成分名 |
ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え) |
適応症状 |
CD30陽性の下記疾患
・ホジキンリンパ腫
・末梢性T細胞リンパ腫
<適応症状における注意>
・免疫組織化学法などによる検査を行って、CD30抗原が陽性であることを確認したケースにのみ使用してください。なお、CD30が陽性であることの確認は、当該疾患に対して十分な経験のある病理医または検査施設において実施することが推奨されています。
・添付文書の「17.臨床成績」を熟知し、ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)の安全性および有効性を十分に理解した上で、患者さんの選定を行ってください。 |
簡易説明 |
ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)は特定のリンパ腫に用いられる抗悪性腫瘍薬です。ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)の具体的な作用としては、まずCD30が発現しているがん細胞にADCが結合し、ADC-CD30複合体としてがん細胞内に取り込まれます。その後MMAEが遊離することによってチューブリンに結合し、それによって微小管の形成プロセスがブロックされてがん細胞周期の停止とアポトーシスが誘導されます。 |
処方可能な診療科目 |
腫瘍内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:50mg約474,325円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2014年4月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アドセトリス点滴静注用50mg【製薬メーカー:武田薬品工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)は特定のリンパ腫に用いられる抗悪性腫瘍薬です。
様々な要因によってDNAに異常が起こり、それによって無限に増え続け(増殖)、別の臓器や器官に移動(転移)する細胞をがん細胞と呼びます(様々な要因に関しては、多段階発がん、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、遺伝子突然変異などが挙げられます)。通常の細胞では、異常が起きたり老化したりすると細胞が自ら破壊されるアポトーシスと呼ばれる現象で排除されますが、がん細胞はそのアポトーシスから逃れる機能を持っていて、異常な状態になっているのにも関わらず増殖し続けます。つまり1つのがん細胞が発生すると、1つが2つに、2つが4つに、4つが8つに分裂しといった形で二次関数的に増殖してしまうため早期の段階で増殖を止める必要があると言えます。
がん細胞の増殖を阻害する薬には、化学療法薬、分子標的薬、内分泌療法薬など複数ありそれぞれ特徴が異なっています。ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)の具体的な作用としては、まずCD30が発現しているがん細胞にADCが結合し、ADC-CD30複合体としてがん細胞内に取り込まれます。その後、タンパク質分解反応が引き起こされてMMAEが遊離することによって抗悪性腫瘍効果が現れます。遊離したMMAEがチューブリンに結合し、それによって微小管の形成プロセスがブロックされてがん細胞周期の停止とアポトーシスが誘導されます。 |
使用方法 |
■未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫のケース
ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩およびダカルバジンとの併用において、ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)として下記用量を2週間に1回の頻度、最大12回点滴静注します。なお、症状に応じて、医師の判断のもと適宜減量することができます。
・小児のケース:1回48mg/体表面積m2
・成人(15歳以上)のケース:1回1.2mg/体重kg
■未治療のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫のケース
ドキソルビシン塩酸塩、シクロホスファミド水和物およびプレドニゾロンとの併用において、成人(15歳以上)のケースには、ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)として3週間に1回の頻度で1.8mg/体重kgを最大8回点滴静注します。なお、症状に応じて、医師の判断のもと適宜減量することができます。
■再発または難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫
成人(15歳以上)のケース:ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)として3週間に1回の頻度で1.8mg/体重kgを点滴静注します。なお、症状に応じて、医師の判断のもと適宜減量することができます。 |
副作用 |
重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・Infusion reaction
※異常が確認された場合には、すみやかに使用を中止し酸素吸入、解熱鎮痛剤、昇圧剤、副腎皮質ホルモン剤の投与などの適切な処置を行いつつ、症状回復まで十分にモニタリングしてください。また使用を再開する場合、投与速度を調整しながら慎重に行ってください。
・感染症
※真菌、細菌、ウイルスなどによる重度の感染症、敗血症などが引き起こされる可能性があります。とくにカンジダ、ニューモシスティスなどの真菌、ヘルペスなどのウイルスによる日和見感染に注意してください。
・末梢神経障害
※末梢性ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチーなどが引き起こされる可能性があります。初期症状であるしびれ、筋力の低下などが確認されたケースでは休薬や減量などの適切な処置を行ってください。
・進行性多巣性白質脳症
※ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)を使用中、使用終了後はモニタリングを十分に行って、異常が確認された場合にはMRIによる画像診断および脳脊髄液検査などを行って、状況によっては使用を中止したり必要な適切な処置を行ったりしてください。
・骨髄抑制
※貧血、好中球減少、発熱性好中球減少症、血小板減少、白血球減少、リンパ球減少が引き起こされる可能性があります。
・腫瘍崩壊症候群
※異常が確認された場合は使用を中止し、高尿酸血症治療剤、生理食塩液などの投与、透析などの適切な処置を行いつつ、症状回復まで十分にモニタリングしてください。
・劇症肝炎、肝機能障害
・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
・急性膵炎
・肺障害
その他の副作用
次の副作用が引き起こされる可能性があります。
・代謝異常:脱水症状、食欲減退、血糖値上昇、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、低リン酸血症
・血液、リンパ系:好酸球の増加、リンパ節症
・消化器系:舌潰瘍、便秘、悪心、嘔吐、吐き気、口内炎、下痢、腹痛、消化不良、口腔咽頭痛、上腹部痛、口腔内の痛み、お腹のハリ、口腔内潰瘍、腹部不快感、鼓腸、咽頭炎、胃炎、胃食道逆流性疾患、吐血
・精神系、神経系:味覚障害、頭痛、浮動性めまい、眠気、不眠症、記憶障害、知覚過敏・呼吸器系:鼻血、咳嗽、呼吸困難、労作時の呼吸困難、湿性咳嗽、しゃっくり、肺塞栓症、鼻づまり
・眼:結膜炎、眼充血
・皮膚系:爪の変色、斑状丘疹状皮疹、脱毛、かゆみ、皮膚の乾燥感、寝汗、発疹、注入部位における痛み、紅斑性皮疹、多汗症、斑状皮疹、紅斑、皮膚炎、じんましん、アレルギー性皮膚炎
・その他:LDH増加、帯状疱疹、筋けいれん、だるさ、体重の減少、発熱、頻脈、筋肉痛、毛包炎、無力症、四肢痛、関節の痛み、口腔ヘルペス、骨の痛み、寒気、頸部痛、上気道感染、背部の痛み、ほてり、口腔カンジダ症、筋骨格痛、腫瘍フレア、AL-P増加、倦怠感、尿路感染、非心臓性胸痛、静脈炎、鼻炎、あごの痛み、末梢性浮腫、気道感染、低血圧、単純ヘルペス、潮紅、粘膜の炎症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
・ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、アドセトリス点滴静注用はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼アドセトリス点滴静注用の有効成分
ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
クエン酸水和物、トレハロース水和物、クエン酸ナトリウム水和物、ポリソルベート80
・ブレオマイシン塩酸塩を使用中の方
使用に注意が必要な方 ・重度の腎機能障害を患っている方(クレアチニンクリアランス値が30mL/min以下のケース)
・肝機能障害を患っている方
・感染症を併発している方
・生殖能を持っている方
・末梢神経障害を患っている方
・妊娠している方
・授乳している方
・高齢者
・小児など
上記にあてはまる方は、ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・CYP3A4阻害剤(ケトコナゾールなど)
上記を使用している方は、ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・ブレオマイシン塩酸塩
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
アドセトリス点滴静注用 【アドセトリス点滴静注用 添付文書】 |
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