アザシチジン

成分名

アザシチジン

適応症状

・骨髄異形成症候群
・急性骨髄性白血病

<適応症状における注意>
添付文書の「17.臨床成績」を十分に理解し、アザシチジンの安全性および有効性を十分に熟知したうえで治療を行う必要があります。

簡易説明

アザシチジンは急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群に用いられます。アザシチジンは細胞内のRNAおよびDNAに取り込まれ、タンパク質合成を阻害することでがん細胞に対して効果を発揮します。また、骨髄異形成症候群ではがん抑制遺伝子プロモーター領域におけるDNA高メチル化、がん抑制遺伝子の発現抑制が確認されていますが、アザシチジンはそのDNAのメチル化を阻害することができます。

処方可能な診療科目

腫瘍内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:100mg約38,749円
薬代後発薬1瓶の目安:100mg約12,585円/150mg約21,002円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2011年3月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ビダーザ注射用100mg【製薬メーカー:日本新薬】

関連製品(ジェネリック)

アザシチジン注射用100mg/150mg「NK」【製薬メーカー:日本化薬】
アザシチジン注射用100mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
アザシチジン注射用100mg/150mg「オーハラ」【製薬メーカー:大原薬品工業】

効果・作用

アザシチジンは急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群に用いられます。
様々な要因によってDNAに異常が起こり、それによって無限に増え続け(増殖)、別の臓器や器官に移動(転移)する細胞をがん細胞と呼びます(様々な要因に関しては、多段階発がん、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、遺伝子突然変異などが挙げられます)。通常の細胞では、異常が起きたり老化したりすると細胞が自ら破壊されるアポトーシスと呼ばれる現象で排除されますが、がん細胞はそのアポトーシスから逃れる機能を持っていて、異常な状態になっているのにも関わらず増殖し続けます。つまり1つのがん細胞が発生すると、1つが2つに、2つが4つに、4つが8つに分裂しといった形で二次関数的に増殖してしまうため早期の段階で増殖を止める必要があると言えます。
がん細胞の増殖を阻害する薬には、化学療法薬、分子標的薬、内分泌療法薬など複数ありそれぞれ特徴が異なっています。アザシチジンは細胞内のRNAおよびDNAに取り込まれ、タンパク質がつくられるプロセスを阻害することでがん細胞に対して効果を発揮します。また、骨髄異形成症候群ではがん抑制遺伝子プロモーター領域におけるDNA高メチル化、がん抑制遺伝子の発現抑制が確認されていますが、アザシチジンはそのDNAのメチル化を阻害することによって細胞増殖抑制作用を発揮します。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:アザシチジンとして75mg/体表面積m2を1日1回7日間皮下投与または10分以上の時間をかけて点滴静注し、3週間休薬します。これを1サイクルとカウントし、投与を繰り返していきます。なお、症状に応じて、医師の判断のもと適宜減量することができます。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・腎不全、腎尿細管性アシドーシス
・アナフィラキシー、ショック
・骨髄抑制
・腫瘍崩壊症候群
・感染症
・心障害
・間質性肺疾患
・肝機能障害、黄疸
・低血圧
・出血

