成分名 |
デラマニド |
適応症状 |
<適応菌種>デラマニドに感性の結核菌
<適応症>多剤耐性肺結核 |
簡易説明 |
デラマニドの具体的な抗菌作用は「ミコール酸の合成ブロック」です。結核菌はヒトの細胞とは異なり細胞壁をもっています。細胞壁には「ミコール酸」と呼ばれる脂質が多く含まれていることが知られており、これによって通常の消毒や乾燥にも高い抵抗性を示すと考えられていますが、デラマニドは結核菌の細胞壁を構成しているミコール酸の合成過程をブロックすることで結核菌の増殖を抑えます(ヒトには細胞壁やミコール酸は存在していないので、デラマニドは結核菌のみに効果を示しヒトの細胞は傷つけません)。薬に抵抗力をもった結核菌を出現させないためにも、デラマニドを使用する場合はメインの結核に対する薬(3種)に上乗せして治療をします。 |
処方可能な診療科目 |
内科/呼吸器内科/アレルギー科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:50mg 5999.2円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はデルティバ錠50㎎の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2014年9月 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
デルティバ錠50㎎(大塚製薬) |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
結核菌によって引き起こされる「結核」に関して、日本では約8割が肺で起こります(肺結核)。肺結核では結核菌が肺の内部で増殖することにより様々な炎症が起こります。初期症状は風邪と似ていますが、症状が非常に長く続くのが特徴で、ひどくなると体重の減少、食欲低下などの全身的な症状もあります。さらに慢性化すると、肺が徐々に破壊され呼吸機能が低下します。
治療のメインは薬の服用で、タンパク合成阻害薬、RNAポリメラーゼ阻害薬、ピラジナミド、細胞壁のミコール酸合成阻害薬、細胞壁アラビナン合成阻害薬、といった薬の組み合わせ(3種)に、デラマニドを上乗せして服用する使い方があります。理由として、結核菌は、上記のような薬に対して自らの遺伝子を変化させ、薬への抵抗性を強くしてしまうことがあり、治療初期から一定期間は結核菌の抵抗性が強くならないように複数種類の薬を服用して徹底的に封じ込めることが重要になるからです。世界的に見ても、薬に対して抵抗性が強くなる結核菌が年々増加しており深刻な問題になっています。
デラマニドの具体的な抗菌作用は「ミコール酸の合成ブロック」です。結核菌はヒトの細胞とは異なり細胞壁をもっています(ヒトにはありません)。細胞壁には「ミコール酸」と呼ばれる脂質が多く含まれていることが知られており、これによって通常の消毒や乾燥にも高い抵抗性を示すと考えられていますが、デラマニドは結核菌の細胞壁を構成しているミコール酸の合成過程をブロックすることで結核菌の増殖を抑えます(ヒトには細胞壁やミコール酸は存在していないので、デラマニドは結核菌のみに効果を示しヒトの細胞は傷つけません)。 |
使用方法 |
成人には通常、「デラマニド」として1回100ミリグラムを1日2回朝、夕に食後に服用する |
副作用 |
重大な副作用
QT延長
その他の副作用
・血液系
白血球の減少、貧血(めまい・ふらつき含)、好酸球の増加、赤血球の増加
・循環器系
心エコーの異常、息切れ、脈の異常、血圧の上昇・低下、動悸
・消化器系
食欲不振、食欲亢進、はきけ、気持ち悪さ、嘔吐、腹痛、胃の炎症、胃部不快感、腹部不快感、消化不良、下痢、味覚の障害
・肝臓系
高ビリルビン血症、肝機能の異常
・皮膚系
皮膚の炎症、発疹、じんましん、乾燥、ざ瘡、ニキビ、かゆみ、過剰に汗が出る、脱毛症
・精神神経系
精神病性障害、幻覚、ふらつき、めまい、ねむけ、頭痛、不眠症、妙な錯感覚、不安、感覚が鈍感になる、睡眠障害、振戦、平衡感覚の障害、不快感、うつ病、精神障害、傾眠
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・デラマニドに対して過敏症の経験のある方
・妊婦または妊娠している可能性のある方
動物実験(ウサギ):デラマニドの投与により着床反応後に発生が止まり子宮の脱落膜のみ増殖している状態の頻度が増加した報告があります
動物実験(ラット):デラマニドの投与により外形の異常、各臓器および骨格異常の出現率が増加した報告があります。また、デラマニドが胎盤を通過することが報告されています。
使用に注意が必要な方 ・QT延長のある方(先天性QT延長症候群なども含む)
QT延長が悪化する可能性があるため、医師の指示のもとメリットとデメリットのバランスを考えたうえで治療に望んでください
・QT延長を起こしやすいと言われている方(明らかな徐脈のある方、電解質異常のある方(低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症)、心臓になにかしらの疾患を持っている方)
QT延長が悪化する可能性があるため、医師の指示のもとメリットとデメリットのバランスを考えたうえで治療に望んでください
・低アルブミン血症の方
QT延長が悪化する可能性があるため、医師の指示のもとメリットとデメリットのバランスを考えたうえで治療に望んでください
・肝臓の機能に障害のある方
デラマニドの血液中の濃度が上昇しやすい状態です。QT延長などの副作用が発現する可能性が高まりますので医師の指示のもとメリットとデメリットのバランスを考えたうえで治療に望んでください
・授乳をしている方
動物実験(ラット)にて、デラマニドの乳汁中への移行が報告されているため、可能な限り服用中は授乳しないことが望ましいとされています
・小児等
18歳未満の方を対象とした臨床試験が実施されていません(外国においては、デラマニドを服用した小児などに、幻覚があらわれたとの報告があります)
・高齢者
一般に肝臓や腎臓とはじめ生理機能が低下しているため、体調を観察しながら慎重に服用してください
上記にあてはまる方は、デラマニドを使用する事が出来ない可能性があります。 デラマニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・QT延長を起こす可能性のある薬
下記薬剤の併用により相加効果によるQT延長が起こる可能性があります
▼キノロン系抗菌薬
レボフロキサシン水和物、モキシフロキサシン塩酸塩など
▼クラスIA抗不整脈薬
プロカインアミド塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物など
▼クラスIII抗不整脈薬
ソタロール塩酸塩、アミオダロン塩酸塩など
▼その他
ピモジド、コハク酸ソリフェナシン、イミプラミン塩酸塩、エリスロマイシン、ベダキリンフマル酸塩、スルピリド、ハロペリドールなど
・低カリウム血症を起こす可能性がある薬
下記薬剤の併用によりQT延長の原因となる電解質異常を起こす可能性があります
▼アミノグリコシド系抗菌薬
カナマイシン硫酸塩、エンビオマイシン硫酸塩など
▼利尿剤
トリクロルメチアジド、フロセミドなど
▼その他
アムホテリシンBなど
上記を使用している方は、デラマニドを使用する事が出来ない可能性があります。 デラマニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |