成分名 |
テトラサイクリン塩酸塩 |
適応症状 |
テトラサイクリン感受性のある細菌感染症に効果的です。
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、
乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、
慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、軟性下疳、
性病性(鼠径)リンパ肉芽腫、子宮内感染、脳膿瘍、涙嚢炎、外耳炎、中耳炎、
副鼻腔炎、歯周組織炎、猩紅熱、炭疽、ブルセラ症、百日咳、野兎病、ガス壊疽、
回帰熱、ワイル病、発疹チフス、発疹熱、つつが虫病
抜歯創・口腔手術創の二次感染、感染性口内炎
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、
眼外傷・眼科周術期の無菌化療法 |
簡易説明 |
たんぱく質合成阻害により細菌の増殖を抑制するため、静菌的作用を示します。
具体的には、細菌の小サブユニット (30Sサブユニット) に結合し、アミノアシルtRNA (aa-tRNA) がmRNA-30Sリボソーム複合体に結合することを阻害することでたんぱく質の合成を阻害します。
細菌の小サブユニットのrRNAの構造が変化し、抗菌薬の親和性が低下することで耐性を生じることがあります。
幅広い抗菌スペクトルを有します。
歯や骨などのCaに不可逆的に沈着するため、骨の発育異常や歯牙着色を引き起こすことがあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/皮膚科/耳鼻咽喉科/眼科/歯科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
アクロマイシンVカプセル(250 mg 1カプセル 11.3 円、50 mg1カプセル 8.3円)
アクロマイシントローチ15mg 8.4円/錠
アクロマイシン末 192.5円/g
アクロマイシン軟膏3% 21.1円/g
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1986年3月31日 (製造販売承認) 1956年11月14日 (発売) |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリック有り |
関連製品(先発薬) |
レダマイシン (サンファーマ)
ビブラマイシン (ファイザー)
オキシテトラコーン (ジーシー昭和薬品)
ペリオクリン (サンスター)
ミノサイクリン塩酸塩 (沢井製薬)
ミノマイシン (ファイザー)
タイガシル (ファイザー) |
関連製品(ジェネリック) |
ミノサイクリン塩酸塩 (ジーシー昭和薬品)
ミノサイクリン塩酸塩 (日医工)
ミノサイクリン塩酸塩 (武田テバファーマ)
ミノサイクリン塩酸塩 (東和薬品)
ミノサイクリン塩酸塩 (沢井製薬)
ミノサイクリン塩酸塩 (日医工ファーマ) |
効果・作用 |
テトラサイクリン感受性のある細菌に対して静菌的に作用します。
(静菌的:菌増殖を抑えるが殺さない)
【適応菌種】
テトラサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、
淋菌、炭疽菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、
プロビデンシア属、インフルエンザ菌、軟性下疳菌、百日咳菌、ブルセラ属、
野兎病菌、ガス壊疽菌群、回帰熱ボレリア、ワイル病レプトスピラ、リケッチア属、
クラミジア属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、
ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、
トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)
【作用機序】
細菌の蛋白合成系において、aminoacyl t-RNA が m-RNA・リボゾーム複合物と結合するのを妨げ、蛋白合成を阻止させることにより抗菌作用を発揮します。また、本剤は動物のリボゾームには作用せず、細菌のリボゾームの 30S サブユニットに特異的に作用することから、選択毒性を有すると報告されています。
【合成の経緯】
広域スペクトルのナフタセン抗生物質であるテトラサイクリンの塩酸塩は、細菌Streptomycesaureofaciensから単離された抗生物質であるクロルテトラサイクリンから半合成的に生成されました。 |
使用方法 |
経口:テトラサイクリン塩酸塩として、通常成人 1 日 1g(力価)を 4 回に分割経口投与
します。小児には 1 日体重 1kg あたり 30mg(力価)を 4 回に分割経口投与します。
トローチ:通常、1 日 4~9 錠〔1 錠中テトラサイクリン塩酸塩として 15mg(力価)を含有〕
を数回に分け、口中、舌下、頬腔で溶かしながら用います。
軟膏:1日数回直接患部に塗布します。
眼軟膏:無刺激性の軟膏基剤を用いて 0.5~1.0%眼軟膏とし、適量を 1 日 1~数回塗布します。
点眼液:滅菌精製水等の水性溶剤または植物油等の非水性溶剤を用いて 0.5~1.0%点眼液とし、適量を 1 日 1~数回点眼します。 |
副作用 |
主な副作用
過敏症、光線過敏症、肝障害、消化器症状、 血液症状、菌交代症、ビタミン欠乏症、頭蓋内圧上昇
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 テトラサイクリン系薬剤にアレルギー反応を示したことがある方
肝機能障害のある患者
腎機能障害のある患者
8歳未満の小児
使用に注意が必要な方 高齢者:
生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすいため、注意が必要です。また、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがあります。
妊婦・産婦:
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することが可能です。(胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがあります。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められています。)
授乳婦:
投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させることが必要です。(母乳中へ移行することが報告されています。)
上記にあてはまる方は、テトラサイクリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 テトラサイクリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・カルシウム、マグネシウム、アルミニウム又は鉄剤:
本剤と二価又は三価の金属イオンが消化管内で難溶性のキレートを形成して、本剤の吸収を阻害します。本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあります。
両剤の服用間隔を 2~4 時間とすることが必要です。
・ランタン:本剤とランタンが難溶性の複合体を形成し、本剤の腸管からの吸収を妨げることが考えられます。本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあるので、左記薬剤服用後、2 時間以上あけて投与することが必要です。
・抗凝血剤 (ワルファリンカリウム等):
本剤による腸内細菌の減少が、ビタミン K 合成を阻害し、抗凝血剤の作用を増強するほか、本剤がカルシウムイオンとキレート結合し、血漿プロトロンビン活性を抑制すると考えられています。
・スルホニル尿素系血糖降下薬:
スルホニル尿素系薬剤の血糖降下作用がオキシテトラサイクリン及びドキシサイクリンによって増強されるという報告があります。
・メトトレキサート:
本剤は血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの作用を増強させることが考えられます。
・ポルフィマーナトリウム;
皮膚の光感受性を高める薬剤との併用により、本剤による光線過敏症が増強されることが考えられます。直射日光、集中光等を避ける必要があります。
・ジゴキシン:
本剤による腸内細菌の減少のため、腸内細菌によるジゴキシンの代謝が不活性化され、ジゴキシンの血中濃度が上昇すると考えられます。そのため、ジゴキシンの中毒症状が現れることがあります。
・黄体・卵胞ホルモン配合剤/経口避妊剤:
本剤による腸内細菌の減少のため、黄体・卵胞ホルモン配合剤の腸肝循環による再吸収が抑制されると考えられます。そのため、黄体・卵胞ホルモン配合剤の効果の減弱化や不正性器出血の発現率が増大する恐れがあります。
・ボツリヌス毒素製剤:
本剤およびボツリヌス毒素製剤はともに筋弛緩作用を有するため、作用が増強されるおそれがあります。そのため、閉瞼不全、頸部筋脱力、呼吸困難、嚥下障害等のリスクが高まるおそれがあります。
・アトバコン:
本剤との併用によりアトバコンの血漿中濃度が約 40%低下したという報告があります。
上記を使用している方は、テトラサイクリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 テトラサイクリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |