セファクロル

成分名

セファクロル

適応症状

◆カプセル・細粒小児用
<適応症>
表在性皮膚感染症/深在性皮膚感染症/リンパ管・リンパ節炎/慢性膿皮症/外傷・熱傷及び手術創等の二次感染/乳腺炎/咽頭・喉頭炎/扁桃炎/急性気管支炎/肺炎/慢性呼吸器病変の二次感染/膀胱炎/腎盂腎炎/麦粒腫/中耳炎/歯周組織炎/歯冠周囲炎/顎炎/猩紅熱
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属/レンサ球菌属/肺炎球菌/大腸菌/クレブシエラ属/プロテウス・ミラビリス/インフルエンザ菌
◆顆粒
<適応症>
深在性皮膚感染症/リンパ管・リンパ節炎/慢性膿皮症/咽頭/喉頭炎/扁桃炎/急性気管支炎/慢性呼吸器病変の二次感染/中耳炎
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属/レンサ球菌属(肺炎球菌を除く)/大腸菌/クレブシエラ属/インフルエンザ菌

簡易説明

「セファクロル」は、セフェム系の抗生物質で、細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示します。
通常、皮膚科領域、外科領域、呼吸器、尿路、眼科領域、耳鼻科領域、歯科・口腔外科領域など広い範囲の感染症の治療に使用されます。
経口用第一世代セフェム系抗生物質で、他のβ—ラクタム薬と同様、細胞壁の合成阻害にあり、主にペニシリン耐性の黄色ブドウ球菌を含む各種のグラム陽性菌およびインフルエンザ菌などのグラム陰性菌に対し、広い抗菌スペクトラムと強い抗菌力を示します。

処方可能な診療科目

内科/外科/循環器科/呼吸器科/耳鼻咽喉科/泌尿器科/歯科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
新薬カプセル250mg 54.7円/カプセル(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月:1982年1月

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ケフラールカプセル250mg 【製薬メーカー:共和薬品工業】
L-ケフラール顆粒375mg 【製薬メーカー:共和薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

セファクロル細粒100mg
セファクロル細粒小児用10%「JG」「サワイ」
ケフラール細粒小児用100mg
セファクロル細粒10%/20%「日医工」
セファクロル250mgカプセル
トキクロルカプセル250mg
セファクロルカプセル250mg「日医工」「TCK」「トーワ」「JG」「SN」「サワイ」「SW」

効果・作用

「セファクロル」は第一世代セフェム系薬に分類される抗生物質です。
細菌の細胞壁合成を阻害する作用を持ち、細菌の成長・分裂・増殖を妨げる効果を持ちます。
細菌は細胞壁とよばれる防御壁をもちますが、細菌の細胞壁の合成に深く関わるタンパク質にペニシリン結合タンパク質(PBP)というものがあります。
ペニシリン結合タンパク質(PBP)に作用して、細菌の細胞壁合成を阻害して細菌を殺すことにより殺菌的に作用します。
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌に対して強い抗菌活性を持ちます。
抗生物質とは人間や動物の体内で悪さをする細菌に対して効果を発揮する薬のことで、食中毒をはじめとする感染症の治療などに使用されます。また、抜歯後の感染症の予防として歯医者で処方されることもあります。
抗生物質は細菌に対して効果を発揮する薬なので、インフルエンザやヘルペスなどのウイルス性の病気、カンジダなどの真菌(カビ)による病気には効果がありません。
ケフラールには、「カプセル剤」と「粉薬」がありますが、ケフラールカプセル・ケフラール細粒小児用と、L-ケフラール顆粒では適応のある細菌が異なります。

試験管内で好気性グラム陽性菌のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、グラム陰性菌の大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌に対して抗菌力を示します。リケッチア属、クラミジア属、マイコプラズマ属、ウイルス、真菌及び原虫には増殖阻止効果を示さない。細菌の産生する不活化酵素セファロスポリナーゼに対して、試験管内で安定性を示します。
作用機序としては、細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を発揮し、作用は殺菌的であります。セファレキシンより低濃度・短時間で殺菌に至らしめます。

