アジスロマイシン

成分名

アジスロマイシン

適応症状

深在性皮膚感染症/リンパ管・リンパ節炎/咽頭・喉頭炎/扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)/急性気管支炎/肺炎/肺膿瘍/慢性呼吸器病変の二次感染/尿道炎/子宮頸管炎/骨盤内炎症性疾患/副鼻腔炎/歯周組織炎/歯冠周囲炎/顎炎

簡易説明

マクロライド系の抗生物質になり、細菌のタンパク質の合成を阻止し細菌の増殖を抑える作用があります。
幅広い感染症の治療に用いられます。

処方可能な診療科目

総合内科/内科/皮膚科/歯科/耳鼻咽喉科/泌尿器科/小児科/婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,500円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:250㎎約230円/600mg約650円(薬価)
点滴静注用の目安 :500㎎約2435円/瓶(薬価)
細粒小児用の目安  :100㎎約253円(薬価)
SR成人用ドライシロップの目安 :2g約2020円/瓶(薬価)

薬代後発薬1錠の目安:250mg約110円/500㎎約200円(薬価)
後発細粒小児用の目安  :100㎎約131円(薬価)
後発カプセル小児用の目安 :100㎎約96円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2000(平成12)年に販売開始

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

ジスロマック錠【製薬メーカー:ファイザー製薬】
ジスロマック点滴静注用【製薬メーカー:ファイザー製薬】
ジスロマック細粒小児用【製薬メーカー:ファイザー製薬】
ジスロマックSR成人用ドライシロップ【製薬メーカー:ファイザー製薬】
ジスロマックカプセル小児用【製薬メーカー:ファイザー製薬】

関連製品(ジェネリック)

アジー/アジードライシロップ/ジスリン/アジスロマイシン錠250㎎/アジスロマイシン錠500㎎/アジスロマイシン細粒小児用/ アジスロマイシンカプセル小児用

効果・作用

アジスロマシンが配合されている、ジスロマックという医薬品が有名です。

▼アジスロマイシンの作用
アジスロマイシンは細菌による感染症に効果・作用がある、マクロライド系の抗生物質になります。
細菌が増殖するには新しいタンパク質が必要となってきます。
アジスロマイシンは細菌のタンパク質合成に必要なリボソームと言われる器官の働きを抑制し、タンパク質の合成をできなくします。
よってタンパク質が合成できなくなった細菌は増殖する事が出来ずに殺菌する事ができるのです。
アジスロマイシンは風邪やインフルエンザには効果が見込めません。
風邪やインフルエンザなどの症状の原因は細菌ではなくウイルスになるため、このようなウイルスには増殖を抑制する抗ウイルス薬、免疫力を高めるワクチンでしか効果を発揮することができないからです。
しかし、風邪やインフルエンザにかかったときに細菌による二次感染が起きた場合は予防や治療のためにアジスロマイシンが有効となってきます。

▼クラミジア感染症に対する効果
クラミジアトラコマティスという病原菌に感染することで引き起こる感染症で、近年10代~20代の若い男女を中心に増加傾向にある感染症になります。
感染しても自覚症状を感じにくいことが特徴であり、2次感染を含めると国内で男女合わせると100万人以上の感染者がいると報告があります。
他の抗生物質と比較してもクラミジアの耐性菌も比較的少ないとされています。
臨床試験結果では、クラミジアトラコマティスによる尿道炎、子宮頸管炎に対するアジスロマシン1,000mgの有効率として90.7%(被験者108人のうち98人に有効性が確認されました。)という結果が出ています。
アジスロマイシンは感染後の治療に対してだけではなく2次感染を予防してくれる効果もあります。

▼歯周病に対する効果
歯周病は、主にグラム陰性の様々な細菌の塊である歯垢(プラーク)が温床となる感染症です。
歯周病を改善するためには、抗生物質を使用し口腔内の菌量を減らす治療が効果的となります。
幅広い適応菌種をもつアジスロマイシンは、歯周病の病原菌を一気に死滅させる効果があります。

▼マイコプラズマ肺炎に対する効果
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ属の細菌に感染することで起こる肺炎になります。
5歳~15歳未満の年齢帯に多く発症する傾向が強いとされていますが、発症者を媒介に成人や乳幼児にも感染します。
肺炎全体の約2割がマイコプラズマを原因として起こるといわれています。 マイコプラズマ肺炎治療の第一選択薬は、ジスロマックをはじめとするマクロライド系の抗生物質です。
ペニシリン系やセフェム系の抗生物質では効果が見込めません。

▼扁桃炎に対する効果
扁桃炎は、細菌やウイルスが扁桃腺で炎症を起こすことによって扁桃炎になるのですが、アジスロマイシンは扁桃炎も効果があります。
症状としては、喉が赤く腫れる、喉がイガイガがする、喉のリンパ節が腫れる、ツバを飲み込む時に痛みを感じる、食べ物や飲み物を飲み込むのが辛いといった症候があらわれます。
症候が重い場合は、38度から40度の高熱が出ることもあります。
アジスロマイシンを服用する事で、扁桃炎を引き起こす原因である細菌の炎症を抑える事ができます。

【アジスロマイシンの効果・作用まとめ】
①幅広い細菌感染症に効果・作用があるマクロライド系の抗生物質です。
②ウイルス系の症状には効果が期待できません。

使用方法

アジスロマイシンは治療したい病気や症状によって用法・用量が異なります。
一般的な服用方法としては500mgを1日に1回。それを3日連続で飲みます。
▼アジスロマイシン錠の服用方法
【深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎】
成人にはアジスロマイシンとして、500mg(力価)を1日1回、3日間合計1.5g(力価)を経口投与する。
【尿道炎、子宮頸管炎】
成人にはアジスロマイシンとして、1000mg(力価)を1回経口投与する。
【骨盤内炎症性疾患】
成人にはアジスロマイシン注射剤による治療を行った後、アジスロマイシンとして250mg(力価)を1日1回経口投与する。

▼ジスロマックSR成人用ドライシロップの服用方法
成人にはアジスロマイシンとして、2g(力価)を用時水で懸濁し、空腹時に1回経口投与する。

▼ジスロマック細粒小児用の服用方法
小児には、体重1kgあたり10mg(力価)を1日1回、3日間経口投与する。
ただし、1日量は成人の最大投与量500mg(力価)を超えないものとする。

▼アジスロマイシンカプセル小児用の服用方法
小児には、体重1kgあたり10mg(力価)を1日1回、3日間経口投与する。
ただし、1日量は成人の最大投与量500mg(力価)を超えないものとする。

▼症状の発症を抑制したい場合
成人はアジスロマイシンとして、1200mg(力価)を週1回経口服用する。

副作用

アジスロマシシンの副作用
腹痛/下痢/食欲不振/吐き気など

アジスロマイシンには、副作用が起こる可能性があります。
アジスロマイシンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

副作用の出方は、個人差や服用量によっても違ってきます。
殆どの場合は、薬の効果が切れる頃には症状も収まる軽い副作用でしょう。
アジスロマイシンは、医師や薬剤師に指示された、用法・用量を守っていれば安全に使用出来るお薬です。

■アジスロマイシン副作用(重度)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
▼アナフィラキシーショック
皮膚の発赤やかゆみ、唇や手足のしびれ、気道狭窄、呼吸困難など
▼中毒性表皮壊死融解症・皮膚粘膜眼症候群・急性汎発性発疹性嚢胞症
高熱、目や口の粘膜の周りの水ぶくれなど
▼薬剤性過敏性症候群
発熱、発疹など
▼肝炎・肝機能障害・黄疸・肝不全
発熱、発疹、倦怠感、嘔吐、吐き気など
▼急性腎不全
嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛、体重減少、血尿など
▼偽膜性大腸炎・出血性大腸炎
腹痛、血便、下痢など
▼間質性肺炎・好酸球性肺炎
発熱、咳、呼吸困難など
▼QT延長・心室性頻脈
動悸、胸痛、めまいなど
▼白血球減少、顆粒球減少、血小板減少
高熱、悪寒など
▼横紋筋融解症
四肢の脱力、筋肉痛、しびれ、腫れなど

