メトロニダゾール

成分名

メトロニダゾール

適応症状

トリコモナス症/深在性皮膚感染症/外傷・熱傷及び手術創等の二次感染/骨髄炎/肺炎/肺膿瘍/骨盤内炎症性疾患/腹膜炎/腹腔内膿瘍/肝膿瘍/脳膿瘍/感染性腸炎/細菌性腟症/ヘリコバクター・ピロリ感染症/胃潰瘍/十二指腸潰瘍/胃MALTリンパ腫/特発性血小板減少性紫斑病/アメーバ赤痢/ランブル鞭毛虫感染症

簡易説明

メトロニダゾールは原虫を駆除する効果があり抗原虫薬と呼ばれています。
嫌気細菌(空気を嫌う細菌)に対して広く使用され、ピロリ菌やアメーバ赤痢を排除するために使用されることもあります。
しかし、嫌気細菌ではないグラム陽性菌やグラム陰性菌には効果がありません。

処方可能な診療科目

内科/性病科/泌尿器科/婦人科/耳鼻咽喉科/呼吸器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安   :約2,500円~10,000円
薬代1錠あたりの目安 :250㎎約35.50円(薬価)
膣錠1錠あたりの目安 :250㎎約37.60円(薬価)
点滴静注液の目安   :500㎎約1252円(薬価)
ゲルの目安      :1g約101.40円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1961年(昭和36年)11月販売開始

国内のジェネリック認可

関連製品(先発薬)

フラジール内服錠【製薬メーカー:塩野義製薬】
フラジール膣錠【製薬メーカー:富士製薬】
アネメトロ点滴静注液【製薬メーカー:ファイザー製薬】
ロゼックスゲル【製薬メーカー:マルホ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

フラジール内服錠【製薬メーカー:サノフィ・アベンティス】

効果・作用

メトロニダゾールは、微生物の細菌の中でニトロソ化合物に還元変化することで、様々な原虫や細菌に対して殺菌的に働きかけます。
原虫や細菌に対して殺菌的に働きかけます。 微生物のDNAを遮断し、細胞レベルでの増殖を抑制する効果もあります。
抗原虫薬や抗菌薬の1つになり、トリコモナス症以外にもヘリコバクター、鞭毛虫、毛包中(ニキビダニ)、アメーバ赤痢、ピロリ感染症、ジアルジア症、などに効果があるとされており、この成分は細菌や原虫内にのみ効力があるとされています。
メトロニダゾールは薬の吸収にも優れており、飲み薬として服用した場合はほぼ100%体内に吸収されます。
また現在は抗菌薬を服用しても効果のない耐性菌が蔓延してますが、メトロニダゾールは耐性化するまでいくつかのステップを踏まなければならないので耐性菌があらわれにくいとされています。

【トリコモナスとは】
トリコモナスとは、トリコモナス原虫という肉眼では見えない小さな原虫が性器内に侵入し炎症を起こす性病です。
男女で寄生部位が違います。
男性は前立腺・精のう・尿道に寄生し、女性の場合は膣内・子宮頸管・膀胱・尿道に寄生します。
トリコモナス原虫は、性行為だけでなく下着やタオル、便器や浴槽などといった場所からも感染することがあるので性行為経験のない方や幼児も感染する可能性があります。
トリコモナスは感染しても症状がでないという方が約20%~50%います。
そのため、感染していることに気付かずに放置してしまうケースが多く症状が悪化してしまいます。
トリコモナスの症状は男性の場合、尿道から膿がでる・軽い排尿痛・悪化すると前立腺炎をまねくなどの症状がでます。
女性の場合は、おりものの異臭・膣の痛みや痒みなどがあり悪化すると不妊症や早産、流産などをまねいてしまいます。

