アモキシシリン

成分名

アモキシシリン

適応症状

表在性皮膚感染症/深在性皮膚感染症/リンパ管・リンパ節炎/慢性膿皮症/外傷・熱傷及び手術創等の二次感染/びらん・潰瘍の二次感染/乳腺炎/骨髄炎/咽頭・喉頭炎/扁桃炎/急性気管支炎/肺炎/慢性呼吸器病変の二次感染/膀胱炎/腎盂腎炎/前立腺炎(急性症、慢性症)/精巣上体炎(副睾丸炎)/淋菌感染症/梅毒/子宮内感染/子宮付属器炎/子宮旁結合織炎/涙嚢炎/麦粒腫/中耳炎/歯周組織炎/歯冠周囲炎/顎炎/猩紅熱/胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症

簡易説明

アモキシシリンはペニシリン系の抗生物質になります。
細菌の細胞壁の合成を阻止して増殖を抑える幅広い感染症の治療に用いられます。

処方可能な診療科目

内科/性病科/小児科/消化器内科/性病科/耳鼻咽喉科/歯科/婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,500円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:250㎎約16円(薬価)
カプセルの目安 :125㎎約11.20/250㎎約11.30円(薬価)
細粒10%の目安 :100㎎約10.90円(薬価)

薬代後発カプセルの目安:125㎎約9.90円/250㎎約8.60円(薬価)
後発細粒の目安 :100㎎約7.50円/200㎎約12.70円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1975年に販売開始

国内のジェネリック認可

ジェネリック有り  2012年6月に販売開始

関連製品(先発薬)

サワシリン錠【製薬メーカー:アステラス製薬】
サワシリン細粒【製薬メーカー:アステラス製薬】
サワシリンカプセル【製薬メーカー:アステラス製薬】
パセトシン錠【製薬メーカー:アステラス製薬】
パセトシン細粒【製薬メーカー:アステラス製薬】
パセトシンカプセル【製薬メーカー:アステラス製薬】
アモリンカプセル【製薬メーカー:アステラス製薬】

関連製品(ジェネリック)

アモキシシリン/アモリン細粒/アモキシシリン細粒/ワイドシリン細粒/アモリンカプセル/アモキシシリンカプセル

効果・作用

アモキシシリンが配合されている、サワシリンという医薬品が有名です。

▼アモキシシリンの作用
アモキシシリンは、体内の細菌を死滅させる効果がありペニシリン系の抗生物質に分類されます。
インフルエンザ菌・肺炎球菌などの細菌が原因で発症する感染症に非常に効果があることが報告されています。 アモキシシリンは呼吸器の感染症に多く使われます。
そのため、風邪の症状のときも処方されやすいです。
アモキシシリンは他にも、 耳の炎症の中耳炎 泌尿器の炎症の膀胱炎 性感染症の梅毒や淋病などにも非常に効果的な抗生物質になります。 アモキシシリンには解熱作用はありません。
風邪を引いたときにアモキシシリンが多く使用されるので、解熱作用もあると勘違いをししまうのかもしれません。
抗生物質のアモキシシリンは細菌を死滅させるのに効果を発揮する薬です。 抗生物質全体にいえることですが、細菌が原因で感染症を発症したときに効果があります。
アモキシシリンは、細菌の細胞壁合成を阻害する作用があります。 アモキシシリンは細菌を死滅させることで感染症を完治させます。
そのため、アモキシシリンには熱自体を下げる効果はないのです。 熱が下がるのは、細菌が死滅したことで下がっていたのです。
熱が出ているときに抗生物質を服用しても効果がありません。
アモキシリンの症状への適応については、しっかりとした検査を行ったうえで適切な処方を行うべきですが、一般的にクラミジアは細菌性であれば一定の効果を感じられる可能性があり、ヘルペスはウイルス、カンジダは真菌が原因となっていることが多いため効果は期待できません。

