成分名 |
スルタミシリントシル |
適応症状 |
表在性皮膚感染症/深在性皮膚感染症/リンパ管・リンパ節炎/慢性膿皮症/咽頭・喉頭炎/扁桃炎/急性気管支炎/肺炎/肺膿瘍/慢性呼吸器病変の二次感染/膀胱炎/腎盂腎炎/中耳炎/副鼻腔炎
<適応菌種>
スルバクタム/アンピシリンに感性のブドウ球菌属/レンサ球菌属/肺炎球菌/腸球菌属/淋菌/大腸菌/プロテウス・ミラビリス/インフルエンザ菌 |
簡易説明 |
スルタミシリントシルは、β-ラクタマーゼ阻害作用により安定した抗菌力を発揮するペニシリン系の抗生物質で、病気(感染症)の原因となる様々な細菌の細胞壁合成を阻害し、殺菌作用を示します。
通常、皮膚感染症、呼吸器感染症、耳鼻科感染症など広い範囲の感染症の治療に使用されます。真菌やウイルス性感染症には効果がありません。 |
処方可能な診療科目 |
内科/皮膚科/呼吸器科/循環器科/泌尿器科/耳鼻咽喉科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ユナシン錠375mg 60円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 1987年7月 |
国内のジェネリック認可 |
海外ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
ユナシン錠375mg 【製薬メーカー:ファイザー】
ユナシン細粒小児用10%100mg【製薬メーカー:ファイザー】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在調査中 |
効果・作用 |
スルタミシリントシルは、β-ラクタマーゼ阻害作用により安定した抗菌力を発揮するペニシリン系の抗生物質です。
皮膚感染症・呼吸器感染症・耳鼻科感染症などの様々な感染症の治療に使用されています。※有効なのは細菌による感染症のため真菌やウイルス性感染症には効果がありません。細菌による二次感染時やその予防にも使用されています。
体内で、抗生物質のアンピシリンとβラクタマーゼ阻害剤のスルバクタムへ分裂します
アンピシリンはペニシリン結合タンパク質に作用して、細菌の細胞壁合成を阻害して細菌を殺すことにより殺菌作用を示します。
スルバクタムは、細菌が作るβラクタマーゼという抗生物質分解酵素を阻害することで、アンピシリンの分解・無効化を防ぎます。
β-ラクタマーゼによるアンピシリンの加水分解が阻害され、アンピシリン本来の広く強い抗菌力が発揮されます。
ユナシン錠は、米国ファイザー社で開発されたβ-ラクタマーゼ阻害剤のスルバクタムとアンピシリンをエステル結合させた化合物(mutual prodrug)であり、酸に安定で脂溶性が高く、経口投与により効率よく腸管から吸収されます。生体内ではアンピシリン及びスルバクタムとして作用します。いずれも単独投与時より高い血中・尿中及び組織内濃度を示します。
ユナシン錠は、スルバクタムのβ-ラクタマーゼ阻害作用によりアンピシリン本来の抗菌力を発揮させ、アンピシリン耐生菌による感染症に対しても優れた臨床効果を示します。
日本国においては、1986年9月に製造承認され、翌年7月にユナシン錠が発売されました。この他の製剤としてユナシン細粒小児用があります。
使用にあたっては、「厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き」を参照して、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、「スルタミシリントシル」の投与が適切と判断される場合に投与します。 |
使用方法 |
▼用法用量
・スルタミシリンとして、通常成人1回375mg(力価)を1日2~3回経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。
▼重要な基本的注意
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
・ショックがあらわれるおそれがあります。十分な問診を行ってください。
・急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行ってください。投与が長期にわたる場合には、定期的に検査を行うことが望ましいです。
・無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少等の重篤な血液障害があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行ってください。投与が長期にわたる場合には、定期的に検査を行うことが望ましいです。
・肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行ってください。投与が長期にわたる場合には、定期的に検査を行うことが望ましいです。 |
副作用 |
重大な副作用
▼ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)
急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼血液障害(頻度不明)
無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少等の重篤な血液障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼出血性大腸炎、偽膜性大腸炎(頻度不明)
出血性大腸炎、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあります。腹痛、下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行ってください。
▼肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・発疹
・蕁麻疹、そう痒
・多形紅斑、血管浮腫、皮膚炎
・好酸球増多
・顆粒球減少、血小板減少、白血球減少、好中球減少
・貧血
・AST、ALT、Al-Pの上昇
・下痢・軟便
・悪心・嘔吐、胃部不快感、胃・腹部痛
・食欲不振、舌炎
・黒毛舌、消化不良、胸やけ
・口内炎
・めまい
・痙攣
・発熱、頭痛、倦怠感、傾眠
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)、呼吸困難、疲労
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
■伝染性単核症の患者
伝染性単核症の患者はアンピシリンの投与により発疹が高頻度に発現したとの報告があります。投与しないでください。
■スルタミシリントシルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方スルタミシリントシル(ユナシン錠375mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ユナシン錠375mgの有効成分
1錠中 日局 スルタミシリントシル酸塩水和物 375mg(力価)
▼ユナシン錠375mgの添加物
乳糖水和物/トウモロコシデンプン/デンプングリコール酸ナトリウム/ヒドロキシプロピルセルロース/ステアリン酸マグネシウム/ヒプロメロース/酸化チタン/タルク/マクロゴール/カルナウバロウ
使用に注意が必要な方 ■ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)は治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないでください。
■セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。また、ビタミンK欠乏症による出血傾向があらわれることがあります。
■高度の腎機能障害のある患者
高度の腎機能障害のある患者は血中濃度半減期が延長するので、投与量・投与間隔に注意してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。アンピシリンの大量(3,000mg/kg/日)投与でラットに催奇形性が報告されている。アンピシリン及びスルバクタムは胎盤を通過することが報告されています。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。母乳中へ移行することが報告されています。
■小児等
低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすいことや、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがあるので、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、スルタミシリントシルを使用する事が出来ない可能性があります。 スルタミシリントシルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・アロプリノール
・抗凝血剤
・経口避妊薬
・メトトレキサート
・プロベネシド
上記を使用している方は、スルタミシリントシルを使用する事が出来ない可能性があります。 スルタミシリントシルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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