成分名 |
イリノテカン塩酸塩水和物 |
適応症状 |
・悪性リンパ腫
・非ホジキンリンパ腫
・非小細胞肺癌
・有棘細胞癌
・卵巣癌
・小細胞肺癌
・子宮頚癌
・小児悪性固形腫瘍
・治癒切除不能な膵癌
・胃癌<手術不能又は再発>
・結腸癌<手術不能又は再発>
・直腸癌<手術不能又は再発>
・乳癌<手術不能又は再発> |
簡易説明 |
・トポイソメラーゼ阻害薬に分類される抗がん剤の一種となります。
・〈DNA複製〉で必要な酵素を妨害し、がん細胞の細胞死を招くことで抗腫瘍効果があります。また、DNAが複製されるためには、DNAの二本鎖をほどく必要があり、その鎖をほどく作用を持ってる酵素を〈トポイソメラーゼ〉と言い、イリノテカンはトポイソメラーゼⅠの働きを阻害します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科/産婦人科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1瓶あたりの目安:オニバイド点滴静注43mg10mL1瓶/128.131円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 2008年6月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
オニバイド点滴静注43mg【製薬メーカー:日本セルヴィエ】
カンプト点滴静注40mg/100mg【製薬メーカー:ヤクルト本社】
トポテシン点滴静注40mg/100mg【製薬メーカー:メーカー:第一三共】 |
関連製品(ジェネリック) |
イリノテカン塩酸塩点滴静注液40mg/100mg(マイラン製薬/ファイザー/ニプロ/日医工ファーマ/ハンルイ医薬/武田テバファーマ/サンファーマ/沢井製薬) |
効果・作用 |
「イリノテカン塩酸塩水和物作用機序」
・〈がん細胞〉は、細胞分裂によって無秩序な増殖を繰り返したりしますが、準備段階として自身のDNAを2倍量に増やします。これを〈複製〉呼びます。がん細胞のDNAは「二本鎖の二重らせん構造」ですが、複製の過程においては「ヘリカーゼ」と呼ばれるタンパク質により〈一本鎖〉に分離されます。ほどかれた一本鎖DNAに「DNAポリメラーゼ」が働くことで、二本鎖DNAが新たに合成され、DNAの複製が完了する流れです。そこで働くのがⅠ型トポイソメラーゼと呼ばれるタンパク質となっており、Ⅰ型トポイソメラーゼが、ねじれの生じたDNAの一本鎖を切断することで超らせん構造を解消していきます。またこのほかに、二本鎖を切断するⅡ型トポイソメラーゼも関係しております。ねじれが解消されることで、DNAの複製は順調に進行し、がん細胞の増殖が次々に引き起こされていく流れです。がん細胞付に到達したイリノテカンは、周辺に存在するマクロファージに取り込まれ、イリノテカンが放出されます。イリノテカンはマクロファージやがん細胞に存在するカルボキシエステラーゼにより、活性代謝物の〈SN-38〉に変換されます。SN-38はがん細胞のⅠ型トポイソメラーゼを選択的に阻害し、がん細胞のDNAは、ねじれを解消できなくなり、その後のプロセスがストップしてしまいます。
▼他のトポイソメラーゼ阻害薬▼
カンプト/トポテシン/ハイカムチン/ベプシド/ラステット |
使用方法 |
①小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌(手術不能または再発)及び有棘細胞癌はA法を、子宮頚癌、卵巣癌、胃癌(手術不能又は再発)および、結腸/直腸癌(手術不能又は再発)は「A法」もしくは「B法」を使用すること。
※悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)においては「C法」してください。
※小児悪性固形腫瘍においては「D法」を使用してください。
※治癒切除不能な膵癌においては「E法」を使用してください。
「A法」
・1日1回、100mg/㎡を1週間間隔で3~4回、点滴静注をお願いします。2週間の服用はさけてください。
・この流れを「1クール」とし、投与を繰り返すしてください。
「B法」
・1日1回、150mg/㎡。期間は、2週間間隔で2~3回点滴静注となります。3週間は少なくとも空けて休薬してください。
・こちらを1クールとし、投与を繰り返すようにしてください。
「C法」
・1日1回、40mg/㎡「三日間連日」点滴静注をしてください。
・こちらを「1週毎に2~3回」繰り返してください。そして、2週間休薬をしてください。
・そしてこれを1クールとし、投与を繰り返すようにしてください。
※A~C法の投与量は「年齢/症状」によって増減します。
「D法」
1日1回、20mg/㎡「5日間連日」で点滴静注すること。
・1週毎に2回繰り返してください。少なくとも1週間の休薬は必要となります。
・そしてこれを「1クール」として、投与を繰り返すようにしてください。
「E法」
・1日1回、180mg/㎡を点滴静注します。2週間休薬は必要となっております。
こちらを「1クール」とし、投与を繰り返すようお願いします。
※D法、E法の投与量は、患者の状態により随時減量してください。
②「A法、B法、E法」において投与した時、投与量に応じ「500mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液もしくは、電解質維持液」に混和してください。そして、90分以上かけて点滴静注してください。
「C法」は、投与時、投与量に応じ「250mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液または、電解質維持液」に混和し、60分以上かけて点滴静注をお願いします。