使用方法

▼用法用量
・成人及び体重20kg以上の小児にはセファクロルとして1日750mg(力価)を3回に分割して経口投与します。重症の場合や分離菌の感受性が比較的低い症例には1日1500mg(力価)を3回に分割して経口投与します。なお、年齢、体重、症状等に応じ適宜増減します。
※重要な基本的注意
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために原則として感受性を確認して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。

副作用

主な副作用
副作用発現状況の概要について、承認時における安全性評価対象例2659例(カプセル250mg,カプセル500mg※投与例を含む)中、臨床検査値の異常変動を含む140例(5.27%)で副作用が認められました。
再審査終了時における安全性評価対象例17589例(カプセル250mg,カプセル500mg※投与例を含む)中、臨床検査値の異常変動を含む253例(1.44%)で副作用が認められました。
副作用の発現頻度は、セファクロル製剤(セファクロルカプセル・細粒・複合顆粒)の承認時、再審査終了時の成績及び自発報告等に基づきます。

重大な副作用
▼ショック,アナフィラキシー(0.1%未満)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、全身潮紅、浮腫等)を起こすことがあります。観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止して適切な処置を行ってください。
▼急性腎障害(頻度不明)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少(頻度不明)
汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあります。異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼偽膜性大腸炎(0.1%未満)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあります。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼間質性肺炎,PIE症候群(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には投与を中止して、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行ってください。
▼肝機能障害,黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください
▼溶血性貧血
他のセフェム系抗生物質で溶血性貧血があらわれることが報告されています。異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・発疹
・蕁麻疹,紅斑,そう痒,発熱等
・リンパ腺腫脹,関節痛
・顆粒球減少,貧血(赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少),血小板減少,好酸球増多等
・AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇
・Al-P上昇
・黄疸
・BUN上昇,血清クレアチニン上昇
・悪心,下痢,腹痛
・嘔吐,胃不快感,胸やけ,食欲不振等
・口内炎,カンジダ症
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等),ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等)
・頭痛,めまい等

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■セファクロルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方セファクロル(ケフラールカプセル250mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ケフラールカプセル250mgの有効成分
セファクロル 250mg(力価)
▼ケフラールカプセル250mgの添加物
トウモロコシデンプン/タルク/ステアリン酸マグネシウム/含水二酸化ケイ素/デンプングリコール酸ナトリウム
カプセル本体中:ラウリル硫酸ナトリウム/ゼラチン/酸化チタン/青色1号

使用に注意が必要な方
■セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者は投与しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に投与してください。
■ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■高度の腎障害のある患者
高度の腎障害のある患者は血中濃度が持続します。投与量を減らすか、投与間隔をあけて使用してください。
■経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者はビタミンK欠乏症状があらわれることがあります。観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいことや、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある為、用量並びに投与間隔に留意するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
■妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。
また、授乳中の婦人には投与を避けることが望ましいです。やむを得ず投与する場合は授乳を中止してください。ヒト母乳中へ移行することが報告されています。

上記にあてはまる方は、セファクロルを使用する事が出来ない可能性があります。
セファクロルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
膀胱炎でケフラールを処方されました。前回膀胱炎になった時に処方された薬は別のだった気がしますが、これでいいのでしょうか?

医師はその時の膀胱炎にはこの抗生物質が効くと判断して処方してます。安心して処方された抗生物質を使用してください。
ただし、処方された抗生物質を指示どおりに使用しても症状改善しない場合は、必ず医師に報告してください。

セファクロルを飲んで車を運転してもいいでしょうか?

セファクロルは、眠気についての注意喚起はありません。
もしセファクロルを使用して眠気が出てくるとすれば、併用しているほかの薬や、体が細菌と戦っているために起こる防御反応などが原因として考えられます。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。