成分名 |
ブレオマイシン |
適応症状 |
〈ブレオ注射用〉
皮膚癌、頭頸部癌(上顎癌、舌癌、口唇癌、咽頭癌、喉頭癌、口腔癌等)、肺癌(特に原発性及び転移性扁平上皮癌)、食道癌、悪性リンパ腫、子宮頸癌、神経膠腫、甲状腺癌、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)
〈ブレオS〉
皮膚悪性腫瘍 |
簡易説明 |
ブレオマイシンは抗がん剤の一種です。がん細胞が分裂する際に、最初に細胞核内にある遺伝子の本体であるDNAが合成され複製されますが、ブレオはDNAの二本鎖を切断する働きがあります。また、がん細胞の中で金属イオンと結びついて酸素を活性化させ活性酸素を発生させます。この活性酸素がDNAに損傷を与えDNAの複製を抑制することによってがん細胞を死滅させます。 |
処方可能な診療科目 |
頭頸部外科/皮膚科/呼吸器外科/消化器内科/血液内科/脳神経科/婦人科/内分泌科/耳鼻咽喉科/内科など |
健康保険の適応 |
保険適応
ウイルス性イボには保険適用外 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約3,000円~
薬代の目安:
新薬注射用 5mg 1469円/瓶(薬価)
新薬軟膏 5mg 1311.3円/g(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 1969年2月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ブレオ注射用5mg/15mg 【製薬メーカー:日本化薬】
ブレオS軟膏5mg/g 【製薬メーカー:日本化薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ブレオマイシンとは、主にがん治療に用いられる抗腫瘍性抗生物質です。少量をウイルス性イボに直接注射することで、ウイルスを持った細胞を破壊し、治療効果を発揮します。
ブレオマイシンは、がん細胞の中で鉄と結びつき,酸素を活性化させ,DNA鎖を切断して抗がん作用を発揮します。多くの抗がん薬にみられる骨髄抑制があまりおこらないのが特徴です。
ブレオマイシンとは、核酸合成を阻害する抗生物質であり、Streptomyces verticillusによりリボソームを経由せずに合成(非リボソーム合成)されます。 微生物のほか、がん細胞の増殖も阻害する抗腫瘍性糖ペプチドであり、抗がん剤として用いられています。
ブレオマイシン耐性は、ブレオマイシン結合タンパク質、ブレオマイシン修飾酵素(アセチル基転移酵素)、または、ブレオマイシン分解酵素によってブレオマイシンが不活性化されることによります。
ブレオマイシンは、ブレオマイシン硫酸塩とブレオマイシン塩酸塩があります。
それぞれ、
ブレオマイシン硫酸塩 総称名「ブレオS」 販売名「ブレオS軟膏5mg」
ブレオマイシン塩酸塩 総称名「ブレオ」 販売名「ブレオ注射用5mg」
ブレオマイシンはABVD療法に使用されます。
ABVD療法は、4種類の抗がん剤(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)を組み合わせた治療法です。欧米から報告されたABVD療法に加えて、ダカルバジンの投与量を減らしたABVd療法という変法があり、本邦においてABVD療法と同等の有効性を示唆する臨床試験結果が報告されています。ABVD療法 (ABVd療法を含む)は、ほとんどの患者さんが外来で実施できるのが特徴です。
■使用する抗がん剤
ビンブラスチン注
ダカルバジン注
ドキソルビシン注 (アドリアマイシン)
ブレオマイシン注
本邦ではウイルス性イボには保険が適用されませんが、ほかの治療法で効果が見られなかった方におすすめです。 |
使用方法 |
〈静脈内注射〉
ブレオマイシン塩酸塩として、15mg~30mg(力価)を生理食塩液又は、ブドウ糖液等の適当な静脈用注射液約5~20mLに溶解し、緩徐に静注する発熱の著しい場合は1回量を5mg(力価)又はそれ以下とする。
〈筋肉内注射、皮下注射〉
ブレオマイシン塩酸塩として、15mg~30mg(力価)を生理食塩液等の適当な溶解液約5mLに溶解し、筋注又は皮下注する。
患部の周辺に皮下注射する場合はブレオマイシン塩酸塩として1mg(力価)/1mL以下の濃度とする。
〈動脈注射〉
ブレオマイシン塩酸塩として、5mg~15mg(力価)を生理食塩液又はブドウ糖液等の適当な注射液に溶解し、シングルショット又は連続的に注射する。
