アバカビル硫酸塩

成分名

アバカビル硫酸塩

適応症状

HIV感染症

簡易説明

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の増殖をおさえる抗ウイルス薬です。
ヌクレオシド系の逆転写酵素阻害薬の一つで、ウイルスの遺伝子の複製を妨げる作用があります。
ウイルスが減少するとともに、免疫力が回復し、病状を改善します。また、エイズの発症や進行を遅らせます。
ただし、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難なため生涯、継続する治療となります。

処方可能な診療科目

性病科/感染症科/婦人科/内科/泌尿器科など

健康保険の適応

健康保険適応可

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:社会福祉制度があるため所得によって異なります
薬代先発薬1錠の目安:ザイアジェン錠300mg665.1円
薬代後発薬1錠の目安:ラバミコム配合錠884.7円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1999年9月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ザイアジェン錠300mg(アバカビル硫酸塩錠)【製薬メーカー:ヴィーブヘルスケア】
エプジコム配合錠(ラミブジン・アバカビル硫酸塩錠)【製薬メーカー:ヴィーブヘルスケア】
トリーメク配合錠(ドルテグラビルナトリウム・アバカビル硫酸塩・ラミブジン錠)【製薬メーカー:ヴィーブヘルスケア】

関連製品(ジェネリック)

ラバミコム配合錠「アメル」(ラミブジン・アバカビル硫酸塩錠)【製薬メーカー:共和薬品】

海外での使用実績

FDA承認あり
アメリカ 1998年承認

効果・作用

逆転写酵素という酵素の活性を阻害し、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の宿主細胞への感染を抑える薬です。
アバカビルはHIVの逆転写酵素と競合しDNAに取り込まれた後、DNA鎖の伸長を停止することで逆転写酵素の活性を阻害します。アバカビルは他の抗HIV薬と併用し多剤併用療法(ART)に用いられます。

■作用機序
アバカビルは、細胞内で活性化型のカルボビル三リン酸に変換されます。カルボビル三リン酸は天然基質デオキシグアノシン三リン酸に代わってウイルスDNA鎖に取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止させることによりHIVの複製を阻害します。また、カルボビル三リン酸はHIV逆転写酵素を競合的に阻害します。
■HIVとは
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、免疫の中心的な役割を担うリンパ球(主にCD4というタンパク質を発現しているリンパ球)やマクロファージに感染し、免疫系を徐々に破壊することでHIV感染症を引き起こします。
HIVは標的となる宿主細胞に侵入した後、自身の遺伝子を逆転写酵素によってDNAに変換し宿主の染色体に組み込むことで感染を成立させます。
■核酸系逆転写酵素阻害薬(抗HIV薬)
コンビビル
ザイアジェン
ビリアード
エプジコム
エムトリバ
ツルバダ
デシコビ

使用方法

通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、アバカビルとして1日量600mgを1日1回又は2回に分けて経口投与します。
なお、年齢、体重、症状により適宜減量します。
■用法及び用量に関連する注意
HIVは感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること
本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること

副作用

主な副作用
発疹/悪心/体脂肪再分布/体脂肪蓄積/胸部脂肪増加/体幹部脂肪増加/末梢部脂肪減少/顔面脂肪減少/野牛肩/血清脂質増加/血糖増加

重大な副作用
膵炎/乳酸アシドーシス/脂肪肝/発熱/皮疹/多臓器過敏症/全身性過敏症/斑状丘疹性皮疹/じん麻疹/多形紅斑/嘔気/嘔吐/下痢/腹痛/口腔潰瘍/呼吸困難/咳/咽頭痛/頭痛/急性呼吸促迫症候群/呼吸不全/感覚異常/リンパ球減少/肝機能検査値異常/AST上昇/ALT上昇/肝不全/筋痛/筋変性/横紋筋融解/筋萎縮/関節痛/CK上昇/クレアチニン上昇/腎不全/結膜炎/嗜眠/倦怠感/疲労感/浮腫/リンパ節腫脹/血圧低下/粘膜障害/アナフィラキシー/皮膚粘膜眼症候群/Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死融解症/Toxic Epidermal Necrolysis/TEN/脂肪沈着による重度肝腫大/肝毒性/肝毒性が疑われる臨床症状/肝毒性が疑われる検査値異常/重篤な乳酸アシドーシス/全身倦怠/食欲不振/急な体重減少/胃腸障害/頻呼吸

その他の副作用
高乳酸塩血症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症
・重度肝障害
・中等度肝障害
・妊婦・産婦
■アバカビル硫酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方アバカビル硫酸塩(ザイアジェン錠300mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ザイアジェン錠300mgの有効成分
1錠中アバカビル硫酸塩351mg(アバカビルとして300mg)
▼代表薬の添加物
結晶セルロース/デンプングリコール酸ナトリウム/ステアリン酸マグネシウム/軽質無水ケイ酸/ヒプロメロース/酸化チタン/トリアセチン/黄色三二酸化鉄/ポリソルベート80

使用に注意が必要な方
・軽度肝障害
・肝疾患の危険因子を有する
・HIV-2感染症
・HLA-B*5701を保有
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児

【投与に際する指示】
・中等度肝障害
【慎重投与】
・高齢者

上記にあてはまる方は、アバカビル硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アバカビル硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・アルコール(飲酒)
・メサドン塩酸塩
・リオシグアト

上記を使用している方は、アバカビル硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アバカビル硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アバカビル硫酸塩に関する
よくある質問
アバカビルは食事に影響を受けますか?

アバカビルは食事の有無にかかわらず服用できる

薬物動態

【上記引用元:weblio辞書】

アバカビルはHIVの第一選択ですか?

アバカビルは、エイズ治療の第1選択として使用される抗ウイルス剤です。

抗HIV-1薬の新規抗癌作用の解明に成功

【上記引用元:京都大学】

参考元一覧

ザイアジェン錠300mg 【ヴィーブヘルスケア株式会社】

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