月目は5.3%(341例中18例)、3、4、5ヵ月目および、6ヵ月目以降は1.1%~2.7%。悪心の有病率はゼジューラ群、プラセボ群、両群ともに高くはありますが、発現頻度の減少と比較して緩やかであるが経時的に低下しております。
・嘔吐
ゼジューラカプセルの投与1ヵ月目の嘔吐の発現頻度19.6%(367例中72例)、2ヵ月目には3.8%(341例中13例)、以降は試験期間を通して2.0~7.0%。ゼジューラ群の嘔吐の有病率は高くはありますが、6ヵ月目以降を除き経時的に低下しております。

手術前後で、ゼジューラカプセルの投与を中止する必要ありますか?

添付文書では、手術に関して注意喚起の記載はございません。
具体的な期間については規定はありませんので、ゼジューラカプセルの継続の可否はご施設にてご判断ください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。