【梅毒にはアモキシシリン】
様々な性感染症がありますが、その代表的なものとして『梅毒』『淋病』があります。 一度の性行為で梅毒に感染する確率は15~30%といわれています。
最近では、性行為以外にもオーラルセックスからの感染が増えています。 比較的感染しやすいので、口の周辺にケガなどをしている場合はキスだけで感染することもあります。
梅毒に感染すると、感染から3週間~3ヶ月ほどで感染した部位に小さくて硬いシコリのようなものができます。
この状態を第1期梅毒の初期症状と言います。
シコリのようなものは放置していれば自然になくなりますが、病原菌は体内に広がることで梅毒が進行してしまします。

【第2期梅毒症状】
病原体が血液に入り込み、全身に広がるため全身のリンパの腫れ・発熱・関節炎など、様々な症状があらわれます。
全身の皮膚に「バラ疹」と呼ばれる赤いアザのような斑点があらわれます。 また、赤茶色の赤いブツブツが出来る事もあります。
第2期梅毒症状も、放置していれば自然になくなりますがしばらくは無症状が続きます。
現在ではアモキシシリンがあるので放置しない限り、ここまで症状が進行することはあまりありません。

【梅毒男女別症状】
梅毒は、男性も女性も同じ症状があらわれますが、身体の構造が違うため第1期症状でシコリのようなものがあらわれる部位に違いがあります。
男性の場合:亀頭や亀頭と陰茎の境目の部分にシコリのようなものがあらわれます。
女性の場合:膣の入り口・大陰唇や小陰唇にシコリのようなものがあらわれます。 女性の方は、自分の性器を見ることがあまりないので、シコリのようなものに気付かないことが多いです。
ですが、放置してしまいますと梅毒の症状が進行し、治療にも時間がかかります。
梅毒に感染すると病変部分があるとHIV(エイズウイルス)に感染しやすくなります。

▼アモキシシリンの効果持続時間
摂取する成分量によって差があり、約4時間~6時間程度

使用方法

【サワシリン錠の場合】
①ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症
▼成人
アモキシシリン水和物として、1回250mgを1日3~4回経口投与する
なお、年齢、症状により適宜増減する
▼小児
アモキシシリン水和物として、1日20~40mg/kgを3~4回に分割経口投与する
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量として最大90mg/kgを超えない
②ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎、ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用の場合
アモキシシリン水和物として1回750mg、クラリスロマイシンとして1回200mg及びプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる
但し、1回400mg(力価)1日2回を上限とする
③ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合
アモキシシリン水和物として1回750mg、メトロニダゾールとして1回250mg及びプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する
飲み忘れた場合は、気がついた時、できるだけ早く1回分を飲んでください。
ただし、次に通常飲む時間が近い場合は1回とばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

【サワシリン細粒の場合】
①一般感染症(ヘリコバクター・ピロリ感染症を除く)
▼成人
1回250mgを1日3~4回服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減する
▼小児
1日0.2~0.4g/kgを3~4回に分けて服用します。
なお、年齢・症状により適宜増減されますが、1日量として90mg/kgを超えない
②ヘリコバクター・ピロリ感染症
▼成人 1回750mgを他の2つの薬剤〔クラリスロマイシンとプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウムのいずれか)〕と同時に1日2回、7日間服用します。 本剤は1g中に主成分として100mgを含有する製剤です。
いずれも、必ず指示された服用方法に従ってください。
飲み忘れた場合は、気がついた時、できるだけ早く1回分を飲んでください。
ただし、次に通常飲む時間が近い場合は1回とばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