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

■アジスロマイシンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(ジスロマックの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ジスロマックの有効成分
アジスロマイシン

▼ジスロマックの添加物
・無水リン酸水素カルシウム
・部分アルファー化デンプン
・クロスカルメロースナトリウム
・ステアリン酸マグネシウム
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ヒプロメロース
・乳糖水和物
・酸化チタン
・トリアセチン

■高齢者の方
本剤の臨床試験成績から、高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では、生理機能が低下しており、血中・組織内濃度が高くなることがあるので、患者の一般状態に注意して投与してください。
また、高度な肝機能障害を有する場合は、投与量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。
投与後に異常が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。
また、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察並びに対症療法を行う場合には十分な期間行うこと。
■妊婦の方
妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。妊婦又は妊娠している可能性のある方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
■授乳婦の方
ヒト母乳中に移行することが報告されています。授乳中の方に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止してください。
■小児
①低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
②承認時に、小児で白血球数減少が認められたのは442例中33例で、このうち9例において好中球数が1000/mm3以下に減少した。
白血球数減少が認められた症例の多くは、投与開始7日後あるいは8日後の検査日において回復がみられた。したがって、顆粒球数(好中球数)減少もあわせて十分観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、必要があれば、他の抗菌薬に切り替えた上、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行うこと。
③承認時の小児における下痢の発現頻度は、2歳未満(124例中8例)では2歳以上(602例中6例)と比べて高いので注意し、これらの症状が認められた場合には症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。
④市販後の自発報告において、小児における興奮の報告が成人に比べて多い傾向が認められているので注意するしてください。

上記にあてはまる方は、アジスロマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
アジスロマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

アジスロマイシンには併用禁忌薬はありませんが併用注意の医薬品はあります。
併用注意な医薬品を下記にまとめました。

制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)/ワルファリン/シクロスポリン/メシル酸ネルフィナビル/ジゴキシン

アジスロマイシンと飲み合わせが良くない食品
■乳製品
牛乳などの乳製品に含まれるカルシウムが、アジスロマイシンの吸収を阻害し、効果を弱めてしまうことがあります。
胃の中で一緒になることが問題なので、アジスロマイシンを飲んで1時間くらい経過してから牛乳などを飲むようにすれば問題はありません。
■アルコール
アルコールは、アジスロマイシンの吸収を阻害し、薬の血中濃度を上げてしまいます。
肝臓に負荷がかかり、思わぬ副作用を招く恐れが考えられます。アジスロマイシン服薬中の飲酒は原則として控えるようにしてください。
■グレープフルーツジュース
柑橘系の中でもグレープフルーツは、アジスロマイシンを代謝する酵素を阻害してしまい、薬の効きが強くなってしまいます。
コップ1杯でも影響が出ます。アジスロマイシンと一緒に飲むことで、腎機能障害、胃腸の出血など重篤な副作用を招く恐れがあります。
同時に摂取した場合に限らず、グレープフルーツによる影響は、10時間持続するといわれていますのでジスロマック服用中はグレープフルーツの摂取を控えるようにしてください。
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

シルデナフィルに関する
よくある質問
アジスロマイシンの副作用で下痢と腹痛が酷いです。服用やめても大丈夫ですか?

副作用が強いのであれば服用を中止して様子を見るようにしてみてください。 整腸剤などがあれば一緒に併用もしみてください。

低用量ピルとアジスロマイシンとは併用して飲んでも大丈夫ですか?

低用量ピルとアジスロマイシンは併用禁忌ではありませんので併用は特に問題はありません。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。