成分名 |
ストレプトマイシン |
適応症状 |
感染性心内膜炎(ベンジルペニシリン又はアンピシリンと併用の場合に限る)/ペスト/野兎病/肺結核及びその他の結核症/マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症/ワイル病 など |
簡易説明 |
「ストレプトマイシン」はアミノ糖を含む配糖体抗生物質の総称であるアミノグリコシド系の抗生物質の一つで、感染性心内膜炎(ベンジルペニシリン又はアンピシリンと併用の場合に限る)、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症、ワイル病などの治療に用いられます。
日本では、Meiji Seikaファルマが硫酸ストレプトマイシンの商品名で販売しています。
「ストレプトマイシン」はストレプトマイシンに感性のマイコバクテリウム属、ペスト菌、野兎病菌、ワイル病レプトスピラに対して強い抗菌活性を持ちます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/循環器科/皮膚科/呼吸器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
硫酸ストレプトマイシン注射用1g「明治」 396円/瓶(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2006年1月認可 |
国内のジェネリック認可 |
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関連製品(先発薬) |
硫酸ストレプトマイシン注射用1g「明治」 【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ)】 |
関連製品(ジェネリック) |
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効果・作用 |
「ストレプトマイシン」はアミノ糖を含む配糖体抗生物質の総称であるアミノグリコシド系抗生物質で、細菌のタンパク合成を阻害して、成長、分裂、増殖を妨げる効果を持ちます。
細菌は生命維持や増殖に必要なタンパク質合成が必要で、タンパク質合成をリボソームという器官で行うのですが、そのリボソームは30Sと50Sというサブユニットに分かれています。
「ストレプトマイシン」はリボソーム30Sサブユニットに作用することで、タンパク質合成を阻害することで細菌の増殖を抑えて殺菌的に作用します。
「ストレプトマイシン」はストレプトマイシンに感性のマイコバクテリウム属、ペスト菌、野兎病菌、ワイル病レプトスピラに対して強いに抗菌活性を持ち、白色~淡黄白色の粉末で、本品は水に溶けやすくてエタノールに極めて溶けにくい特徴があります。
「ストレプトマイシン」について、MAC症を含む非結核性抗酸菌症に使用する際には、投与開始時期、投与期間、併用薬等について国内外の各種ガイドラインである「日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会, 結核,」「Griffith,D.E.,et al., Am.J.Respir.Crit.Care.Med.,」の最新の情報を参考にして投与することや、腎障害のある患者には、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用することなどの注意が必要です。
また、耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。 |
使用方法 |
▼用法用量
[肺結核及びその他の結核症に対して使用する場合]
・成人にはストレプトマイシンとして1日1g(力価)を筋肉内注射します。週2~3日、あるいははじめの1~3ヵ月は毎日、その後週2日投与します。また必要に応じて局所に投与します。ただし、高齢者(60歳以上)には1回0.5~0.75g(力価)とし、小児あるいは体重の著しく少ないものにあっては適宜減量します。なお、原則として他の抗結核薬と併用します。
[マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症に対して使用する場合]
・成人にはストレプトマイシンとして1日0.75~1g(力価)を週2回または週3回筋肉内注射します。なお、年齢や体重や症状により適宜減量します。
[その他の場合]
・成人にはストレプトマイシンとして1日1~2g(力価)を1~2回に分けて筋肉内注射します。なお、年齢や体重や症状により適宜減量します。
▼関連する使用上の注意
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
・本剤をMAC症を含む非結核性抗酸菌症に使用する際には、投与開始時期、投与期間、併用薬等について国内外の各種ガイドライン等、最新の情報を参考にして投与してください。
・腎障害のある患者には投与量を減らすか、投与間隔をあけて使用してください。 |
副作用 |
重大な副作用
▼難聴、耳鳴、眩暈(5%以上又は頻度不明)
難聴、耳鳴、眩暈等の第8脳神経障害(主として前庭機能障害)があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
▼急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止して適切な処置を行ってください。
▼ショック、アナフィラキシー (0.1%未満)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあります。観察を十分に行い、蕁麻疹、心悸亢進、発汗、悪寒、頭痛、全身倦怠感、血圧低下、呼吸困難等があらわれた場合には、投与を中止して適切な処置を行ってください。
▼中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止して適切な処置を行ってください。
▼発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止して副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行ってください。
▼溶血性貧血、血小板減少(0.1%未満)
溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止して適切な処置を行ってください。
▼AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止して適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・腎機能障害(BUN、クレアチニンの上昇等)、浮腫、蛋白尿、血尿、カリウム等電解質の異常
・AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等の肝障害
・顆粒球減少、好酸球増多
・発熱、発疹等
・扁平苔癬型皮疹
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
・注射局所の疼痛又は硬結
・口唇部のしびれ感、蟻走感等
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者
本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者は難聴が発現又は増悪するおそれがあります。投与しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に投与してください。
■腎障害のある患者
腎障害のある患者は高い血中濃度が持続して、腎障害が悪化するおそれがあります。また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。
■肝障害のある患者
肝障害のある患者は肝障害を悪化させるおそれがあります。慎重に投与してください。
■重症筋無力症の患者
重症筋無力症の患者は神経筋遮断作用があります。慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者は腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすいです。また、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがあります。用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
■妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがあります。また、本剤投与中は授乳を避けさせることが望ましいです。ヒト母乳中へ移行します。
■小児等への投与
結核に対して使用する場合は低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していません。また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していません。
上記にあてはまる方は、ストレプトマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 ストレプトマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・アミノグリコシド系抗生物質、ポリぺプチド系抗生物質(ストレプトマイシン、カナマイシンなど)
・麻酔剤、筋弛緩剤(ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、A型ボツリヌス毒素など)
・ジギタリス剤(ジゴキシンなど)
・糖質副腎皮質ホルモン剤、利尿剤
・他の抗結核剤(リファンピシン、イソニアジドなど)
上記を使用している方は、ストレプトマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 ストレプトマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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