〈注射の頻度〉
1週2回を原則とし、症状に応じて1日1回(連日)ないし1週間1回に適宜増減する
〈総投与量〉
ブレオマイシン塩酸塩の総投与量は腫瘍の消失を目標とし、300mg(力価)以下とする。
但し、胚細胞腫瘍に対し、確立された標準的な他の抗癌剤との併用療法にあっては360mg(力価)以下とする。
〈小児への投与〉
小児の胚細胞腫瘍、悪性リンパ腫に対しては、次記の用法・用量で投与する;ブレオマイシン塩酸塩として、1回10mg~20mg(力価)/㎡(体表面積)を1~4週間ごとに静脈内投与する。
但し、1回量として成人の最大用量(30mg)を超えない。
〈ブレオS軟膏〉
患部に1日1回Occlusive Dressing Therapy(以下ODTと略す)(閉鎖密封療法)する。ODTが困難な場合は1日2~3回単純塗布する。
標準的な用量は病巣の大きさ、状態にもよるが、患部100cm2(10cm×10cm)につき1~2.5g(ブレオマイシン硫酸塩として5~12.5mg(力価))とする。 |
副作用 |
主な副作用
〈ブレオ注射用〉
発熱/脱毛/食欲不振/倦怠感/悪心/嘔吐/口内炎/過敏症/発疹/蕁麻疹/紅皮症
〈ブレオS〉
皮膚疼痛/発赤/皮膚炎/皮膚色素沈着/皮膚糜爛/過敏症状
注意すべき副作用
〈ブレオ注射用〉
肺症状/発熱/脱毛/食欲不振/倦怠感/悪心/嘔吐/口内炎/重篤な間質性肺炎/重篤な肺線維症
〈ブレオS〉
皮膚疼痛/発赤/皮膚炎/皮膚色素沈着/皮膚糜爛/過敏症状/重篤な間質性肺炎/重篤な肺線維症/咳嗽/労作性呼吸困難
重大な副作用
〈ブレオ注射用〉
肺症状/重篤な間質性肺炎/重篤な肺線維症/咳嗽/労作性呼吸困難/捻髪音/ラ音/出血/癌病巣が急速な壊死/ショック
〈ブレオS〉
重篤な間質性肺炎/重篤な肺線維症/咳嗽/労作性呼吸困難/捻髪音/ラ音/肺症状
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
その他の副作用
〈ブレオ注射用〉
皮膚色素沈着/口角炎/頭痛/下痢/肝障害/乏尿/排尿痛/頻尿/残尿感/白血球減少/眩暈/静脈壁肥厚/静脈壁狭窄/硬結/腫瘍部位の疼痛/皮膚肥厚/爪変形/爪変色/皮膚強皮症様変化/scratch dermatitis/貧血/血小板減少
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ブレオマイシン(成分名)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ブレオマイシン(ブレオ注射用5mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ブレオ注射用5mg(代表薬)の有効成分
ブレオマイシン塩酸塩 5mg
■他に使用できない方
・過敏症
・重篤な腎機能障害
・重篤な心疾患
・重篤な肺機能障害
・胸部レントゲン写真上著明な病変
・胸部レントゲン写真上びまん性の線維化病変
・胸部及びその周辺部への放射線照射
原則禁止
・授乳婦
希望禁止
・妊婦・産婦
投与に際する指示
・肝障害
・心疾患
・腎障害
・水痘
・肺障害
・胸部に放射線照射
・ペプロマイシンを投与された
使用に注意が必要な方 ・肺に基礎疾患
・ペプロマイシンを投与された
・ブレオマイシン製剤の投与を受けた
・ペプロマイシンの投与を受けた
・投与前に肺機能検査値低下
・幼児・小児
・高齢者
慎重投与
肝障害
心疾患
腎障害
水痘
肺障害
胸部に放射線照射
ブレオマイシン製剤の投与を受けた
ペプロマイシンの投与を受けた
上記にあてはまる方は、ブレオマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 ブレオマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・抗悪性腫瘍剤
・放射線照射
・頭頸部放射線照射
上記を使用している方は、ブレオマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 ブレオマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・胸部及びその周辺部への放射線照射
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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