クラブラン酸カリウム

成分名

クラブラン酸カリウム

適応症状

表在性皮膚感染症/深在性皮膚感染症/リンパ管・リンパ節炎/慢性膿皮症/咽頭・喉頭炎、扁桃炎/急性気管支炎/慢性呼吸器病変の二次感染/膀胱炎/腎盂腎炎/淋菌感染症/子宮内感染/子宮付属器炎/中耳炎 など

簡易説明

「クラブラン酸カリウム」はペニシリン系抗生物質に属する、近年開発されたβ-ラクタム系抗生物質の一つで、ペニシリン系抗生物質のアモキシシリンと、βラクタマーゼ阻害剤のクラブラン酸カリウムが配合されている複合抗生物質になります。
日本では、グラクソ・スミスクラインがオーグメンチンの商品名で販売しています。
「クラブラン酸カリウム」は細菌感染症の治療に用いられ、グラム陽性菌を中心に、大腸菌やインフルエンザ菌などグラム陰性菌の一部に対して特に抗菌活性を持ちますが、緑膿菌やセラチアには効果がありません。
「クラブラン酸カリウム」は様々な細菌に有効であることから、耳鼻科や呼吸器科を中心に各科で用いられることや、発熱をともなう風邪などの症状にも処方されます。

処方可能な診療科目

内科/外科/皮膚科/呼吸器科/消化器科/循環器科/耳鼻咽喉科/泌尿器科/口腔外科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
オーグメンチン配合錠125SS 31.8円/錠(薬価)
オーグメンチン配合錠250RS 45.7円/錠(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1985年8月認可

国内のジェネリック認可

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関連製品(先発薬)

オーグメンチン配合錠125SS【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン】
オーグメンチン配合錠250RS【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン】
クラバモックス小児用配合ドライシロップ【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン】

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

「クラブラン酸カリウム」はペニシリン系抗生物質に属する、ペニシリン系抗生物質のアモキシシリンと、βラクタマーゼ阻害剤のクラブラン酸カリウムが配合されている複合抗生物質です。
「クラブラン酸カリウム」の主成分であるペニシリン系抗生物質のアモキシシリンは、細菌の細胞壁の合成を抑えることで殺菌的に作用し、クラブラン酸カリウムは、細菌が作るβラクタマーゼという抗生物質分解酵素を阻害することで、本来β-ラクタマーゼ産生微生物による分解を受けやすいアモキシシリンの分解・無効化を防ぐことで、より安定した抗菌力を発揮しますが、使用頻度が増えたことで耐性菌も増加しており、感染症治療上の問題となりつつあります。
「クラブラン酸カリウム」はグラム陽性菌を中心とした、大腸菌やインフルエンザ菌などグラム陰性菌の一部に対して強い抗菌活性を持ちます。
しかし、緑膿菌、セラチアには効果がありません。
「クラブラン酸カリウム」は安全性の高い抗生物質で、呼吸器や耳鼻科領域を中心に扁桃炎、咽頭炎、気管支炎、中耳炎など比較的軽い感染症に用いられます。
使用にあたっては、「厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き」を参照して、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、「クラブラン酸カリウム」の投与が適切と判断される場合に投与します。
「クラブラン酸カリウム」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアモキシシリン耐性菌を確認して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。

使用方法

▼オーグメンチン配合錠の用法用量
[オーグメンチン配合錠125SS]
・成人に使用する際は1回2錠を1日3回から4回を6時間から8時間毎に経口投与します。なお、年齢や症状により薬の量は適宜増減します。
[オーグメンチン配合錠250RS]
・成人に使用する際は1回1錠を1日3回から4回を6時間から8時間毎に経口投与します。なお、年齢や症状により薬の量は適宜増減します。
・オーグメンチン配合錠125SSおよびオーグメンチン配合錠250RSを使用する際は、耐性菌の発現等を防ぐために、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアモキシシリン耐性菌を確認して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。

▼クラバモックス小児用配合ドライシロップでの用法用量
小児には、クラバモックスとして1日量96.4mg(力価)/kg(クラブラン酸カリウムとして6.4mg(力価)/kg、アモキシシリン水和物として90mg(力価)/kg)を2回に分けて12時間ごとに食直前に経口投与します。

副作用

副作用発現状況の概要について、承認時及び市販後使用成績調査での調査症例18,183例中、副作用症例(臨床検査値異常を含む)は586例(3.22%)確認されており、副作用発現件数は715件確認されています。

重大な副作用
・ショック、アナフィラキシー
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)
・無顆粒球症、顆粒球減少、血小板減少
・急性腎障害
・偽膜性大腸炎、出血性大腸炎
・肝障害
・間質性肺炎、好酸球性肺炎
・無菌性髄膜炎

その他の副作用
・発疹
・発熱、蕁麻疹、そう痒、血管神経性浮腫、血清病様症候群、過敏性血管炎
・好酸球増多
・貧血、白血球減少、好中球減少、溶血性貧血
・悪心、嘔吐、下痢、食欲不振
・歯牙変色、黒毛舌、変色便
・口内炎、カンジダ症
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
・頭痛、痙攣
・結晶尿

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■伝染性単核症のある患者
伝染性単核症のある患者は発疹の発現頻度を高めるおそれがあります。投与しないでください。

■本剤の成分による黄疸又は肝機能障害の既往歴のある患者
本剤の成分による黄疸又は肝機能障害の既往歴のある患者は再発するおそれがあります。投与しないでください。

■ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に投与してください。

使用に注意が必要な方
■セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には慎重に投与してください。

■本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者には慎重に投与してください。

■高度の腎障害のある患者
高度の腎障害のある患者は血中濃度が持続するので、投与間隔をあけて使用してください。

■高齢者
高齢者は生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいことから、慎重に投与してください。

■経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者や全身状態の悪い患者
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者や全身状態の悪い患者にはビタミンK欠乏症状があらわれることがあります。慎重に投与してください。

■肝機能障害のある患者
肝機能障害のある患者には慎重に投与してください。

■妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。

■小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、クラブラン酸カリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
クラブラン酸カリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
よくある質問
医師の診察で特に伝えておくことはありますか?

アレルギーを起こしやすいのであれば、必ず医師に伝えてください。

「クラブラン酸カリウム」は子供にも使えますか?

子供に対しての安全性は確立していません。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。