その他の副作用
・血液系:平均赤血球ヘモグロビン濃度の減少、好塩基球の増加、ヘマトクリットの減少、血小板の増加、骨髄機能不全、顆粒球の減少、好酸球の増加、リンパ球の増加、ヘモグロビンの減少、単球の増加、白血球の増加、アンチトロンビンIIIの減少、血球の減少、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、芽球細胞数の増加
・精神神経系:浮動性めまい、味覚障害、頭の痛み、不眠症、うつ症状、錯乱、回転性めまい、睡眠の質低下、不安症状、眠気、意識障害
・感染症:鼻炎、上咽頭炎を含む咽頭炎、単純ヘルペス、肛門膿瘍、口腔カンジダ症、大腸菌性尿路感染、トキソプラズマ症、好中球減少性感染、菌血症、気管支肺アスペルギルス症、尿路感染、肺感染、気管支炎、蜂巣炎、クレブシエラ感染、中咽頭カンジダ症、口腔ヘルペス、上気道感染、敗血症性ショック、皮膚感染、腸球菌感染、帯状疱疹、歯周炎、クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎、歯肉炎、ブラストミセス症、急性副鼻腔炎含む副鼻腔炎、膀胱炎、消化管感染、白癬感染、気道感染、肛門直腸蜂巣炎、憩室炎、せつ、喉頭炎、肝膿瘍、下気道感染、リンパ管炎、偽膜性大腸炎、菌血症、カンジダ感染、四肢膿瘍、直腸周囲膿瘍
・代謝異常系:低マグネシウム血症、食欲がなくなる、水分過負荷、LDHの増加、低カリウム血症、低リン酸血症、血中ブドウ糖増加、総タンパク減少、低カルシウム血症、血中重炭酸塩の増加、高カルシウム血症、低アルブミン血症、高尿酸血症、高リン酸塩血症、糖尿病、血中クロールの増加、血中重炭酸塩の減少、高カリウム血症、低ナトリウム血症、尿酸値の減少、痛風、血液中クロールの減少
・眼:眼充血、結膜出血、視力障害、眼の乾燥感、眼瞼における炎症、結膜充血
・腎臓系:尿中タンパク陽性、尿中血陽性、尿中ブドウ糖陽性、血中クレアチニンの増加、急性腎障害、尿閉、腎機能障害、頻尿、慢性腎臓病、血中尿素増加、排尿困難
・呼吸器系:咳嗽、鼻出血、呼吸困難、低酸素症状、口腔咽頭痛、上気道の炎症、労作性呼吸困難、湿性咳嗽、口腔咽頭の不快感、喀血、急性呼吸不全、呼吸不全、肺障害、鼻づまり、肺臓炎、胸水、鼻漏、肺浸潤
・消化器系:痔出血、裂肛、嘔吐、悪心、軟便、便秘、口腔内出血、歯周病、下痢、お腹の痛み、口内炎、お腹のハリ、くちびるの乾燥、痔核、消化不良、上腹部痛、口唇炎、腹部不快感、口腔内潰瘍形成、慢性胃炎含む胃炎、肛門周囲の痛み、胃食道逆流性疾患、歯肉出血、嚥下障害、歯肉痛、歯肉腫脹、口腔内痛、歯痛、口内乾燥、舌炎、腸炎、胃潰瘍、アフタ性潰瘍、舌苔、下腹部痛、肛門びらん
・循環器系:心房粗動、血圧上昇、動悸、心膜炎、息切れ、洞性頻脈含む頻脈、心室性期外収縮
・皮膚系:じんましん、皮膚潰瘍、点状出血、皮下出血、かゆみ、紅斑、斑状出血、アレルギー性皮膚炎、発疹、紫斑、脱毛症、皮膚乾燥、斑状丘疹状皮疹、血性水疱含む水疱、皮膚炎、紅斑性皮疹、接触皮膚炎、薬疹、湿疹、皮膚反応、皮膚腫瘤、寝汗、皮脂欠乏性湿疹、全身性皮疹、斑状皮疹、丘疹性皮疹、皮膚小結節、皮膚硬結
・その他:転倒、筋肉痛、粘膜の炎症、注射部位における反応、だるさ、CRP増加、四肢痛、発熱、疲労感、体重減少、倦怠感、脱力感、むくみ、挫傷、血腫、悪寒、背部痛、疼痛、脱水、関節痛、筋けいれん、筋力低下、末梢腫脹、末梢性ニューロパチーなど

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・アザシチジンを配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ビダーザ注射用はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ビダーザ注射用の有効成分
アザシチジン
▼代表薬の添加物
D-マンニトール

・妊娠している方、または妊娠している可能性のある方

使用に注意が必要な方
・腎機能障害を患っている方
・感染症を併発している方
・肝機能障害を患っている方
・生殖能をもっている方
※妊娠する可能性のある方は、アザシチジン使用中または使用終了後一定期間、適切な避妊を行ってください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、アザシチジンを使用する事が出来ない可能性があります。
アザシチジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アザシチジンに関する
よくある質問
アザシチジンは皮下投与、点滴静注のどちらで実施すればよいですか?

原則、皮下投与を行ってください。出血リスクなどによって皮下投与が難しいと考えられるケースでは点滴静注を行ってください。ビダーザ注射用 【ビダーザ注射用 添付文書】

アザシチジンの皮下投与は1ヶ所に行うべきですか?

アザシチジンの使用量に応じて変わりますが、皮下投与のケースでは、複数箇所に分けて使用することが推奨されています。ビダーザ注射用 【ビダーザ注射用 添付文書】

参考元一覧

ビダーザ注射用 【ビダーザ注射用 添付文書】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。