成分名 |
テジゾリドリン酸エステル |
適応症状 |
深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染
【適応菌種】
テジゾリドに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) |
簡易説明 |
オキサゾリジノン系の抗菌剤となっております。
・細菌のタンパク質の合成の開始段階を妨害することで、殺菌作用の効果がございます。
・細菌の細胞壁合成に必要となる、タンパク合成の過程において、開始段階を阻害することで抗菌作用がございます。
・難治性において、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や、バンコマイシン耐性腸球菌などの〈耐性菌〉に対しても抗菌活性がございます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/皮膚科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:20366.3円
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 2018年8月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
シベクトロ錠200mg【製薬メーカー:MSD】
シベクトロ点滴静注用200mg【製薬メーカー:MSD】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
▼テジゾリドリン酸エステルの作用▼
・オキサゾリジノン系抗菌薬でとなっております。細菌リボソーム「50Sサブユニットの23S rRNA」に効果があり、70S開始複合体の形成を妨害することで翻訳開始反応を抑制し、蛋白合成を阻害いたします。
・一般的には、組織移行性が良好で、「難治性MRSA感染症」等に対し、治療効果がございます。服用後、薬物の血液中への移行度合いが非常に高いものとなっております。
・グラム陽性球菌に対して選択的に抗菌活性を示します。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、等の耐性菌に対しても効果がございます。
テジゾリドリン酸エステルは、リン酸エステルであり、生体内のホスファターゼにより、細菌学的に活性を持っている「テジゾリド」に変換されます。
▼作用機序▼
・防御壁をもつ細菌は、これがないと生存はできません。細胞壁を作るためにはタンパク合成が必要となり、細菌のタンパク合成の過程を大まかに分類すると「翻訳の開始反応」「翻訳の終了反応」「ペプチド鎖の伸長反応」の過程に分かれます。
タンパク合成においては「リボソーム」と呼ばれる細胞小器官が重要な役割を果たしております。
・細菌のリボソームは「50sサブユニット」と「30sサブユニット」大小2つのタンパク質による複合体から構成されており、タンパク合成の「開始複合体」となり、合成過程の開始段階で50sサブユニットに結合し、開始複合体の形成を妨害することで抗菌する働きが生まれます。
▼MRSA(細菌)のタンパク質合成とは▼
・細菌の細胞と、ヒトの細胞で大きく違うのは、細胞壁があるかないかです。
・細菌は細胞壁を持っており、ヒト細胞に細胞壁はありません。
・細菌が増殖する際、自身のタンパク質を合成する必要があります。
①自身のDNAが「転写」というプロセスを経てmRNAが合成される。
②mRNAの情報を元に「翻訳」のプロセスを経てタンパク質が合成される。
・この翻訳のプロセスおいては「リボソーム」が重要な役割となっており、細菌のリボソームは、「50Sサブユニット」と「30Sサブユニット」が合成され、「リボソーム70S」を構成いたします。リボソーム70SがmRNAの遺伝情報を読み取り、アミノ酸が繋がりタンパク質が合成されます。
▼オキサゾリジノン系抗菌薬▼
ザイボックス/シベクトロ |
使用方法 |
・成人にはテジゾリドリン酸エステルとして200mgを1日1回経口投与すること
(用法及び用量に関連する注意)
・グラム陽性菌に対してのみ抗菌活性があるため、グラム陰性菌等を含む混合感染と診断された場合、または混合感染が疑われる場合においては、適切な薬剤を併用して治療を行ってください。
・注射剤から錠剤への切り替え、注射剤からテジゾリドリン酸エステルの投与を開始した患者は、経口投与可能であると医師が判断した場合、同じ用量の錠剤に切り替えることが可能となります。 |
副作用 |
主な副作用
テジゾリドリン酸エステルには、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
そう痒性皮疹、Al-P上昇、下痢、ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇、四肢不快感、発熱、過敏症、薬物過敏症、肝機能異常
重大な副作用
頻回の下痢、偽膜性大腸炎、腹痛、貧血、白血球減少、汎血球減少、血小板減少、骨髄抑制、代謝性アシドーシス、乳酸アシドーシス、視神経症
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
紅斑性発疹、尿臭異常、全身性発疹、不眠症、末梢性ニューロパチー、脱水、悪寒、口腔カンジダ症、徐脈、ほてり、リンパ節症、悪心、嘔吐、便秘、腹部不快感、口内乾燥、消化不良、上腹部痛、鼓腸、胃食道逆流性疾患、血便排泄、味覚異常、霧視、硝子体浮遊物、睡眠障害、不安、悪夢、頭痛、浮動性めまい、傾眠、振戦、錯感覚、感覚鈍麻、関節痛、筋痙縮、背部痛、頸部痛、皮膚そう痒症、全身性そう痒症、発疹、斑状丘疹状発疹、多汗症、脱毛症、ざ瘡、コントロール不良の糖尿病、咳嗽、鼻乾燥、真菌感染、外陰腟真菌感染、カンジダ症、膿瘍、気道感染、疲労、易刺激性、末梢性浮腫、握力低下、肺うっ血、蕁麻疹、高カリウム血症、アレルギー性皮膚そう痒症、潮紅、皮膚真菌感染、外陰腟カンジダ症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・過敏症
・妊婦/産婦
使用に注意が必要な方 ・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・好中球減少症
・好中球数1000/mm3未満
上記にあてはまる方は、テジゾリドリン酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。 テジゾリドリン酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 ・ノギテカン塩酸塩(経口)/BCRPの基質である薬剤(経口)/ロスバスタチン(服用)/BCRPの基質である薬剤(経口)/メトトレキサート(経口) |
よくある質問 |
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