使用方法
【錠剤の場合】
▼トリコモナス症
通常、成人には1クールとして1回250mgを1日2回10日間服用してください。
▼嫌気性菌感染症
通常、成人には1回500mgを1日3回又は4回服用してください。
▼感染性腸炎
通常、成人には1回250mgを1日4回又は1回500mgを1日3回、10~14日間服用してください。
▼細菌性腟症
通常、成人には1回250mgを1日3回又は1回500mgを1日2回7日間服用してください。
▼ヘリコバクター・ピロリ感染症
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合
通常、成人には1回250mg,アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に1日2回、7日間服用してください。
▼アメーバ赤痢
通常、成人には1回500mgを1日3回10日間服用してください。
なお症状に応じて1回750mgを1日3回服用してください。
▼ランブル鞭毛虫感染症
通常、成人には1回250mgを1日3回5~7日間服用してください。

【膣錠の場合】
▼トリコモナス腟炎
通常、成人には1クールとして、1日1回250mgを10~14日間腟内に挿入してください。
▼細菌性腟症
通常、成人には1日1回250mgを7~10日間腟内に挿入してください。

【点滴静注液】
通常、成人には1回500mgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。
なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回500mgを1日4回投与できる。

【ゲルの場合】
症状及び病巣の広さに応じて適量を使用する。
潰瘍面を清拭後、1日1~2回ガーゼ等にのばして貼付するか、患部に直接塗布しその上をガーゼ等で保護する。

副作用

▼メトロニダゾールの良くある副作用
食欲不振/胃の不快感/吐き気/下痢/腹痛/発疹/かゆみなど

メトロニダゾールには、副作用が起こる可能性があります。
メトロニダゾールを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

■メトロニダゾール副作用(重度)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
▼末梢神経障害
手足のしびれ、感覚が鈍い、灼熱感、ピリピリ痛むなど
▼中枢神経障害
ふらつき、よろける、ろれつが回らない、話せない、手足のしびれ、けいれん、物忘れ、混乱・もうろう状態、幻覚、意識低下など
▼無菌性髄膜炎
首の硬直、発熱、頭痛、吐き気・嘔吐、意識もうろうなど
▼重い皮膚・粘膜障害
発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感など
▼膵炎
吐き気、吐く、上腹部~背中の激しい痛みなど
▼白血球減少、好中球減少
発熱、のどの痛み、口内炎、咳、だるいなど
▼大腸炎
激しい腹痛、頻回な下痢、発熱、血液便、下血など

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

■メトロニダゾールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(フラジール錠の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼フラジール錠の添加物
・コムギデンプン
・グリセリン
・メチルセルロース
・水アメ
・タルク
・ステアリン酸マグネシウム
・白糖
・デンプングリコール酸ナトリウム
・アラビアゴム末
・ゼラチン
・沈降炭酸カルシウム
・安息香酸ナトリウム
・カルナウバロウ

【使用に注意が必要な方】
①血液疾患のある方
②脳膿瘍の方
③肝機能障害のある方
④高齢者の方
⑤妊娠中・授乳中の方
⑥小児の方

上記にあてはまる方は、メトロニダゾールを使用する事が出来ない可能性があります。
メトロニダゾールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

【併用禁忌薬】
メトロニダゾールとの併用禁忌薬は特にありません
【併用注意薬】
エタノール摂取/リトナビル含有製剤<内用液>/ジスルフィラム/ワルファリン/リチウム製剤/ブスルファン/フルオロウラシル/シクロスポリン/フェノバルビタール

アルコールと併用して飲んだりしてしまうと、作用が強く出てしまう恐れがあり、 更に、副作用も強く出る可能性があるので注意が必要です。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、むやみに他の医薬品と併用するのは危険です。
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
男女関係なく服用できる薬ですか?

はい。メトロニダゾールは男性・女性関係なく服用できるお薬となっています。

内服薬と膣剤はトリコモナスの治療にはどちらが効果的ですか?

症状によっても異なりますが、膣炎だけの場合は膣剤が即効性があります。 トリコモナスの場合は膣内に留まらず尿道や膀胱内に感染していることも考えられます。膣の中の細胞に入り込んでしまっていることもあり、その場合は膣剤だけでは完全に除去できない場合もあります。 ですので、一番効果的なのは内服薬と膣剤を併用しての使用をして頂く事です。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。