ペミガチニブ

成分名

ペミガチニブ

適応症状

がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌

簡易説明

これまで切除不能な胆管がんの二次治療はエビデンスのある治療選択肢がなく、新たな治療が望まれていたなか、国内初の選択的な「線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)」の阻害薬として、胆道がん治療薬として承認された薬です。
また、希少疾病で標準治療が確立されていなかった「骨髄性又はリンパ性腫瘍」に対しても期待されています。

処方可能な診療科目

消化器内科、外科など

健康保険の適応

健康保険適応
(FoundationOneCDxがん遺伝子パネル検査/コンパニオン診断を受け、FGFR2融合遺伝子変異が陽性である患者が対象となります。)

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000円~5,000円
新薬1錠4.5mg 25631.2円/錠

病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日: 2021年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ペマジール錠4.5mg【製薬メーカー:インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

2022年8月26日、FDA(米国食品医薬品局)は、線維芽細胞増殖因子受容体1(FGFR1)再構成を有する再発または難治性の骨髄/リンパ腫瘍(MLN)の成人を対象にペミガチニブ(販売名:ペマジール)を承認した。

FDAがFGFR1再構成を有する再発または難治性の骨髄/リンパ腫瘍にペミガチニブを承認

【上記引用元:海外がん医療情報リファレンス】


ペミガチニブ[販売名:Pemazyre(日本での販売名:ペマジール)]は、初回化学療法後に進行または転移した希少タイプの胆管がんの患者に対して、今後選択肢の一つとなるであろう。

初の進行胆管がん治療薬としてペミガチニブが英国で承認

【上記引用元:海外がん医療情報リファレンス】


英国国立医療技術評価機構(NICE)は、FGFR2と呼ばれる分子ががん細胞の表面に異常な形で存在し、標準治療に反応しない胆管がんを有する成人患者への本薬剤の使用を承認した。

初の進行胆管がん治療薬としてペミガチニブが英国で承認

【上記引用元:海外がん医療情報リファレンス】

効果・作用

ペマジール(ペミガチニブ)は、国内初の選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の阻害薬です。
胆管がんはこれまで有効な治療法がなく、新たな治療選択肢が望まれていました。
ペマジールは、国内初の選択的な「線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)」の阻害薬として、2021年3月23日に胆道がん治療薬として承認されました。
ペマジールは、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のチロシンキナーゼ活性を阻害する低分子化合物です。FGFR融合タンパク等のリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられています。

FGFR2融合遺伝子は、胆管がん患者全体の10~16%ですので、全員が対象となるわけではありませんが、治療選択肢が増えることは、選択肢が極めて限られている患者にとって、新たな希望となるでしょう。

■胆管がんとは
胆管から十二指腸へとつながる胆管の内側で発生する悪性腫瘍です。
胆道がんの中でも、胆管に発生する希少ながんである胆管がんは、肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんと、肝臓外の胆管に発生する肝外胆管がんに分類されます。胆管がんは初期症状がほとんどないため、早期発見が難しく、進行してから発見されることが多いため、治療が難しいことがあります。治療法には、手術、薬物療法、放射線療法などがあり、治療方針はがんの進行度合いによって異なります。早期発見と治療が重要であり、定期的な健康診断やがん検診を受けることが大切です。

■胆管がんの症状
胆管がんは、初期にはほぼ無症状ですが、がんが進行すると、黄疸、右わき腹の痛み、体重減少、発熱、食欲不振、全身倦怠感といった症状が発現してきます。


米国デラウェア州ウィルミントン―2021年 3月 23日―インサイト・コーポレーション(ナスダ
ック:INCY、以下「インサイト」)は本日、選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤
であるペマジール®(一般名:ペミガチニブ、以下「ペマジール」)について、がん化学療法後に
増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌の治療薬として、厚生労働省による国内
製造販売承認を取得したと発表しました。

インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン

【上記引用元:プレスリリースより引用】

使用方法

通常、成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを14日間経口投与した後、7日間休薬してください。これを1サイクルとして投与を繰り返します。なお、患者の状態により適宜減量してください。

副作用

主な副作用
貧血/ドライアイ/睫毛乱生/角膜炎/結膜炎/下痢/口内炎/口内乾燥/悪心/便秘/嘔吐

重大な副作用
高リン血症/網膜剥離/網膜色素上皮剥離/飛蚊症/視野欠損/光視症/視力低下

その他の副作用
胃食道逆流性疾患/腹痛/疲労/体重減少/末梢性浮腫/尿路感染/食欲減退/低リン血症/高カルシウム血症/ビタミンD減少/関節痛/四肢痛/筋肉痛/味覚異常/浮動性めまい/末梢性ニューロパチー/頭痛/鼻乾燥/鼻出血/脱毛症/爪障害/手掌・足底発赤知覚不全症候群/皮膚乾燥/皮膚そう痒症/発疹/爪囲炎/血小板数減少/眼痛/腹部膨満/消化不良/高ビリルビン血症/血中ALP増加/ALT増加/AST増加/爪真菌症/脱水/低ナトリウム血症/背部痛/筋痙縮/筋骨格痛/筋力低下/急性腎障害/口腔咽頭痛/ 呼吸困難/ざ瘡様皮膚炎/紅斑

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ペミガチニブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ペミガチニブ(ペマジール錠4.5mg)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ペマジール錠4.5mgの有効成分
1錠中ペミガチニブ4.5mg
▼ペマジール錠4.5mgの添加物
結晶セルロース/デンプングリコール酸ナトリウム/ステアリン酸マグネシウム
・過敏症
【相対禁止】
妊婦・産婦

使用に注意が必要な方
・重度腎機能障害
・中等度以上の肝機能障害
・Child-Pugh分類B又はC
・eGFRが30mL/min/1.73㎡未満
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・パートナーが妊娠している男性
・パートナーが妊娠する可能性のある男性
・小児等(0歳~14歳)
・妊娠可能な女性(11歳~)
【投与に際する指示】
重度腎機能障害
中等度以上の肝機能障害
Child-Pugh分類B又はC
eGFRが30mL/min/1.73㎡未満

上記にあてはまる方は、ペミガチニブを使用する事が出来ない可能性があります。
ペミガチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
【原則禁止】
強い又は中程度のCYP3A誘導剤:リファンピシン/フェニトイン/カルバマゼピン等
強い又は中程度のCYP3A阻害剤:クラリスロマイシン/イトラコナゾール/ベラパミル等

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ペミガチニブに関する
よくある質問
副作用の網膜剥離が検査で異常ありで、一旦本剤の投薬をやめてますが、大丈夫そうなのでまた始めてもいいですか?

‌・‌症状がある場合又は検査で異常が認められた場合は、本剤を休薬する。
・休薬後、改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。改善しない場合は、本剤の投与を中止する。

副作用に対する休薬、減量及び中止基準

【上記引用元:ペマジール錠】

本剤は食事に影響しますか?

進行固形癌患者12例に本剤13.5mgを食後(高脂肪食、高カロリー食)単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるペミガチニブのCmax及びAUC0-24hの幾何平均値の比はそれぞれ0.817及び1.11であった

食事の影響

【上記引用元:ペマジール錠】

参考元一覧

ペマジール錠4.5mg適正使用ガイド【インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社】

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