コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム

成分名

コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム

適応症状

眼瞼炎/涙嚢炎/麦粒腫/結膜炎/角膜炎/感染性腸炎/各種感染症 など

簡易説明

「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」は構造がおもにペプチド結合からなるペプチド系抗菌性物質で、強い陽性荷電と疎水性を示す抗生物質となっています。
日本では、グラクソ・スミスクラインがオルドレブの商品名で販売しており、また、サンファーマがコリマイシンの商品名で販売しています。
濃度依存的かつ強力な短時間殺菌作用が特徴で、緑膿菌、アシネトバクター属菌、大腸菌等一部のグラム陰性菌に対して特に抗菌活性を持ちます。
「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」は構造がおもにペプチド結合からなるペプチド系抗菌性物質ですが、この系統の飲み薬の場合は体内に吸収されないため、腸の感染症以外の病気には用いません。

処方可能な診療科目

内科/消化器科/循環器科/耳鼻咽喉科/泌尿器科/眼科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
コリマイシン散200万単位/g 43円/g(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1960年11月認可

国内のジェネリック認可

-

関連製品(先発薬)

コリマイシン散200万単位/g【製薬メーカー:サンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」は強い陽性荷電と疎水性を示す、構造がおもにペプチド結合からなるペプチド系抗菌性物質となっています。
「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」は、カルシウムとマグネシウムの架橋により安定化されている脂質二重膜から成る外膜と内膜を有するグラム陰性菌に接近して、コリスチンのポリカチオン性ペプチド環が細菌に結合して、カルシウムとマグネシウムの架橋構造を崩壊させます。
そして、細菌の外膜のリポ多糖体と相互作用することで、外膜内部に入り込んで細胞膜の透過性を上昇させることにより、細胞の内容物を漏洩させてることで、細胞を死滅させて殺菌的に作用します。
「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」は白色~淡黄白色の粉末で、水に溶けやすくてエタノールにほとんど溶けません。
また、耐性を獲得し難く、他種抗生物質との間には交叉耐性がないため他種抗生物質耐性菌にも有効です。
「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」は濃度依存的かつ強力な短時間殺菌作用が特徴となっており、緑膿菌、アシネトバクター属菌、大腸菌等一部のグラム陰性菌に対して特に抗菌活性を持ちます。
塩基性ポリペプチド系の抗生物質で、グラム陰性桿菌(大腸菌、赤痢菌)の細胞質膜を障害することにより、殺菌的に抗菌作用を示します。
通常、感染性腸炎の治療に用いられます。
ペプチド系抗菌性物質である「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」は、飲み薬の場合は体内に吸収されないことから、腸の感染症以外の病気には用いません。
「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」は過量投与により神経筋接合部が遮断され、筋力低下、無呼吸、場合によっては呼吸停止が引き起こされる可能性があり、また、尿量減少、血清BUN及びクレアチニン濃度の上昇を特徴とする急性腎不全が引き起こされる可能性もあります。
使用にあたっては、「厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き」を参照して、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」の投与が適切と判断される場合に投与します。
「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。

使用方法

▼感染性腸炎の用法用量
・成人にはコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムとして1回300万~600万単位を1日3~4回経口投与します。小児には1日30万~40万単位/kgを3~4回に分割経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減します。ただし、小児用量は成人量を上限とします。

▼用法用量に関連する使用上の注意
・耐性菌の発現等を防ぐため、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
・感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行ってください。
・ボツリヌス毒素製剤との併用には注意が必要です。過剰な筋弛緩があらわれる恐れがあり、閉瞼不全、頸部筋脱力、呼吸困難、嚥下障害等のリスクが高まるおそれがあります。
・パロモマイシン硫酸塩との併用には注意が必要です。腎障害があらわれることがあります。腎障害があらわれた場合には、必要に応じて投与中止等の適切な処置を行ってください。

副作用

副作用発現状況の概要について、多剤耐性グラム陰性桿菌患者を対象とした6つの海外臨床試験において、主な有害事象(本薬との関連性の有無にかかわらず発現した事象)として腎機能障害、神経系障害の副作用が確認されており、6試験を合算した各事象の発現割合は腎機能障害21%(53/248例)、神経系障害2%(6/276例)となっています。

重大な副作用
▼腎不全、腎機能障害(頻度不明)
腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼呼吸窮迫、無呼吸(頻度不明)
神経系障害として呼吸窮迫、無呼吸があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼偽膜性大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・そう痒症、全身性そう痒症、蕁麻疹、発疹
・悪心.嘔吐、食欲不振、下痢等
・尿量減少
・錯乱、精神病性障害、運動失調、不明瞭発語、錯感覚、頭痛、浮動性めまい
・回転性めまい
・視覚障害
・筋力低下
・過敏症反応(皮疹、血管浮腫)、発熱
・注射部位反応、注射部位刺激感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ポリミキシンB又はコリスチンに対する過敏症の既往歴のある患者
ポリミキシンB又はコリスチンに対する過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意が必要です。慎重に投与してください。

■妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与してください。妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。

■小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・筋弛緩剤(ツボクラリン、スキサメトニウム、ボツリヌス毒素製剤など)
・筋弛緩作用を有する薬剤(アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイシンなど)、ポリミキシンB、エーテルなど)
・バンコマイシン
・アミノグリコシド系抗生物質

上記を使用している方は、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」の飲み薬で気をつけることはありますか?

決められた飲み方を守り、コップ1杯ほどの十分な水で飲んでください。

「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム」はどのような系統の抗生物質ですか?

ペプチド系の抗生物質になります。

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