プレリキサホル

成分名

プレリキサホル

適応症状

モゾビル皮下注24mgの主成分であるプレリキサホルは、末梢血から採取した幹細胞を用いて、再び患者体内に移植を行うための、造血幹細胞の末梢血中への動員促進に対し適応を持ちます。

簡易説明

モゾビル皮下注24mgの主成分であるプレリキサホルは低分子化合物であり、CXCR4ケモカイン受容体拮抗剤になります。ケモカイン受容体に対して可逆的かつ選択的に拮抗し、その特異的リガンドである間質細胞由来因子ー1の結合を阻害する事によって、骨髄から末梢血中への造血幹細胞の動員を促進すると考えられています。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

■病院で処方してもらう時の費用目安
診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1瓶あたりの目安:24mg約592,720円/(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

プレリキサホルを主成分とする医療用医薬品であるモゾビル皮下注24mgは2016年12月19日に製造販売が承認され、2017年2月15日に薬価基準に収載、その後2017年2月22日に発売開始となりました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

モゾビル皮下注24mg【製薬メーカー:サノフィ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

米国ではMOZOBIL(販売名)が2008年12月15日に承認され、またEUではMOZOBIL(販売名)が2009年7月31日に承認されました。

2016年7月末時点において、世界54ヵ国/地域(米国、EU加盟国28ヵ国、ノルウェー、アイスラン
ド、スイス、リヒテンシュタイン、メキシコ、ブラジル、コロンビア、ベネズエラ、韓国、イスラエル、オーストラリア、チリ、シンガポール、香港、台湾、タイ、南アフリカ、マレーシア、インド、セルビア、ロシア、ニュージーランド、カナダ、アルゼンチン及びレバノン)で承認されています。

効果・作用

プレリキサホルを主成分とする医薬品であるモゾビル皮下注24mgは、末梢血から採取した幹細胞を用いて、再び患者体内に移植を行うための、造血幹細胞の末梢血中への動員促進ににたいして効果のある医薬品になります。

1)自家末梢血幹細胞動員のプレリキサホルについて
多発性骨髄腫(MM)、非ホジキンリンパ腫(NHL)をはじめ、血液の癌の治療にはシクロホスファミド(エンドキサン)等のアルキル化薬による大量化学療法が実施されます。シクロホスファミド(エンドキサン)等のアルキル化薬を用いた大量化学療法は有効性が高い反面、その副作用として骨髄抑制を発症しますので、治療後には造血機能及び免疫機能の回復が必要です。
その為、シクロフォスファミド等のアルキル化薬による大量化学療法前に血液を作る元である造血幹細胞を患者自身から採取し、治療後に戻す自家移植が施されます。これは,アルキル化薬の用量制限毒性は骨髄毒性であることから,移植前処置薬として大量投与が可能であり、非分裂期の腫瘍細胞に対しても効果を発揮する利点があります。
患者自身の造血幹細胞を使用する自家移植では、末梢血肝細胞採取が簡便で、腫瘍細胞の混入が少ないとの理由から優先して行われます。しかし骨髄採取や臍帯血採取などと比べると造血幹細胞が少ないのが懸念されています。
プレリキサホルはCXCケモカイン受容4(CXCR4)に選択的かつ可逆的に結合する事により骨髄から末梢血へ造血幹細胞を動員させることでこの問題が解決します。

2)作用機序
プレリキサホルはCXC4ケモカイン受容体拮抗薬です。
骨髄の間質細胞表面に発現する間質細胞由来因子1(SDF-1)は、CXCケモカイン受容4(CXCR4)を発現している造血幹細胞の骨髄への生着に関与していると考えられています。
プレリキサホルはCXCケモカイン受容4に結合し、CXCR4とSDF-1との結合を阻害する事によって、骨髄から末梢血中への造血幹細胞の動員を促進すると考えられています。

使用方法

G-CSF製剤(顆粒球コロニー刺激因子)との併用において、通常、成人に使用する場合には、プレリキサホルとして0.24mg/kgを1日1回、末梢血幹細胞採取終了時まで連日皮下投与します。

【用法及び用量に関連する使用上の注意】
1)本剤の投与は、G-CSF製剤を4日間連日投与した後、各末梢血肝細胞採取実施9~12時間前に行います。
2)本剤の投与期間は4日間までを目安とします。
3)中等度以上の腎機能障害のある患者では、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がありますので、減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意をする事とされています。

副作用

重大な副作用
1)ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーが現れる事があります。
2)脾腫(頻度不明)、脾破裂(頻度不明)
脾腫、脾破裂が現れる事があります。

その他の副作用
精神神経系、消化器、皮膚、血液、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
錯覚感、頭痛(5%以上)
不眠症、浮動性眩暈(1~5%未満)
悪夢(1%未満)
異常な夢、血管迷走神経性反応(起立性低血圧、失神)(頻度不明)
2)消化器
下痢、悪心(5%以上)
鼓腸、腹痛、嘔吐、腹部膨満、腹部不快感、便秘、消化不良、口内乾燥、口の感覚鈍麻(1~5%未満)
3)皮膚
多汗症、紅斑(1~5%未満)
4)血液
白血球増加症(頻度不明)
5)その他
注射部位反応、疲労(5%未満)
関節痛、筋骨格痛、倦怠感(1~5%未満)

頻度不明の失神等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■プレリキサホルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、モゾビル皮下注24mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼モゾビル皮下注24mgの有効成分
プレリキサホル
▼代表薬の添加物
・ 等張化剤、pH調節剤
2)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
動物実験において、催奇形性が認められている為使用できません。

使用に注意が必要な方
1)中等度以上の腎機能障害のある患者
血中濃度が上昇する恐れがある為使用には注意が必要です。
2)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為、使用には注意が必要です。
3)妊婦、産婦、授乳婦等
①妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない事(使用できない方参照)。また妊娠する可能性のある婦人には、本剤の投与中及び本剤投与後一定期間は適切な避妊法を行なわなければなりません。
②授乳中の婦人には、授乳を中止しなければなりません。本剤の乳汁中への移行は検討されていない為授乳婦への使用は注意が必要です。
4)小児等
使用経験がない為低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、プレリキサホルを使用する事が出来ない可能性があります。
プレリキサホルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

プレリキサホルに関する
よくある質問
本剤投与後の血中濃度の推移はどのようになりますか?

健康で成人の日本人に本剤を単回皮下投与したとき、血漿中プレリキサホル濃度は投与後約30分で最高濃度に到達しました。また、多発性骨髄腫患者及び非ホジキンリンパ腫患者にG-CSF製剤併用下で単回皮下投与したときの血漿中プレリキサホル濃度は、投与後0.5~1時間で最高値を示しました。
インタビューホーム 【サノフィ株式会社】

プレリキサホル投与後どのくらいで体内から消失しますか?

臨床試験において本剤0.24mg/mL投与後、半減期が5.94±0.777時間との報告があります。24時間経過後にはほぼ消失しております。
インタビューホーム 【サノフィ株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【サノフィ株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

製品情報外用 【サノフィ株式会社ホームページ】

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