「D法」においては、投与したとき、投与量に応じて「100mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液」に混和し、60分以上かけて点滴静注となります。 |
副作用 |
主な副作用
イリノテカン塩酸塩水和物には、副作用が起こる可能性があります。
イリノテカン塩酸塩水和物を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、脱毛、発熱、食道炎、吐血、腸管運動亢進、しゃっくり、腹部膨満感
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
白血球減少、貧血、血小板減少、好中球減少、下痢、腸管麻痺、腸閉塞、消化管出血、大腸炎、腸炎、肝機能障害、間質性肺炎、下血、血便、肺炎、骨髄機能抑制、汎血球減少、重症感染症、敗血症、重篤な白血球減少、重篤な好中球減少、播種性血管内凝固症候群、DIC、重篤な感染症、高度な下痢、脱水、電解質異常、ショック、循環不全、アナフィラキシー、呼吸困難、血圧低下、血栓塞栓症、肺塞栓症、静脈血栓症、脳梗塞、発熱性好中球減少症、腸管穿孔、小腸炎、黄疸、急性腎障害、心筋梗塞、狭心症発作、心室性期外収縮
その他の副作用
注射部位疼痛、血管炎、流涙、注射部位発赤、血小板増加、白血球分画変動、鼻出血、脱力感、悪寒、胸部不快感、胸痛、不整脈、徐脈、心房細動、CRP上昇、注射部位反応、LDH低下、白血球増加、痙攣、耳鳴、味覚異常、過敏症、蕁麻疹、糖尿、胃潰瘍、胃部不快感、アルブミン減少、カルシウム異常、無力症、疲労、体重増加、体重減少、腹部不快感、胃炎、消化不良、意識障害、傾眠、興奮、うつ病、目のかすみ、高血圧、コリン作動性症候群、関節痛、筋痛、不眠、振戦、構語障害、皮膚浮腫、発赤、紅斑、熱感、発汗、顔面潮紅、疼痛、手足症候群、ざ瘡様皮膚炎、皮膚乾燥、しびれ、不安感、帯状疱疹、粘膜炎、不穏、頻脈、便秘、乏尿、咽頭痛、咳嗽、尿酸異常、尿ウロビリノーゲン異常、帯状疱疹、粘膜炎、鼻汁、好酸球増加、総蛋白減少、クレアチニン上昇、心電図異常、動悸、倦怠感、クレアチニンクリアランス低下、BUN上昇、腰痛、腹水、心電図異常、動悸、倦怠感、Al-P上昇、ビリルビン上昇、鼻炎、発声障害、咽頭知覚不全、末梢神経障害、眩暈、精神症状、口腔咽頭不快感、頭痛、発疹、そう痒感、ALT上昇、蛋白尿、血尿、尿沈渣異常、PaO2低下、気管支炎、上気道炎、咽頭炎、皮膚色素沈着、LDH上昇、γ-GTP上昇、腎機能障害
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■イリノテカン塩酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方カンプトは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼カンプトの有効成分
イリノテカン塩酸塩水和物
▼代表薬の添加物
D-ソルビトール90mg、乳酸、pH調節剤(水酸化ナトリウム)
・妊婦/産婦
・黄疸/過敏症/間質性肺炎/感染症/下痢/多量の胸水/多量の腹水/骨髄機能抑制/水様便/腸管麻痺/腸閉塞/肺線維症/アタザナビル硫酸塩投与中
使用に注意が必要な方 ・幼児/小児
・高齢者
・虚弱者(衰弱者を含む)
・遺伝性果糖不耐症/肝障害/腎障害/糖尿病/感染症/下痢/白血球数が異常な高値/骨髄機能抑制/CRP異常/腹痛/Gilbert症候群/グルクロン酸抱合異常/白血球数が急激な減少/血小板数が急激な減少/UGT1A16/*28/UGT1A1*6/*6/UGT1A1*28/*28/白血球数が3000/mm3未満/血小板数が10万/mm3未満/膵癌FOLFIRINOX法で2クール目以降血小板数が7.5万/mm3未満
上記にあてはまる方は、イリノテカン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 イリノテカン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・グレープフルーツジュース
・セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
上記を使用している方は、イリノテカン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 イリノテカン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 腸管蠕動を抑制する薬剤/塩酸ロペラミド/硫酸モルヒネ/硫酸アタザナビル/抗悪性腫瘍剤/薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤/アゾール系抗真菌剤/ケトコナゾール/フルコナゾール/イトラコナゾール/ミコナゾール/マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン/クラリスロマイシン/リトナビル/ジルチアゼム/ニフェジピン/モザバプタン塩酸塩/ソラフェニブトシル酸塩/ラパチニブトシル酸塩水和物/レゴラフェニブ水和物/末梢性筋弛緩剤/肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤/フェニトイン/カルバマゼピン/リファンピシン類フェノバルビタール
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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