【サワシリンカプセルの場合】
①一般感染症(ヘリコバクター・ピロリ感染症を除く
▼成人
1回1カプセル250mgを1日3~4回服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減する
▼小児
主成分として1日20~40mg/kgを3~4回に分けて服用します。
年齢・症状により適宜増減されますが、1日量として90mg/kgを超えません。
②ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
▼成人 1回3カプセル750mgを他の2つの薬剤〔クラリスロマイシン、メトロニダゾールのいずれかとプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、エソメプラゾール、ボノプラザンのいずれか)〕と同時に1日2回、7日間服用します。
本剤は1カプセル中に主成分として250mgを含有する製剤です。いずれも、必ず指示された服用方法に従ってください。
飲み忘れた場合は、気がついた時、できるだけ早く1回分を飲んでください。
ただし、次に通常飲む時間が近い場合は1回とばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

副作用

アモキシシリンの副作用
下痢/軟便/食欲不振/味覚障害/発疹/浮腫み/眩暈/熱感/AST上昇/ALT上昇/腹痛など

アモキシシリンには、副作用が起こる可能性があります。
アモキシシリンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

副作用の出方は、個人差や服用量によっても違ってきます。
殆どの場合は、薬の効果が切れる頃には症状も収まる軽い副作用でしょう。
アモキシシリンは、医師や薬剤師に指示された、用法・用量を守っていれば安全に使用出来るお薬です。

■アモキシシリン副作用(重度)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
▼アナフィラキシーショック
皮膚の発赤やかゆみ、唇や手足のしびれ、気道狭窄、呼吸困難など
▼中毒性表皮壊死融解症・皮膚粘膜眼症候群・急性汎発性発疹性嚢胞症
高熱、目や口の粘膜の周りの水ぶくれなど
▼黄疸
全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなるなど
▼急性腎不全
尿量減少、むくみ、全身倦怠感など
▼間質性肺炎・好酸球性肺炎
発熱、咳、呼吸困難など

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

■アモキシシリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(サワシリンの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼サワシリンの有効成分
アモキシシリン

▼サワシリンの添加物
・白糖
・カルメロースカルシウム
・ヒドロキシプロピルセルロース
・サッカリンナトリウム水和物
・ステアリン酸マグネシウム
・軽質無水ケイ酸
・香料
・デキストリン
・黄色5号アルミニウムレーキ

■セフェム系抗生物質に対しアレルギー反応を起こしたことのある方
■本人または両親、兄弟が気管支喘息、発疹、蕁麻疹などのアレルギー症状を起こしやすい体質の方
■食べ物や薬などを口から飲み込むことが難しい方または点滴などから栄養を取っている方、全身状態の悪い方
■高度の腎障害のある方
■高齢者の方
上記に当てはまる方はサワシリン使用後の経過に注意が必要です。
薬を服用後に体調に変化があらわれた場合は医師または薬剤師に相談してください。

■妊娠中の方
妊娠中の方はなるべく服用を控えるようにとされていますが、服用がどうしても必要な場合は必要最小限の範囲で服用して下さい。
処方してもらう際は妊娠の有無を必ず医師や薬剤師に伝えるようにして下さい。
■授乳中の方
授乳中の方はなるべく服用を控えるようにとされていますが、服用がどうしても必要な場合は薬が効いているとされる間は授乳は控えるようにしてください。
■生後4週未満の子供・低出生体重児の方
生後4週未満の子供・低出生体重児の場合はヘリコバクター・ピロリ菌感染症、ヘリコバクター・ピロリ菌感染胃炎を除く感染症では服用したケースは少ないとされていますが、医師の判断で使用する場合もあります。

上記にあてはまる方は、アモキシシリンを使用する事が出来ない可能性があります。
アモキシシリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

■ワルファリンカリウム
ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがあります。
■経口避妊薬
経口避妊薬の効果が減弱してしまう可能性があります。
■プロベネシド
本剤の血中濃度を増加させてしまうおそれがあります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、むやみに他の医薬品と併用するのは危険です。
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
アモキシシリンは予防薬として定期的に服用するものですか?

予防的摂取は好ましいと言えません。 定期的に摂取をすると、耐性菌ができてしまうこともあります。

アモキシシリンとアセトアミノフェンの併用は大丈夫ですか?

はい、一緒に併用しても問題はありません。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。